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小説サイト投稿作品4 「hug」(ペンネーム:和田幸さん)
「hug」(ペンネーム:和田幸さん)
〜LC編集部のおすすめポイント〜
大学生の初々しい2人が微笑ましく感じる作品です。
突然降り出す雨に、急遽行き先を変更するむーさんと、戸惑いながらもついていくふうちゃん。
若い2人の進展が気になり、読み入ってしまいます!
初めてのことが重なり、わたわたと落ち着かないむーさんの描写が微笑ましく感じます。
初めてエッチしたときのことを思い出して2人と重ねてしまうような…甘酸っぱいラブストーリーです♪
雨のイタズラ
「なんだか急に天気が悪くなってきたね」
僕の彼女である『ふうちゃん』こと、米沢風子が空を見上げて呟いた。
「ホントだ。雨、降るかな…?」
「雨が降ったら、むーさんが傘になってね」
ふうちゃんは『むーさん』こと、村山幸四郎にピッタリとくっついて歩いた。
今日は、大学から歩いて映画館があるショッピングモールへと向かう予定だった。
映研で知り合った僕たちらしいデート。ところが…歩いて10分もしないうちに、ポツリポツリと雨が降り出した。
所謂、ゲリラ豪雨だ。雨は、ポツリポツリからあっという間にザーザー降りになった。
「ふうちゃん!急いで」
僕は、ショッピングモールではなく、行き先を変更した。
夢中で走ったその先は…
「何!?どこ行くの?」
もたつくふうちゃんの手をギュッと握って、夢中で走った。
そして、自分の家にたどり着いた。大学まで実家からは通えないから、僕は独り暮らしをしていた。
「ここ、むーさん家?」
僕が住んでいるのは、学生向けの古い小さなアパートだ。
雨風しのげたらいいと思っていたけれど、彼女に見られるのは、少し恥ずかしかった。
でも、そんなことを言っている場合ではなかった。
ふうちゃんのブラウスが雨に濡れて、肌にくっついていたからだ。
「うん。古いし、狭いけれど…」
階段を上り、2階のいちばん端が、僕の部屋だ。ガチャガチャと鍵を開ける。
ちょっともたついたのは、雨でかじかむ手のせいだけではない。
「おじゃまします…」
僕は、部屋に物を置くのが好きじゃないせいで、わりと片付いていた。
「身体、これで拭いて」
ふうちゃんに大きなバスタオルを渡した。
「ありがと」
そう言いながら、クシュンとかわいいくしゃみをした。
「あっ、寒い?シャワー浴びたほうがいいね」
「でも…着替え…」
雨に濡れた髪、ブラウス…僕は、ふうちゃんを直視できないでいた。
「着替えは、ジャージか何か適当に用意する!」
僕は、そう言うと、ふうちゃんの背中を押して、風呂場に追いやった。
初夜を待てずに
ふうちゃんがシャワーを浴びているあいだ、僕は、必要以上にバスタオルでゴシゴシと頭を拭きながら部屋の中をウロウロとしていた。
パタンと、風呂場の扉が閉まる音がして、何食わぬ顔でその場に座り、雑誌をめくった。
「シャワーありがとう」
「う、うん」
僕は、振り向きもせずに返事をした。
「むーさんのスウェット大きいから、ズボン要らない」
「えっ!?」
思わず、振り向く。小さな身体のふうちゃんには、スウェットの上だけ羽織れば充分だった。
僕のスウェットの中で身体が泳いでしまう、ふうちゃん…。
なんて小さくて、かわいい子なんだ!思わず耳まで真っ赤にして…興奮してしまった。
「どうしたの?」
キョトンとするふうちゃんが愛しくて、たまらなくて、思わずギュッと抱きしめた。
「えっ?むーさん、どうしたの?」
「…したい」
「えっ!?」
「初夜を待てない」
「む、むーさん…」
ふうちゃんから体を離すと、抑えきれない気持ちから、熱い口付けを繰り返した。
今まで何度もキスをしたけれど、こんなにも熱く激しいキスは初めてだった。
「ごめんね、ふうちゃん僕…もう抑えきれない」
素直にそう伝えると、ふうちゃんは僕と、自分のメガネを外した。
「嬉しい…私もずっと幸四郎くんに…抱かれたかったの」
メガネ越しじゃなく、目と目を合わせて、初めて『幸四郎くん』と呼ばれた。それだけで、胸の鼓動は加速した。
髪に触れて、柔らかい身体に触れて、何度も唇を重ねて、甘い香りに包まれて…。
「幸四郎くん、好き…」
ギュッと手を握り、体温を感じて、抱きしめる。
「僕も…好きだよ」
古くて狭い、僕のアパートの部屋が、愛の巣になった。ふうちゃんと僕の愛の巣。
僕だけの…
「ふうちゃん、ありがとう」
愛を確かめあった後、手を繋いだまま、寝そべっていた。
「こちらこそ、だよ」
「ふうちゃん、コンタクトレンズ禁止」
「どうしたの?急に…メガネじゃなきゃヘン?」
不思議がるふうちゃんと見つめあい、また唇を重ねた。
「コンタクトにすると、他の男がギラギラする」
そう言うと、鼻で笑った。
「そんなこと言うの、幸四郎くんだけだよ。普段の私は、『お笑い担当』なんだからっ!」
「僕の前では『お笑い担当』じゃないよ」
「じゃあ、何?」
「僕だけの…」