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官能小説 彼と彼女のラブグッズ物語 第二話『2人の溶けあう時間』
第二話『2人の溶けあう時間』
(彼女の周りだけ光っている)
最初に田中裕子を見たとき、そう辻洋介は思った。
混雑する成田のロビーで、ロスの出張から戻ったばかりだった。
別便の搭乗口で、幸せに頬を染める若い男女を取り囲むようにして、祝福の言葉を投げかけている人々。
これからハネムーンに出発しようとするカップルだ。
その人の輪から少し離れて、にこやかに満足そうに見守っていたのが、ウェディングコーディネーターの裕子だった。
自然体でにこやかに立っている彼女の姿は、新婦よりも輝いて見えた。
その瞬間、洋介は一目惚れした。
「あの……」
洋介は思い切って裕子に声をかけた。
「で、会ったその日にもうベッドインしちゃったってわけ?」
休日のランチタイム。
都心のカフェで昼食をとりながら、裕子の同僚の奈々子がからかうように笑う。
裕子はサンドイッチを齧りながら明るく言う。
「だって、その時の洋ちゃん、すごく情熱的でカッコよかったんだもん」
「やだ、ごちそうさまぁ。もうラブラブなんだからぁ」
ふいに、いつもほがらかな裕子の顔に影が射した。
「…そうでもないよ。最近、洋ちゃんは出張ばっかりだし、私も結婚シーズンは忙しくて、すれ違いばっかなんだ…たまに会えてもご飯食べて疲れ果てて寝るだけ。エッチするどころじゃないんだ」
奈々子が心配そうに、疲労が色濃い裕子の顔を覗き込む。
「あんたもチーフになってから残業ばっかりだしね。そうそう、疲れてる時は、ローションバスなんていいよ」
「ローションバス?」
「お湯がとろとろになって、身体中にまとわりつく感じですっごく暖まるの」
「ふぅん」
好奇心旺盛な裕子の目が、何かを思いついたようにきらりと光った。
その日は、洋介の出張帰国の日だった。
長旅で疲れた洋介が、足取りも重く部屋に帰って来た。
部屋で待ち受けていた裕子は、ドア口で軽く洋介に抱きついた。
彼の身体がひどく冷えている事に気がつく。
「お帰り、お疲れさま。ね、お風呂わいてるの。久しぶりに背中流してあげる」
「そうだな。湯船につかるのも久しぶりだし、入りたいな」
裕子の心づくしの夕食の後、二人は一緒にバスルームに入った。
先に湯船に足を入れた洋介が、びっくりしたように固まった。
湯水がとろりと足に絡まったのだ。
「なにこれ?」
その様子に、裕子が悪戯っぽく笑う。
「ね、とろとろしてて面白いでしょ。洋ちゃんのローション風呂デビューです!」
裕子ははしゃぎながら背後から洋介に抱きつき、二人でとぷんとローションバスに身を浸した。
「うーん、いい香り……」
裕子が白い首筋に湯をかけると、ねっとりした湯がぬるぬると彼女の柔肌を光らせる。
薄ピンク色に染まった裕子の全身が、艶かしくぬめっている。
洋介は、にわかに自分の下腹部が硬化するのを感じる。
「すべすべだね、どこもかしこも」

洋介はそっと手を伸ばして、裕子の首筋から胸元に這わす。
ふくよかな乳房もぬるぬるして、まさぐる手がつるつる滑る。
「あ……ん」
洋介の愛撫に、裕子が可愛らしく溜め息を漏らす。
下腹部から太腿の狭間に、指をつるりと潜り込ませると、彼女の秘密の花園ももうぬるぬるになっている。
「ああ、裕子のココ、すごく熱いよ」
「はぁん、洋ちゃん、感じる…」
次第に二人の興奮が高まってくる。
洋介は裕子の股間をまさぐりながら強く引き寄せ、唇を重ねた。
裕子の唇が開いて、きつく舌を絡ませてくる。
「ああ…洋ちゃん…」
「好きだよ、裕子。君が欲しい…」
二人は火照った身体のまま、ベッドインした。
「いいもの買って来たね、ありがとう」
洋介が熱い身体を重ねながら、裕子の耳元で優しく囁いた。
「うれしい……洋ちゃん」
裕子も全身をたかぶらせながら、洋介の硬く熱いモノを受け入れていった。
熱くセクシーな夜が今まさに始まろうとしていた。
END
あらすじ
空港で仕事をするウェディングコーディネーターの裕子に一目惚れした陽介。
思い切って彼女に声をかけ…