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官能小説 【後編】私のデイ・ストーカー【LCスタイル】


作品について

この作品は、小説サイト「ムーンライトノベルズ」と合同で開催した、
「妄想小説コンテスト」の優秀賞作品です。

瞳の色

彼女に出会ったのは、惨めで報われない自分の人生の中に訪れた、最初で最後の幸運だった、と思う。

――菅宮圭介。名前も外見も日本人でしかない僕には、ただ一つだけ他と違うものものがあった。

それが、この外国人じみた、奇妙な色の瞳だ。

もちろん両親はどちらも純日本人だし、どちらの親族にも外国の血は混ざっていないのに。母は僕を産んですぐに父から浮気を疑われた。母は父以外との経験はなく、泣きながら言い返している声を、当時赤ん坊だった自分は不思議と覚えている。きっと、生まれてすぐに両親から歓迎されなかったのが悲しかったから、忘れられなかったのかもしれない。

遺伝子検査なども受けて、結果、わかった事は、僕が間違いなく二人の間に出来た子供だという事。遺伝子の組み合わせ……と、いうより、体内のメラニンの割合により、数万人に一人の確率で、稀に僕のような瞳の子供が生まれる事があるらしかった。

けれど、疑惑の目を向けられた母が父を許す事はなかった。父は何度も謝っていたけれど、母は頑なに父を拒み、耳を傾けようとしなかった。新婚なのに部屋も別々にしてしまい、母は僕の瞳を見る度に父に詰られた事を思い出すようで、僕の世話を最低限行う以外は心を砕いてくれる事などなかった。

一番初めに体験する自分以外の人間との接し方を家族から学べなかったのだから、当然ながら他人と話すだなんて芸当が出来る筈もなく、僕には友人ができる事はなかった。家にも居場所はなく、いつもポツンと一人でいたように思う。

学校では授業は真面目に受けるけれど、それ以外は本を読むか寝たフリをして過ごしていた。
そうやって自分からも壁を作り人と話さなくなると、話し方を忘れてしまうようで、偶に僕に話しかけてくれる同級生に上手い返しができないものかと考えあぐねている内に時間が過ぎ、無言の空気に相手が耐えきれなくなり、気まずそうに、話しかけて悪かった、と何処かへ消えてしまうのが常だった。

頭の中でなん度もシミュレーションをしながら先程のやりとりを再現する。想像の中の自分はスラスラと気の利いた事が言えるのに、現実ではこうもうまく喋る事ができないのだからどうしようもない。

家に帰っても冷え切った夫婦仲の空気に耐えられず、早々に部屋へ閉じこもり、自作のパソコンを弄るのが僕のささやかな日常だった。

前髪が長くて自分でも鬱陶しいとは感じるけれど、幼い頃にクラスメイトに瞳を見られたせいで揶揄われ、嫌な思いをしたのをきっかけに早々に伸ばして常に隠すようにしてきた。

そうすれば変に絡んでくることもないし、おかしな髪型の変な人間だとでも相手が勝手に思ってくれるようで、不必要に近寄られないから良かったと思う。この試みは思ったよりも僕にとって良い結果をもたらしている。母も僕の瞳を見なければ嫌悪に歪んだ視線を向けてこない事がわかったからだ。

そうして高校、大学と順調に学業を修めていき、子供の頃から続けてきたプログラムを組む特技が受け入れられ、運良く今の会社に採用される事が決まった。就職を機にあの居心地の悪かった家を出て、会社からは近い、治安も良い場所にアパートを借りる事もできた。

彼女との出会い

就職して5年は経った頃だ。他所の会社の営業さんに話しかけられた。女性で、その人は日比谷マヒロさんと名乗った。どうもその日、彼女は先輩と打ち合わせに来ていたようで、それが終わった後、まだ新人の彼女だけが抜けて、ひとりでフラフラとしていたらしい。

彼女は自販機でコーヒーを買った後、なにを思ったのか僕に話しかけてきて、隣に座って良いかと問いかけてきた。初対面の人と話すのはあまり気が進まないが、しかし彼女は取引先の営業さんだ。変に断るのもどうかと思うし、僕にそんな権限なんてない。どうぞと促すと、「お隣失礼しますね?」と言いながら彼女は腰掛けた。

彼女は元来お喋り好きな性格のようで、ポンポンと会話を弾ませては流れるように話を紡いでいく。「色んな年代の人と話せるし、営業は私に合ってるんじゃないかと思うんです」そう言いながら、彼女は照れ臭そうに笑った。勿論彼女ばかりが喋るのではなくって、きちんと僕の話も聞いてくれた。

長年人と話さずにいたせいで、つっかえがちで子供のように拙い喋りを笑うでもなく、彼女は相槌を打ちながら微笑みを絶やさず聞いてくれる。誰かに自分の事を聞いてもらうのがこんなにも嬉しいものだなんて初めて知った。

それに彼女の聞き役も上手いせいだろう。気がついたら今まで誰にも話した事のなかった趣味の事まで話していて、それが偶然にも彼女と同じ趣味だという事がわかって嬉しくなった。

彼女は話に熱が入るとうっかり口を滑らせてしまうタイプらしい。いくら話が合うとはいえ、ほぼ初対面の自分にまで住んでいるアパートの事を話してしまっていて、地名を聞いて驚いた。

その場所は過去に強盗殺人やら空き巣被害やらが多発している物騒な場所だった。このご時世にそんなとも思うけれど、実際に新聞にも載っていたのだから間違いはない。彼女の会社の人間は誰も注意をしなかったのだろうか。

彼女は自宅の場所がとても気に入っているようで、会社に近くて便利だとか、家賃が格安だから趣味にお金を回せるだとかを楽しげに聞かせてくれるので、言うべきかどうか迷ってしまった。

そうこうしている内に、彼女は先輩らしき男の人に呼ばれてしまう。返事をしてから僕に向き直り、「それじゃあ、また。お話、とっても楽しかったです」と言って去ってしまった。

「まっ、て……!」

立ち上がりかけて、声を発するけれど、彼女達の姿はもう見えない。とうにエレベーターに乗り込み帰ってしまったようだ。どうしよう……彼女の身に、なにか良くない事が起こってしまうような、そんな気がしてしまう。

会ったばかりでなにを、とも思う。けれど、彼女のあの明るい笑顔が忘れられない。もしかしたら自分に優しくしてくれた初めての人だったから、変に執着しているのかもしれない。けれど、あんなに明るい人の身に不幸が訪れてはならないとも思う。

彼女の家の住所は知っているから、少しだけ、ついていってみようか。決して声を掛けずに、そっと後ろをついていくだけ。逡巡した末に導き出した答えがそれだった。やっている事はストーカーのようだが、要は彼女に見つからなければ問題のない事だ。

これから残業に入る予定だったが予定を切り上げてすぐ様タイムカードを切る。おきに入りの暗色のマウンテンパーカーを羽織り会社を出た。だがそのまま彼女の後を追ってもまだ会社にいる可能性もあるから、一旦、近場の喫茶店に入り、snsをチェックする。

彼女はその日にあった他愛のない事をネットで良く呟いていると言っていた。趣味や名前、それに彼女の職種について検索をかければ何かしら引っかかるだろう。

「…………あった」

考えていた通り、彼女のアカウントと思しきものが見つかった。本名をもじったものをアカウント名として使用しているようで、過去のツイートを遡ってみると、確かに先ほど僕に話してくれた内容のものが出てくる。

ゲームに漫画。仕事でのちょっとした愚痴。内容がぴったりと一致するから、このアカウントは彼女のもので間違いないだろう。早速フォローをしておくと、ピロン!と軽快な通知音が鳴った。

『やっと仕事おわった〜!これから帰宅。おおお……リアタイ視聴に間に合わん』

彼女らしい絵文字がふんだんに盛り込まれた呟きが現れる。……多分だけど、衛星放送でやってるアニメをリアルタイムで視聴しようとしている?のかもしれない。

彼女をつけて

急いで喫茶店を出て、彼女の家の最寄り駅へ急ぐ。……いた。彼女だ。後ろをぴったりとくっつきながら慎重に夜道を歩く。実際に歩いてみて思ったけれど、彼女の家までの道のりは薄暗くてかなり人通りが少ない。

若い女性が一人で歩くには危険であるし、今もすれ違った身なりの汚い男が振り返り、彼女の事を舐めるように見ていたのを確認する。彼女に危害が向かわないよう、毎日見届けていようと心に誓った。

彼女の言動はsnsを監視していれば自ずと分かる。まめな性格のようで、些細な事を毎日きちんと呟いているようだ。それをチェックしていけば家をでる前のタイミングや大体の帰宅時間も推測出来る。

彼女は割と勤務時間の不規則な営業であるから、とにかくこちらが毎日残業しなくて済むように仕事を終わらせる事に専念して、彼女が安心して暮らせるよう努めた。

そのせいか仕事にメリハリが出来て自分自身も充実してきたような気がする。もちろん仕事の合間に彼女のツイートを観察するのも怠らない。今日はお昼にラーメンを食べたらしい。駅前にある家系ラーメンだけど、写真はアップしてあるが、味についてのコメントは載っていなかった。

「ああ……この店は、味が美味しくないって、評判なのに……マヒロさん、おっちょこちょいなんだね……ふふ」

口元を押さえながら、勝手に浮かび上がる笑みを抑えようと試みる。彼女は、きっと顔に出さないよう平静を装って平らげたに違いない。変に気を使う人だから、いかにも不味そうにしていたら店長に申し訳ないとでも思ったんだろう。

次の日は美味しいと評判の店に行ったようで、凄く美味しかったと興奮気味に料理を絶賛するコメントと写真付きのツイートがアップされており、やはり彼女はわかりやすい性格だというこちらの読みは当たった。

「ああ……マヒロさん、可愛いなあ……」

何度も何度も彼女の行動を監視している内に、彼女の存在が自分の中で膨れ上がり、遂には溢れて押さえきれなくなっていった。

だが、これ以上距離をつめようにも僕たちは違う会社で一度会っただけの仲だ。話しかけてみようか。でも、何を言えば良い?今まで人と話す事を疎かにしてきたツケが回ってきたのか、僕にはどうすればいいのか分からなくなっていた。

彼女は僕のものだ

「また……アイツがいる。マヒロさん、狙われている……?」

彼女の跡を付ける日々を続けている内に、どうやら彼女がタチの悪い輩に目をつけられているのを確認した。最初に僕が跡をつけた際にすれ違った、あの小汚い身なりの男だ。今も彼女の背後から跡をつけている。これで5回目だから間違いない。

このまま家が特定されたら彼女の身に危害が及ぶだろう。でも……非力な自分に何が出来るだろうか。考えている内に『不審者に注意!!』と書かれた大きな看板が視界に入る。もう間も無く彼女の家についてしまうだろう。焦った僕は、咄嗟にワザと物音を立てて自分の存在を仄かす事にした。

派手に荷物を落としたからだろうか。彼女の跡をつけていた男はこちらを勢い良く振り向くと忌々しそうに舌打ちをし、何事もなかったように別の曲がり角を曲がっていった。が、そのせいで彼女に僕がいる事までばれてしまい、彼女は不思議そうに首を傾げながらもこちらに普通に話しかけてきた。焦った僕が挙動不審な事を口走ってしまったのは想像に難くないと思う。

不安だ。彼女の呟く内容を逐一追いかけてはいても、ツイートをしていない時はどうしてもある。しかも彼女は営業職だ。自分とは違い、基本外回りが多いのだからその間に危険な目に遭ってしまうかもしれない。

ああ、ああ……なんとかしなければ。僕に出来る事は毎朝毎晩、彼女の身に危険が及ばぬように家から会社までの距離を見守る事ぐらいだ。

自分があまり人に言えないような事をしている自覚はある。現に今朝もアパートの窓から彼女に話しかけられて焦って逃げてしまったのだから。きっと彼女は変に思ったに違いない。

どうしてこう、自分は、もっと上手く立ち回れないのだろう。

その日は、偶々社内のシステムに異常が見られ、急遽残業する羽目になってしまった日だった。自分の担当部門だから、この問題が解決するまでもちろん帰る事は許されない。急いで修復作業をしながら、合間に彼女のsnsを確認するのを繰り返す。……彼女はちょうど帰社したらしい。早く、終わらせなければ。彼女が家に帰るまでに間に合わない。

30分後、なんとか一通り終わらせる事ができ、急いでタイムカードを切って会社を飛び出す。電車に乗ってから彼女のツイートを確認すると、もう駅から降りてしまっているらしい。今は通りの途中で猫を見つけたらしく、呑気に写真を撮ったものをsnsにあげていた。……これならば、間に合うかもしれない。運動不足気味の身体に鞭打って、急いで脚を動かしていく。

――いた。彼女だ。けれど、様子がおかしい。いつもならもっとのんびりとした足取りで歩いているのに、今日は落ち着きなく歩いている。なにかに怯えているような……多分、一人で歩いているのが心細いのかもしれない。彼女は僕がついてきているのにうっすら気づいていた節があるから。

来るのが遅くなってしまって、ごめんね。怖い思いをさせてしまったね。

「マ、ヒロ、さん……!」

声をだして駆け寄ろうとすると、彼女の背後の物陰から、誰かがゆらりと出てくる気配があった。けれど、その手には金属で出来たバットを握っている。彼女はそちらを振り向く。するとバットは勢い良く振り下ろされ、彼女の頭に鈍い音を響かせながら反動で跳ね返った。彼女の身体は傾いでいき、地面に倒れてしまう。

――なんだ、これは。なにが起こっている?一連の流れがまるでスローモーションのようにゆっくりと進みながら映る。このままにしては、いけない。彼女の身体が穢されてしまう。

僕は叫び声を上げながら走っていき、そのまま男に向かって体当たりをする。男はギョッとしたような顔をして僕ごと地面に転がっていった。衝撃で転がり出た自分のスマホを急いで拾い、通話ボタンを押してからスピーカーのまま警察にかけると、男は捕まるのを恐れてか、急いで立ち上がって逃げていった。

「マヒロ、さん……!」

急いで彼女の元に駆け寄り身体を抱き起こす。けれど、返事はない。ぐったりとしながら目を閉じており、可哀想に、額には青紫色の痣が出来てしまっていた。

「マヒロ、さんっ!!」

大丈夫だ。落ち着け、落ち着け!彼女はキチンと呼吸をしている。脈も正常だから、きっとすぐに目覚めるだろう。今は自分がすべき事を行うべきだ。

『もしもし――どうされました?事件ですか?事故ですか?』

スマホからこちらに向かって話しかける声が聞こえる。彼女を抱きかかえたままスマホを握りしめ、耳に押し当てる。

「もしもし――警察ですか?すぐにきてください。女性が、襲われて、倒れています。場所は――」

通話を終え、スマホを上着のポケットに仕舞い込み、救急と警察が来るのを待ちながら、気を失っている彼女の顔をそっと見下ろす。

――大丈夫だよ。マヒロ、さん。

「僕が、必ず。貴方を助けてあげるからね」

目を覚ました彼女が僕を覚えていない事に衝撃を覚えた。正しくは、僕の事だけが初めから無かったかのようにスッポリと抜け落ちている。

いつも彼女のsnsを監視しながら名前を呼んでいたのが良かったのかもしれない。無意識に彼女を名前で呼びかけていたから、彼女は僕を自身の特別な人だと勘違いしたようだ。その瞬間、僕は素晴らしい考えを思いついてしまった。

彼女との出会いが全てリセットされてしまったのならば、新しい記憶を擦り込ませてしまえばいいのではないだろうか。例えば……そう、『婚約者』というのはどうだろう。それも結婚を前提にお付き合いをさせてもらっていた。こう言えば、素直な彼女の事だ。すぐ様受け入れてくれるのではないだろうか。

口元が歪み、勝手に笑みの形を浮かべてしまう。彼女に気づかれないように取り入らなければならないから、これは隠さなければいけない。……上手く止められるだろうか。

「貴方の事を覚えていないの。でも、私の事を名前で呼んでくれたから、きっととても親しい間柄ですよね……?あ!もしかして、私の恋人だとか?」

「………………はい。僕は、貴女の婚約者、です。結婚を前提に、お付き合いさせて、頂いてるんですよ……」

「わあ!やっぱり!」と言いながらポンっと手を叩き、嬉しそうに笑う彼女の可愛らしさに、言い難い喜びが心の中を駆け巡っていく。ああ。これで……

――彼女は、僕のものだ。

思い出して

ベッドで眠る男女

ふと目が覚めると、目の前には圭介さんの寝顔が飛び込んでくる。今は癖のある分厚い前髪が横に流れており、彼のくっきりとした鼻梁が見えてついつい魅入ってしまう。彼の顔は私の好みでもあるから、多分だけど、このまま時間を忘れて眺め続けていられる自信がある。

しばらく堪能してからやっと満足すると、ふと、気がついた。そういえば彼と付き合ってからの写真がないんだっけなあ。結構なんでも写真に撮る癖のある私だからこそ、彼との写真は沢山撮っている筈なのに。それこそ付き合いたてなら特に浮かれて撮る筈だ。

……なんで一枚もないんだろう。そんな風に違和感を感じる事が、ちょこちょことあったりする。

教えてない筈のお昼ごはんもピタリと言い当てるし、日中私がなにをしていたのかも何故か分かるらしい。それに、前に私がしていたという指輪がどんなものだったのか聞いてみてもはぐらかされてしまうし。変なの。

「指輪、か……」

月明かりに左手を翳しながら、薬指に嵌められている今の指輪をまじまじと眺めてみる。

前の指輪は……襲われた時に外れてしまったという彼の言葉を頼りに記憶を探ってみる。……場所は、私が前に住んでいた安アパートの近くだ。その側には目印になるものがあって、確かでっかい看板があった筈。

確か……ええと、そう!シンプルなデザインだったと思う。大きな文字で、でかでかと書いてあって。内容は……そうだ!『不審者に注意!!』だ!

瞬間、頭にかかっていたモヤのようなものがキレイに消えていき、思考がクリアになる。

「思い、だした……!」

隣で生まれたままの姿で眠る圭介さんの姿を見つめる。

そうだ……!この人、婚約者なんかじゃない。私のストーカーだった人だ。じゃあ、私、今まで圭介さんに嘘をつかれていたって事……?

動揺から胸の鼓動が早まっていく。そんな、どうして……?答えの見えない思考が頭の中をぐるぐると駆け回っていきながら混乱しているうちに、圭介さんに身体を引き寄せられてギュッと抱きしめられる。どうやら人肌恋しかったようで、寝ぼけたまま、私を探していたらしい。彼の胸板に頬をうずめる形になり、私は上手く纏まらない思考のまま、彼の心音を静かに聞いていた。

――-ドクン、ドクン。

彼の命の音に耳を済ませているうちに、心が落ち着きを取り戻していく。色んな言葉が頭の中を浮かんでは消えていき、最後に辿り着いたのは、心底私を好きでいてくれている彼の蕩けた笑顔だった。……そうだ。彼は溺れる程に私を愛してくれてたっけ。

それなら。――うん。まあ……

「幸せだし、別にいっか」

ただ、ちょっとシャクだから、緩んだ腕から抜け出して、気持ちよさそうに眠る圭介さんの鼻を軽く摘んでいじわるをしてみる。すると、彼は苦しそうに眉を歪めて「うう」と呻いている。

ぱっと手を離してから顎に手を当て、圭介さんをじっと見つめながら考える。少し……いや、随分と妙な始まり方をしてしまった私達だけれど、まあ、これはこれでいいんじゃないかな?だなんて私は密かに思うのだ。

でも、思い出した事は、しばらく圭介さんには黙っていようと思う。

END

あらすじ

会社からの帰り道、私は背後に感じる強い視線を感じる。一定の距離を保ちながらついてくるその人の存在は…。

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