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官能小説 ルームナンバー701 1話
ラブホテルのオーナー愛子
『ルームナンバー701』。 このホテルで一番いい部屋。好きな男ができたら、ここに連れて行くのが長年の私の夢。
『このホテル』というのは、六本木、麻布エリアでは知る人ぞ知る、某隠れ家的ラブホテル。 最近は、カップルズホテルとか、デザイナーズホテルとか呼ぶそうだけれど、私は敢えて『ラブホテル』と呼ぶ。< だって、愛の営みの為に存在してるんですもの。オーナーとしてはそこんとこよろしく、ってことで。
―そう、私は、このラブホテル、『愛子』のオーナー。
今時、こんな古臭い名前、自分でもどうかと思うけど、亡くなった父が付けてくれた名前だから、受け継いだ後も名前は変えずに経営している。 だって、私の名前は『愛子』だから。
私が生まれて半年後にオープンしたこのホテルは、私と同じだけ歳を刻み、今も存在している。そのことが、ときどきあたしの励みになる。 悲しいときやつらいとき、そして、嬉しいときに。
どうしたらそんなにフェロモンって出るの?
「で?なんで付き合って2年になる山田さんと未だに701に行けてないのよ?」
行きつけのシャンパンバーのソファに座った途端、ヨッコが言う。
「山田さん、普通のホテルのほうが落ち着けるって言うんだもん」
「普通たって、一泊5万以上の、10万とかする部屋でしょ?これだから金持ちってイヤよねー」
笑いながら、ウェィターに合図を送る。 その、何気ない一連の動作の美しさに、やっぱりヨッコは綺麗だな、と思う。
ヨッコは私と同じ28歳。バリバリのヘアメイクアーティストで、自身が経営するサロンも連日連夜の大繁盛。 一見清楚に見えるけど、気に入った男は一度で落とすという大技の持ち主。自慢の親友。
「ねえ、ヨッコ。どうしたらそんなにフェロモンって出るの?」
「へ?出てる?意識したことない」
うーん、やっぱりフェロモンって天然モノなのかしら?
「今の私がノドから手が出るほど欲しいモノ」
「やーだ、愛子ったらまだ山田さんとセックスレスなの?」
――と乱入してきたのは、インテリアデザーイナーのベティ。ここだけの話、オネエなゲイ。
「フェロモンなんて、目に入る男片っ端から自分とエッチしてるトコ想像すればエロエロに出てくれるわよ」
ひらひらと舞うようにして私達の席に近づいて来ると、デカイ図体のクセして軽やかにヨッコの隣に腰掛ける。
ベティ曰く、 「いやらしい女はいやらしいことばかりを考えている。よって、日々エロいコトを考えていればエロスな存在になれるのよ!」 とのこと。
ヨッコも隣で笑って聞いてる。否定しないってコトは、ひょっとして…? よし、ここはひとつ、日々エッチなことを考えてみるか!
「そろそろね」ベティが「ジャン♪」と嬉しそうにフライヤーをポケットから取り出して見せびらかす。
今夜向かうはフェティッシュイベント。ルブタンの踵を鳴らして外へ出る。 4月の風が優しく頬を撫でる。お楽しみはまだまだこれから。
⇒【NEXT】「セックスが合わないのかもしれない…」(ルームナンバー701 2話)
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あらすじ
28歳の愛子は、父から譲りうけたラブホテルのオーナー。
このホテルで一番いい部屋「ルームナンバー701」に好きな男と行くのが夢である。
友人のフェロモンをうらやましく思いつつ、今夜のイベントへ向かう…