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官能小説 恋愛診断 1話


第1話 セックスと心理学

友人からセックスなどをテーマにするセクシャル心理学講座を勧められた時、弘美は乗り気ではなかった。

弘美の価値観では、性に関することをオープンに語られるのも、語るのも考えられないこと。セクシャルな行為はあくまでも秘めごとである。
…とは言え、このままではいけないとも思っていた。
結婚3年目となる夫、真一との性生活のことだ。セックスレスになって1年以上。
現在弘美は27歳。
そろそろ子供も産みたいが、今の状態ではそれも叶わない。

突破口が見つかるかも…
そんな思いが弘美の脳裏をよぎり、結局講座への参加を決めた。

●意外な教え

「女性が前向きな行動に出ることで、問題が解決する例はとても多いんですよ」

10歳くらいは年上であろう、艶っぽい美人医師は言った。
講座と言われて不安を感じていたが婦人科クリニックでの個別相談形式だったので、弘美は安心した。
そして、思い切って悩みを先生に打ち明けたのである。

「前向きな行動というのは…?」

「たとえば、ここへ貴女が来たこと」

講師は優しく微笑んだ。

「佐々木さんは、自分でしたことある?」

「えっ?」

「ひとりエッチ!」

弘美は顔を真っ赤にしてうつむいた。

「それが、前向きな行動その2!美容にもいいのよ。自分磨きだと思ってチャレンジしてみて」

●新しい扉を…

「自分磨きのため…か。」

そんな言葉があるだけで、弘美の羞恥心はやわらいだ。
自宅に戻った弘美は、講座を紹介してくれた友人がプレゼントしてくれた箱をそっと開いた。中を覗き、驚いてすぐフタを閉じる。
箱には、ひとりエッチグッズが1セット入っている。

心臓がバクバクしている…
これを使って綺麗になれば、また愛してくれるかな…?
弘美は静かに目をつむる。

真一の長く美しい指を思い出す…。
あの指で唇を撫で、首すじを撫で、胸のラインをなぞった真一。
弘美の顔を両手で包み、優しくキス。舌を激しく絡めながら、両腕で弘美の腰を引き寄せぴったり体を密着させる真一。
贅肉のない引き締まった真一の体が、弘美の柔らかい肌に触れる。力強く抱きすくめられ身動きがとれないまま、静かに押し倒される。
胸、腰、太もも…弘美の敏感なところに舌を這わせる真一。
そして真一の指先は、弘美の小さな蕾に…。

ハッと目をあける弘美。
じわり、と熱い液がショーツにしみ出るのを感じた。

「やだ…。」

想像だけで濡れた自分に、弘美は驚いた。
でも、もっと感じてみたい…。

弘美の内側から甘い欲望がゆっくりと湧き上がる。

「私、綺麗になる…」

弘美は、静かにつぶやいた。

あらすじ

セックスの心理学講座を勧められ、セックスレスを解消しようと思った弘美が出会ったのは…。

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