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官能小説 仕事一筋 1話
仕事一筋の女性
翔子は35歳だが、若々しい容姿のせいか20代に見られることもあり、言い寄る男性も少なくない。
しかし翔子が誰にもなびかないので、「仕事にしか興味のない女」と思われている。 翔子には、男を寄せつけない理由があった。
実は3年前、結婚まで考えていた恋人に、こっぴどく振られたのである。 それ以来翔子は、恋愛に対して純粋な期待感が持てなくなっていた。
そんな乾ききった翔子の日常に一陣の風が吹いた。 きっかけは、LA支店に配属される新人の教育を任されたことにある。
翔子の部下は23歳の営業マン、鈴木武人。同期の中では一番優秀だという理由で抜擢されたらしい。 確かに武人は何事においても優秀だったが、一度だけ大きなミスをした。
武人がスポンサーに提示した納品日に制作側がノーを出し、大手スポンサーと人気クリエイターのあいだに挟まれ、武人は身動きがとれなくなったのである。 翔子は仕方なくクリエイターに、納期を早めて欲しいと直々に頼みこんだ。軽々と要求は通った。
実はその男性クリエイターは、密かに翔子に憧れていたのである。 そんな事情を知らない武人は、いつしか翔子を女神のように崇めるようになっていた。
武人から見る翔子は、常にクールだった。 しかし、ふとした瞬間に見せる憂いを帯びた表情に、たまらなく色気を感じることがあった。 翔子はいつも長い髪をアップにしているのだが、白くて華奢なうなじに繊細で悲しげなものを感じる。 あの…首すじに触れてみたい。 すべらかでありながらも、微かに指にはりつくような湿り気を帯びているに違いない。武人はそんな夢想を繰り返した。
「トラブル解決のお礼もかねて今度おごらせてください」
ついに武人は、翔子を誘った。 翔子は驚いた。部下としてしか見ていなかった武人。 しかし、よく見れば彼の潤んだ黒目がちな瞳は無垢で美しく、反して体つきは細いながらもたくましく色気がある。
その夜、翔子は夢を見た。
誰かが耳元に優しく舌を這わせている。あごから耳にかけての線がシャープで美しい。見覚えのある顔…。 彼の濡れた舌は熱い吐息とともに首すじをゆっくりとすべり、翔子の胸の谷間に達した。
「いつも見ています。服を着ていても、この体のラインは男心を疼かせるんです…」
男は骨ばった人指し指の先で、乳輪を転がすようにくすぐる。
「あっ…」
思わず声をあげて、翔子は目を覚ました。
翌日、翔子が武人のデートの誘いを承諾したことは言うまでもない。
部下との恋愛
はるかに年下というだけでなく部下である武人は、本来なら確実に恋愛対象外だ。 しかし、意外なほど翔子は武人にときめいた。 仕事では頼りない面もややあったが、デートプランの仕切りはすべてやってくれるし、翔子の財布もあてにせず自分で賄ってくれる。
また、彼はときどき自宅に翔子を招き、翔子の好きな白ワインに合うパスタやカルパッチョなどをふるまってくれることもあった。 翔子が酔っぱらうと、武人はもっぱら愚痴の聞き役にまわり、優しく肩を抱いてくれた。
武人の筋肉質で筋張った長い腕が腰にまわされると、翔子は女として恥ずかしいほど疼いた。 背中にまわされた彼の指先が、翔子のブラウスの下からさりげなくすべり込み、素肌を優しく撫でまわす。 ぞくぞくっと、過敏になった皮膚に興奮が走る。
彼の胸元からは、たける欲望をひた隠しているような、ほんのり甘酸っぱい香りがした。 その匂いが鼻孔をくすぐるたび、このまま身をゆだねたいという衝動にかられ、下着にじんわり熱い液が染み入るのがわかる。
さらに彼の大きめで厚みのある口を間近で見ていると、若々しく旺盛な性欲を連想し、身もだえするほど彼が欲しくなった。
この唇に口をふさがれたら、私は気が遠くなるほど彼を愛してしまう。 肉厚な唇と舌で私の敏感な部分を愛撫されたら、きっとそれだけで昇天してしまう。
武人のシャープなあごのラインもまた、セクシーさを際立たせていた。 その端正な顔立ちは、彼の精悍でエロティックな肉体と連動しているに違いない。
かたい胸板に耳を寄せると、力強い鼓動が聞こえる。翔子への欲望を必死で抑えながらも興奮しているのだ。 翔子は一度だけ、偶然に武人の股のあたりに手が触れてしまったことがある。
驚くほどにたぎっていることは、服の上からでも容易に察せられた。
しかし武人はそんなにまでして耐えながら、翔子にそれ以上の関係を求めなかった。 そんな「バカ」がつくほどの誠実さに、翔子のかたくなだった心はみるみるうちに溶けていった。
武人のLA行きは、2カ月後。仕事上での関係は、終わりの時期を迎えている。 では、男女としては?
1人になると「武人について行きたい」という思いがこみあげた。 武人の真っ直ぐで黒い瞳、自分を包み込む汗ばんだたくましい腕…。目を閉じると、魅力的な武人ばかりが浮かぶ。
気持ちを伝えたい!
…そう決心したとき、携帯電話が突然鳴り始めた。 武人からだった。
年下の部下
「LA行きが早まりました」
電話越しの武人は静かにつぶやき、 話したいから会いたいと言った。
翌日、行きつけのバーで待ち合わせた。 先に着いていた武人が、 落ち着きなくタバコを吸っている。 武人は翔子を見ると、いたずらを見つかった子供のように 急いでタバコをもみ消した。
「消さなくてもいいのに。もしかして未成年?」
翔子がちゃかすと、武人はむっとした。
「子供扱いするなよ…」
そして武人は言った。
「LAについてきて欲しい。正式に恋人になろう」
「一つめの件は、今は無理…でも、二つめの件はOK」
武人は家に入った途端、玄関口から翔子を求めてきた。 我慢の限界を超えた23歳の肉欲は、 想像をはるかにしのぎ荒々しかった。
初めて触れる彼の唇は柔らかく瑞々しかったが、 感触を味わう間もなく、 彼の舌は翔子の唇をこじあけ狭い口内を雄々しく支配した。 翔子も負けじと彼の舌を自分の舌で絡めとる。 湧きあがる互いの唾液の混じり合う音が、隠微に響く。
ブラウスのボタンを、もどかしそうにはずす武人。
「暗く…」
「嫌だ。翔子のすべてを目に焼きつけるんだ!」
ホックをはずす間も惜しみ、 武人はブラジャーの下に手を入れてきた。 翔子の弾力のある胸は、 武人の骨ばった逞しい手のひらでぐいぐい揉まれた。
「全部見せて…」
武人が下着をはずしにかかる。
いつの間にか翔子の華奢な体は、すっぽり武人に包まれていた。 翔子の柔らかい太腿を押し広げ、 唇を秘部に押しつける武人。 さらに彼の舌先は敏感な蕾を器用にころがし、 分け目の間にも侵入してしつこいほど愛撫した。
翔子があまりの快感に頭が真っ白になりかけた時、
武人はたぎった自身を深くゆっくりと挿入してきた。
1ヵ月後、武人は旅立った。
たいてい2人はウェブカメラで連絡を取り合った。
「翔子、若返った?」
カメラ越しに武人が言う。翔子は、極上の笑顔を武人に返した。
実は翔子は、化粧品やボディケア用品を一新したのである。美容効果があり、さらに男性の欲望をそそるという魔法のような商品。 翔子には、これまで以上に男が寄ってきた。武人に愛されるための努力が、翔子に女の自信を取り戻させたのである。 もちろん、すべては武人のため…。だけど…彼に自分を届けられない不満をうっかり近場で発散してしまったら? ふとそんな思いがよぎるとき、翔子は首を横にふってイケナイ妄想を追い払った。
<仕事一筋 〜おわり〜>
あらすじ
仕事一筋の女性、翔子。部下としてしか見ていなかった武人から食事に誘われたのをきっかけに、彼との淫らな行為をする夢を見てしまい・・・

















