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官能小説 バースデーバレンタイン 2話
すれ違う2人
今年のバレンタインは、友樹と一緒に過ごそう…そして、私の本当の気持ちをなんとか伝えるんだ )
由子はそう自分に言い聞かせていた。
ところが、バレンタインの一週間前だった。
「ごめん、バレンタインの夜から出張に行く事が決まってしまったんだ。由子、本当にごめんな」
思いもかけない友樹からの電話だった。
「え…そ、そんな、仕事なら仕方ない、ね。別にいいよ、私、平気だよ」
由子は思わずそう答えてしまう。あれほど決心したのに、口からは強がった言葉しか出せなかった。由子は唇を噛んだ。
(このままだと、これからもっと友樹との距離が離れていってしてしまうかも……)
アドバイス
デパ地下のお菓子売り場は、バレンタイン商戦で熱気を帯びている。
会社帰りに通りかかった由子は、混雑しているチョコレート売り場の人ごみをぼんやり眺めた。ふと、その中に見知った顔を見つける。
俊の彼女の、横山瑠香だ。
白いフェイクファーのついたオフホワイトのコートを羽織った姿は、ウサギのように愛らしい。その瑠香は、目を輝かせてチョコレートのケースを見つめている。
( ああいういじらしい姿が、私にはない… )
由子は暗い気持ちに陥る。
「あ、先輩!」
由子に気づいた瑠香が、手を振ってきた。
「俊ちゃんって、甘いもの苦手だから、ビターでお酒入りのチョコ探してたんです。やっといいの見つかって、良かった!」
デパ地下の側のカフェで、由子と向かい合った瑠香は、嬉しそうにチョコの紙袋を抱えて、にっこりする。
そんな瑠香の姿をコーヒーをすすりながら見ていた由子は思わず、
「うらやましいな」
「え?」
由子はつい、心のうちを吐露していた。
「俊は幸せ者だわ。どうしたら、そんな風にカレシに素直になれるのかしら」
瑠香が眉を微かにひそめる。
「……先輩、カレシとうまくいってないんですか?」
由子は苦笑いする。「なんかね、最近心がすれ違うっていうか。私がつい素っ気ない態度とっても、あの人、全然怒らなくて…それがまた、なんだか寂しくて。だめだね、私がいけないんだけど」
瑠香がそっと聞く。
「先輩、カレシのこともう好きじゃないとか?」
「ううん。ほんとはすっごく好き」
突然、瑠香が、きっとした顔で由子を睨む。
「だったら、ちゃんと言わなきゃだめですよ!
好きなら好きって、シンプルに伝えなきゃ!」
瑠香が頬を染めて力説する姿を、由子はいじらしいと思い、俊が彼女に夢中なのも良く分かる気がした。
「そうできれば、したいんだけど……」
いつもは強気の由子の、しょんぼりした姿に、瑠香は何かしばらく考える風だったが、ふいに顔を上げて言う。
「先輩、バレンタインに何かカレシにサプライズをしてその気持ちを伝えたらどうです?」
「サプライズ?」
「そう、普段先輩がしそうにない、出来ない事を、思い切ってするんです!」
( サプライズ…… )
決心
夜、風呂上がりにドレッサーの前で身体を拭きながら、由子は思いに耽った。
お気に入りの石鹸で洗い上げた身体は、肌がきめ細かくすべすべしている。湯上がりの肉体は、ほんのりピンクに染まり、友樹の事を思うだけで、下腹部からじくりと涌き上がるような疼きが生まれる。
由子は、そっと自分の乳房に触れてみる。
大きくはないが、ほどよい膨らみに可憐な紅い乳首がたたずんでいる。その乳首の周りを、円を描くように撫でると、次第に乳首が硬く尖ってくる。
ちりっとした甘い疼きが、乳首から子宮に走る。
「あ……あ」
思わず息が荒くなる。
乳房から次第に下腹部へ指を滑らせる。若草の茂みの奥の、潤い始めた花弁を探る。
「はぁっ、あん……」
友樹のざらりとした指の感触を思い出す。
ぬるりとほころんだ果肉の狭間に指を潜らせ、友樹の肉体を思い浮かべながら、ゆっくりと掻き回す。じわりじわりと快感がせり上がり、 由子の肉体を熱くたかぶらせる。
「ああっ、あ、友樹……」
夢中で指をうごめかせながら、由子は心から友樹を欲しいと思った。
( 私、決めた。バレンタインにサプライズを起こすわ! )
由子は鏡の中の潤んだ瞳の自分をじっと見つめた。
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あらすじ
恋人同士の由子と友樹の誕生日は、バレンタインデー。
今年のバレンタインは二人で過ごそうと思っていたが、友樹は出張に行くことが決まってしまった。
由子は偶然出会った後輩のアドバイスから、バレンタインサプライズをすることを決意する。
その夜、友樹を思い出しながら、お風呂上がりにひとりHをして…