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官能小説 傷心旅行
沖縄旅行の目的って…?
どうにでもなれ!!と勢いで沖縄まで来たが、 可奈子は少し後悔し始めていた。 失恋した翌日、有給をとって東京から脱出したのだ。
担当していた広告の件が、今更のように気になる。
「可奈子、暗い顔はナシ!佐山さんのことは考えないこと。」
「ごめん。ただ仕事のことが……」
「それもNG!私、お酒買ってくる」
友人の美香は立ち上がり、海岸沿いにあるバーへ向かった。
沖縄の海を眺めていると、可奈子はまた佐山を思い出した。 湘南の海が最初のデートだったっけ。 「焼けた肌が好き」と佐山が言うので、初めて肌を焼いた。
佐山と初めて結ばれた夜のことは一生忘れないだろう。 小麦色の可奈子の背中を、佐山は無骨な指で撫でまわした。 ひりひりする肌に、軽い電流が流れるような快感が走る。
「制服の下に、こんないやらしい体が隠れてたなんて…」
佐山は全裸でうつ伏せになった可奈子の下に手をまわし、 背中に唇を這わせながら胸を優しくもんだ。
佐山は大柄な男だった。 年齢も10歳上で、可奈子には頼れる憧れの先輩。 そして何より体の相性が抜群だった。
向かい合って大きな佐山に抱えられ、一つになるのが好きだった。 包まれている安心感の中で、力強く何度も突き上げられると、 あまりの快感に毎回気が遠くなったのを思い出す。
佐山との情交を思い出したら涙があふれた。 「ダメダメ……」
可奈子は立ち上がり記憶を遮断した。
「美香、遅いな」
夕闇が迫り肌寒く感じる。
気づくと、目の前に二人組の男達がいた。
「遊ばない?」
「ごめんなさい」
去ろうとすると男が前を遮る。
「いいじゃん」
男の横を無言で過ぎようとすると、もう一人の男が立ちはだかる。
男達は行く手をことごとく遮り、 可奈子がおびえる様子を楽しんでいる。 恐怖を感じ始めたその時……
「カオリ!みんな探してるぞ。さあ行こ!」
そう言って、見知らぬ男が突然可奈子の腕を掴んで走りだした。 大通りに出たところで男が腕を離す。
「すみません急に。あそこナンパスポットなんだ」
可奈子は泣きそうになり顔を伏せた。
男は、背が高くて細身だがほどよく筋肉がつき美しい体格をしている。 顔つきは爽やかで少年のよう。
「俺、伊坂伸吾」
「搭野可奈子です」
「寒いでしょ」
伸吾は、自分のパーカーを可奈子の肩にかけた。
「ありがとう」
伸吾にホテルまで送ってもらい、連絡先を交換して別れた。
部屋に戻ると、美香はもう寝ていた。 可奈子はベッドに入ってからも 伸吾の顔が思い出されて寝つけなかった。
切ない快感
朝食を食べながら、可奈子は昨夜の出来事を美香に話した。
「ごめん可奈子!私が酔ってたから…。 でも無事でよかった〜!素敵な恩人に会えたね」
美香がニヤニヤする。
「何?」
「運命の出会い」
可奈子は顔が熱くなった。
「あれ?まんざらでもない?じゃ、早く電話しなよ」
「でも……」
「お礼しなきゃ!」
可奈子が迷っていると、突然携帯電話が鳴る。
なんと伸吾からだ。
「昨日はどうも」
「こっ、こちらこそ、ありがとうございました!」
「ところで今日、何してる?」
結局その日は、伸吾の案内で観光をすることに。 サービス精神旺盛な伸吾のガイドは楽しく、 可奈子と美香は沖縄旅行を大いに満喫した。
最終日の夜、ホテルの部屋で3人で飲んでいたが、 美香が先に寝てしまったので可奈子と伸吾は夜の海を見に外へ出た。 寄り添うように座る2人。
可奈子は伸吾に惹かれていた。 失恋の反動かと思ったが、 すでにそれだけではないことに気づいている。
「明日には帰るのか……」
伸吾がつぶやく。
「色々ありがとう」
沈黙が続く。
可奈子は、思い切って立ち上がった。
「じゃ……」
可奈子が別れを言おうとした時、 伸吾に腕を引かれ唇をふさがれた。 触れるような一瞬のキスの後、見つめ合う2人。 可奈子がキスの意味を聞こうとした瞬間、今度は力強く唇を押しつける伸吾。 波の音にあおられるようにキスは激しさを増す。
これが彼との最後……可奈子の目から涙が溢れた。 可奈子の涙が伸吾の頬に伝う。 伸吾ははっとして離れた。
「突然ごめん。明日空港まで送るから。それじゃ」
目も合わせず伸吾はその場を去っていった…。
シャワーを浴びながら、可奈子は伸吾のキスを思い出していた。 力強い唇、熱い吐息、腕をつかむ長い指の感触……。
可奈子の指は秘部へと伸びた。 彼の指が蕾を撫でるのを想像しつつ、自分を愛撫する可奈子。
じんわり熱くなった窪みに静かに指を入れ、 伸吾と一つになるところを想像する。 日に焼けた締まった肉体が可奈子を包み、 硬く隆起した伸吾の部分が情熱的に責め続ける。
その想像は悦びに満ち、同時に切なく痛かった。 溢れ出る愛液が、ザーザーというシャワーの水と共に流れ去る。 可奈子は声を押し殺し、幻の伸吾と達した。 そしてバスタブに座りこみ、再び涙した。
翌日、可奈子は伸吾を待たずにホテルを出た。 恋慕の情を胸にしまい、東京へと経った可奈子。 青い海を、飛行機の中でただ見つめることしかできなかった。
あの海のように深いセックス…
可奈子は東京のビル風にあおられ、思わず肩をすぼめた。 失恋を癒しに行った先でまた失恋……か。
「可奈子!」
振り向くと、元彼の佐山がこちらに向かってきた。
「あの子とは別れた。最初から軽い気持ちで…」
「…その子が可哀想よ。最低ね…!」
可奈子が去ろうとすると、佐山が腕を掴む。 腕を振りほどこうともがいていると
「可奈子!」
と呼ぶ声がして、もう一方の腕を掴まれた。
「またナンパ?」
挑戦的な目で佐山を睨んでいるのは、なんと伸吾だった。
「驚いたわ」
ホテルのバーで可奈子と伸吾は飲んでいた。
「美香ちゃんから連絡があって、会社の場所聞いたんだ。 だから、あの辺で偶然会えないかなって……」
「電話すればいいのに」
「嫌われたと思ったんだよ」
「何も言わずに帰ってごめんなさい…。 あなたを地元の人だと思い込んでて…早く忘れたくて…。」
「ただの帰省だって、早く言えばよかったんだよな。俺も、ごめん。」
「また会えてよかった……」
ホテルの部屋。窓の外には輝く夜景。 「海で会ってたのが懐かしい…」
裸の2人は静かにキスをする。 長い指で可奈子の太ももや尻を撫でる伸吾。 日に焼けた伸吾の体は、可奈子の想像以上に逞しい。
伸吾の胸に頬を寄せると、力強い鼓動が聞こえる。 可奈子は伸吾の部分に触れ、そして口に含んだ。
「……我慢できない」
伸吾は起き上がり可奈子を押し倒す。 伸吾の人差し指と中指が器用に絡まりながら、 可奈子の十分に潤った温かい泉の中を泳ぐ。
愛液の湖は渦を巻き、子宮の奥から悦びが込み上げる可奈子。 快感の波が打ち寄せては引き、心拍数は上昇し続ける。
一方伸吾は、そんな可奈子の姿を見て愛おしさが止まらなかった。 その感情を抑えきれず、伸吾は可奈子の体中にキスを浴びせた。
ますます可奈子の歓喜の声が高まる。 伸吾は、可奈子の中へゆっくりと体を沈めた。
「ああーっ……!!」
可奈子は快感に背をそらし、歓喜の声をあげた。 伸吾はそれに呼応し、深く突いたり、腰を緩やかにスクロールさせる。 沖縄の澄んだ海を泳いでいるような感覚をおぼえる可奈子。
伸吾の浅黒い胸部が近づいたり遠ざかったりするたび、 可奈子は呼吸を合わせ自らを快感の渦へと巻き込んだ。 2人きりで海の中にいるような快感…。
この海を泳ぎ続けたい……。 そう思った瞬間、強い陽射しのような刺激が突きあげ、 あっという間に可奈子は伸吾と共に果てた。
眠りに落ちた可奈子の耳には、 過ぎた夏の日の波音が微かに聞こえていた。
<傷心旅行 〜おわり〜>