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官能小説 Vな彼女と彼氏 最終話

バレンタインの約束

エプロンをつけた結華は、鼻歌交じりで冷蔵庫から白い皿を取り出した。

そこには綺麗に焼かれた丸いガトーショコラがある。

リビングのテーブルに置くと、チョコレートの香りがした。

しっとりとしており、食べ頃である。結華はその出来映えに、思わず嬉しくなる。

「拓馬くんは、いつ来るの?」

来客用のティーカップを用意する母の言葉に、結華はスマートフォンを見た。

「あと30分くらいだって。……って、あ! これ、20分以上前のだ!」

そのとき、チャイムが鳴った。母の「拓馬くんじゃない?」との声に、結華は玄関に走った。

約半月ぶりに拓馬と会うことに喜びを隠し切れず、結華はエプロン姿のままドアを開けた。

バレンタインデーに彼氏のために作ったケーキ

「拓馬! いらっしゃい!」

「こんにちは」

コートを羽織った拓馬は、挨拶を交わすと小さく笑みを見せた。「どうしたの?」と結華は首を傾げる。

「だって、結華。すごく嬉しそうだから。可愛いなぁ、と思って」

結華は心がむず痒くなる。ベッドの上だけでなく、普段も拓馬は直球な愛情表現を口にする。

けれども、結華は未だに慣れない。

にこにことする拓馬とは対照的に、いつも結華は照れを隠そうとするのが精いっぱいである。

――こういうところがズルい。サラッと言っちゃうんだよなぁ。

だから私は拓馬に敵わない。結華は内心で常々そう思う。

「どうしたの? 拓馬」

視線を感じて拓馬を見ると、彼は返事を待っているかのようであった。

「……拓馬も、その……カッコイイよ」

照れが体中から溢れて、うつむく結華の声は消え入りそうであった。

けれども、拓馬はしっかりとその言葉を受け取っており、結華の頭をぽんぽんと嬉しそうに撫でた。

結華の母は拓馬の顔を少し見ると「ちょっと百貨店に」と買い物に出かけた。

家から百貨店まではバスで片道20分程かかり、なおかつバス停まで徒歩10分である。

これは気を利かせてのことだろうと、ふたりはすぐに察した。

リビングでテーブルを挟んで、結華と拓馬は向かい合っていた。

彼らの前には、ワンホールのガトーショコラがある。

「これ全部、俺に?」

「だって、ずっと渡していなかったから」

十年分のガトーショコラ、と結華は恥ずかしそうに言った。

「食べ切れるかな。でも結華のガトーショコラ、大好きだから。俺、すごく嬉しい」

口角を上げ、拓馬はにっこりと微笑んだ。きらきらとした眩しいくらいの爽やかな笑顔だ。

それは結華にとって、いつまでも変わらないもの。

結華は、きょろきょろと辺りをうかがうと、忍び足で拓馬の隣に座った。

そして、家にいるのは自分たちだけであることを確認すると、拓馬の肩に寄りかかった。

「これからずっと、私のガトーショコラを食べてね」

「もちろん。よろこんで」

ふたりは見つめ合い、そしてゆっくりと唇を重ねる。窓の外では、雪が降っていた。

END

あらすじ

拓馬と結華の運命はいかに…!

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