のどの奥に叩き付けられる、どこか青臭いような…。
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なつきさん/26歳/フリーターの体験談
「ダーメ。今日はわたしが攻めるんだからね」
手を出そうとした彼にべーっと舌を見せてから、冷蔵庫から取り出した可愛い小ビンの蓋を開ける。そんなわたしの態度に、彼は『へえ、それはそれは』と笑った。経験の浅いわたしのことをバカにしているんだろう。残念ながらそれは事実だった。わたしの知っていることのほとんどは、元々は彼の知識だ。セックスの快感も男の人の性感帯も、そして自分のからだのどこが気持ちいいのかさえ、彼から教えられた。
でも、負けないんだから。気持ちよくされることは好きだけど、でもいつも受け身でされるがままなんて、女がすたる。男を喘がせるくらいのテクの一つも持たないと。そう思って、彼に隠れてそれなりの努力もしてきた。
「んふふ……」
なぜか奇妙に戦闘的な気分を隠すように、できるだけ妖艶に笑って見せる。彼の手が伸びてきて頬を撫でられた。「じゃあ、頑張ってみな」
「うん」
彼は部屋の隅に置かれていた大きなビーズクッションを引き寄せると、それを背もたれに長々と寝そべった。「あ、それダメ。あし、広げて」
「よしよし」
子ども相手のように明るく頷くと、彼は大きく脚を開いてくれた。そのあいだにぺたりと座り、ラブシロップのビンを傾ける。広い腹部にとろりと糸を引いて落ちた液体が、周囲にいちごの甘い匂いを漂わせる。『冷た』とわずかに目を細める彼に悪戯に笑いかけながら、薄く浮いた腹筋のあいだをのんびりと流れるラブシロップに指をつけ、すーっと下へなぞった。
そのまま、剛毛からぬるりと顔を出す赤黒い彼のものの先端にまで、一本のすじをつける。甘い香りを塗りつけるように何度も指先を往復させると、すでに膨張しかけていたそれがびくんと一気に頭をもたげた。そっと顔を上げ彼を見上げる。
「それで?」
わたしをからかうような声は普段と変わらなかったけれど、でも平静なわけがないと思う。だって、もうこんなに……。
「ん、……ちゅ」
親指と人差し指の先だけで握り、徐々に硬くなっていく表面に滑らせながら、ラブシロップで濡れ光る彼の腹部に顔を伏せた。甘い香りに口づけ、舐め取っていく。舌先に感じるいちごの甘さと少しざらざらした肌の感触と、そしてわずかに乱れた彼の息遣い。彼が感じてくれていることが嬉しくて、わたしは無心で舌を動かした。すべて舐めとって味がしなくなると、ゆっくり下の方へずり下がった。それを繰り返していると、ほどなく剛毛が口の中に入ってきた。
「なつき……?」
彼の望むままに口で奉仕をしたことは何度もあったけれど、ここまで舐めたことはなかった。彼の完全に隆起しきったくびれの部分に指先をすりつけながら、剛毛やそのずっと下のやわらかく垂れたふくらみに舌を這わせる。くみ上げ湯葉を連想するような、むにょむにょしたやわらかな感触がおもしろい。左右を交互に含み、根っこからぺろりと舐め上げる。
「……ぅ、あ……っ」
初めて聞いたうめき声に、目だけを上げて彼の表情を確認した。眉根を寄せた、ちょっと苦しそうな顔。
「ここ、痛い……?」
「いや、いい。っていうか、これ以上焦らすなよ」
吐き捨てるような強い声と同時に伸びてきた手が、わたしのあごの辺りを鷲づかみにした。いったん引き剥がされ、そして。「咥えて」
肯定も否定もする暇もなく、ぐいと口の中に突き込まれて揺すぶられた。吐き気のするような強さに蹂躙されながら、歯を立てないように必死で口を開ける。唇をすぼめて彼の感じる部分を締め付け、こすりつける。舌の裏で先端を包み込むように舐め回す。いちごの甘さを打ち消すように広がる、薄苦い彼の前兆の味。
「ん、んん……く、うっ」
搾り出すような低い声と同時に、わたしの頭をつかんだ彼の指先に力が入った。激しく出し入れをしながら、ビクビクと震えているのがわかる。
――もしかして、イきそうなのかな。
乱暴に頭を揺すぶられながら、ふと思う。今まで彼がわたしの口の中に出したことは一回もなかった。わたしがヘタなこともあったと思うけれど、彼はどちらかというと好きにしたい人で、女に主導権を取られてイかされるのはあまり好きじゃないらしい。そんな人が……?
「な、なつ、き……」かすれる声と震えるからだ。「あ、やば、出る……っ!」
わたしの頭を抱え込んで腰を強く二度三度と突き出して、そして彼は低くうめいた。「ん、く……っ、う、ううっ」
のどの奥に叩き付けられる、どこか青臭いような苦い液。口の中に排泄されているという被虐的な快感と彼をイかせたという満足だけで、わたしのからだは充分すぎるほどに潤んでいた。
「あー、やられた……」
ビーズクッションの上にどさりと上半身を落とすと、全力疾走直後みたいな息の隙間から彼はそう言った。「どうだ、まいったか」
笑いながら彼の横に添うように寝転ぶ。薄目を開けた彼が妙に神妙な顔で頷きながら肩を抱き寄せてくる。「ああ、まいった。あんなこと、どこで覚えた?」
「へへへー、なーいしょっ」
「まったく」
はあっと大きく溜息をついて、けれど次の瞬間彼はにやりと笑った。「えっちなコにはお仕置きしないと、だな」
その言葉の通り、そのあとわたしは声が嗄れるまで叫ばされた。
おわり
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