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「なんとなく、遠距離恋愛の行方って…こうなる予感はあったのよ…」
坂口みどりは寂しそうに微笑した。彼女は24歳のOLで、恋人は現在、大阪に単身赴任中の営業課の期待のホープだった。
短大を卒業し、この商社に就職したみどりは歓迎コンパの席で、白川啓介に出会い、翌日には早くも交際を申し込まれたのだ。白川は、みどりが受付に配属されたときから「かわいい」と見ていたらしい。
しかし、ほんの数ヶ月の蜜月のうちに、白川が大阪転勤を命じられると、みどりは、はた目にもわかるほど、がっかりと落ち込んでしまった。
みどりをなんとか立ち直らせたのは、白川の「シンデレラエクスプレスしよう」
という言葉に励まされたからだ。毎週は無理でも、隔週ごとに、みどりが大阪で週末を過ごし、
白川が東京のみどりの部屋で週末を過ごす。
それはある意味、いつも二人で一緒にいるよりも新鮮な感動をみどりに与えることとなった。
大阪の彼の部屋で過ごす週末は、ままごとのような新婚さんごっこだし、みどりの知らない土地を、
白川は上手にリードして、デートコースをあれこれ考えてくれた。
それがいつからか、「週末は京都にホテルを予約したから」というものに変わった。
はじめは、それがうれしかった。大阪に慣れたみどりに、古都を恋人と二人でデートするというのは、
素直にうれしいものだったのだ。
だけど、気がつけば…。「忙しくて」を口実に、いつしかみどりの部屋から白川が遠ざかっていくように感じていたのだ。白川と会えるのは月に一度。このごろでは2ヶ月に一度のこともあった――。
京都のホテルでのつかの間の逢瀬。
彼が忙しい仕事をやりくりして、自分と会うための時間を作ってくれるのは、うれしかった。
しかし、疲れている彼を見るのも、会えない不安にいらだつ自分を抑えるのも、辛かった。
有能な営業マンだから、忙しいのはわかっている。だけど、恋しくて、恋しくて、今夜も眠れない夜が続く。
みどりには、もう、どうしていいのかわからない。なんでこんなに好きなのだろう。
あの人が。きっと、ほかにもすてきな男性は世の中にいるはずなのに。
「…もう2時か。明日に差し支えるから、早く眠らなくちゃ…」
みどりは寝付けないベッドの中で、寝心地のよい体位を求めて、身体を反転させたが、心地よい眠りの精は降りてきてはくれない。
「…ん、もうっ…」
週末の京都のホテルで、白川に愛撫されたことを思えば、女の部分が熱く濡れてくるようで、なかなか寝付けないのだ。
「…せめて夢の中で…」
しかし、やさしい夢は訪れてはくれなかった。みどりは、求めても得られないたくましく優しい腕を思った。
そろり、と、レースの下着の中に右手を入れていた。彼に愛された女の部分をそっと探る。
柔毛の中にあるポイント。そっと指を押し当てて、動かしてみる。自分でするのは、初めてではない。
けれど、いくばくかの後ろめたさと、むなしさと、切なさ、喪失感を感じていた。
「…もう、いやよ。遠距離恋愛がこんなに切ないなんて…。あなたはとても忙しくて…。でも…」
このままでは、きっと自分はだめになる。ならば、彼に別れを告げ、前向きに次の恋を探そうか。
「わがままなのよ、わたしっ…」
もっと会いたい。そばにいてほしい。自分だけを見ていてほしい。それが叶えられないならば。
きっちり着込んだパジャマの上下も、レースのショーツも脱ぎ捨てられ、
みどりは、生まれたままの姿でベッドにいた。
乳首は赤く、グミの実のように硬くなってそそり立っている。うつぶせた状態で、
シーツにこすれる乳首が痛かった。
そして、じわじわと体を侵食していく熱い感覚に、みどりはじっと目を閉じた。
「ここに…熱い塊が…ほしい…」
クレバスの奥の、きゅっと閉じた小さな孔に、おそるおそる中指を入れた。
「怖くない…、だって、タンポンだって使ってるんだもの」
ぬめりに助けられて、中指は徐々に奥に入っていった。
ならば、もう一本。そろそろと抜いた中指に今度は人差し指を添えて、
二本にした指を侵入させる。
「…あ?…」
ぴりっとした痛みと、その中になんともいえない快美感を感じ、みどりは焦った。
「い、今の、何…?」
クリトリスならばわかるが、いったい今のは?確かに痛みは感じたが、それだけではなかった。
一瞬に近いわずかの時間だが、ヒクッと腰がしなり、快楽を感じていた。
「…もう一度…」
恐る恐る再び、指を進めてみる。今度は痛みは感じない。しかし、快感もなかった。
「…なんだったのかしら?さっきのあの感覚って…」
愛液で濡れた手を、枕もとのテッシュで拭い、きっちりとパジャマを着込んだ。
――決めたわ。私。
無理をしている自分が、辛かった。彼の負担にもなりたくはなかった。だから。新しい恋を探そう。
「…そうね…、前から気になっていた、あれ…」
化粧品会社のカタログに乗っている、とっておきのラブグッズを注文してみようかしら、
とみどりは薄く微笑した。
「…どうせなら…膣圧をあげるっていうのがいいかしら…?」
自分を磨いて、今よりももっと、きれいな女になりたい。
気持ちにもゆとりの持てる大人の、いい女になりたい、と…。
みどりは涙で潤んだ目を閉じた――。
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