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官能小説 純白と快感のあいだ 最終話
拓也の住まい
「お邪魔します」
拓也に促されるままに、私は、彼の自宅アパートに入った。
さっきまで花火をしていたビーチは真っ暗で、そこからこの部屋に着くまでの道も決して明るくはない。部屋の照明の中ではっきりと拓也の顔を見ると、告白をしたことが恥ずかしくなって体中が熱くなる。
「ましろ」
正面から私を呼ぶ彼の声にも、反応するのが少し遅くなってしまう。
顔を上げかけたそのとき、拓也は私をスッと引き寄せ、「ありがとう」と抱きしめた。
私は、どう返していいのか分からず、黙って彼の腕の中に納まっている。
「あ、もしかして、ここに来たこと、後悔してるの?」
頭の上から落ちてくるその質問には、即座に首が動く。もちろん、横に。

その動きで、彼からにじみ出てくる甘い香りが、さらに強く私に染み込んだような気がする。少しだけ、火薬のにおいを織り交ぜながら。
「ううん、ここに来られて、嬉しい」
彼に視線を向けながらそう言葉にすると、なんだか、体も心も不思議なほどに落ち着いていった。
「よかった」
笑顔と言葉とともに、彼の唇が近づいてくる。
私は、吸い寄せられるように唇を合わせる。
暗闇に見守られていたときよりもずっと激しく、私たちは、舌を絡めた。
「好きだよ、ましろ」
唇と唇の間から、拓也はこぼれ落ちそうな言葉をすくい上げるように言う。
「うん…私も…」
私は、無意識に、彼をさらに強く抱きしめていた。
それに反応するように、拓也の腕の力もさらに強くなる。そして、私が着ているキャミソールワンピのストラップに手をかけると、「欲しい」と濡れた唇を動かす。
「うん…私も…」
さっきとまるで同じ言葉を、さっきよりもずっと切ない声で発していた。
ほっとしたような、嬉しそうな表情を顔全体に浮かべた次の瞬間、拓也は私を抱き上げた。
「お姫様抱っこすると、ましろ、余計に小さいな」
昼間と同じ純粋な笑顔で私をベッドルームに連れて行く彼は、「拓也が大きいんだよ」と返すだけのゆとりを与えてくれた。
重なる体…
ベッドに優しくおろされると、ワンピースの裾がふわりと浮いて、太ももが半分くらいあらわになる。そこに、すかさず、正面に座った拓也の手が重なった。
「柔らかい、すべすべ」と言いながら太ももを撫で、少しずつワンピースの中へと手を滑り込ませる。
「恥ずかしい…」
私は、思わず、彼の手の甲に自分の手を重ねる。
「キス…していい?」
太ももを撫でるふたりの指を絡めながら、うつむく私に拓也は柔らかい声を注いだ。
「うん」
顔を上げて、もう一度重ねた私の唇には、まだ、ついさっきの拓也の温もりと潤い、そして香りが残っているのが分かる。
「…ん…ん…」
唇の間から漏れる声には、快感の色が混じり始めていた。
脚に触れられながらのキスは、私を少し大胆にする。絡めていた指を離し、私は、拓也の脚の上に手を置く。穿いているデニムが邪魔をして、彼の体温が間接的にしか伝わってこないのが、もどかしい。そのもどかしさは、私をさらに大胆にした。私は、彼のTシャツの中へと手を忍ばせ、彼の背中に直に触れる。
(香りだけでなく、感触にも甘さというものがあるの…?)
そう思わせるような、しっとりと手の平に馴染む彼の肌に、私は、沈み込みたくなる。
拓也の両手が、私の太ももから少し浮き、ワンピースを脱がせようとする。
私は、身を任せた。
そして、ワンピースがベッドの上に置かれるよりも早く、拓也の服を脱がせていた。
「あぁ…ましろ…」
するりとデニムも脱ぎ去ると、拓也は、私を仰向けに寝かせながら体を重ねる。
「嬉しい…ましろと、こうしてる…」
首筋に舌を這わせながら、彼は感動のような声をこぼす。
「うん…私も、嬉しい…」
私は、彼の甘い香りを全身に浴びながら、その香りの源を探るように、首筋から肩に舌を這わす。
ダイレクトに肌から感じる彼の甘さは、私を快感の渦にどっぷりと引き込むような深みがある。
息が荒くなって、口からも鼻からも息を吸い込むと、ゾクゾクするような快感が血管の中に入り込むように全身に流れ、しっとりと濡れた声を抑えられない。
鎖骨から胸元へと移動していく彼の舌。その手は、背中のブラのホックにかかり、いとも簡単に私の乳房を緊張から解き放った。
「かわいい…」
取り立てて大きくも小さくもなく、何の特徴もない胸を、彼は最高の褒め言葉で包み込み、すぐにその胸の中に顔を埋めた。
「ましろって、全然名前負けしないキレイな白い肌してるけど、胸はもっと白いね」
ちょっといたずらっぽい視線を向ける拓也の顔を押しやって、両腕で胸を隠し、私もいたずらな表情を返す。
「だから、かわいいねってこと!」
拓也は、私の両腕を優しく、でも揺るぎなく広げると、再度胸に顔を埋め、口に含んだ。
「あぁ…」
左の胸を舌で濡らされ、右の胸を大きな手の平で包み込まれる。その指先が、時折、柔らかな丘のてっぺんに触れて、そのたびに私の身体はビクリと小さく震えた。
「ましろ、ほんと、かわいい」
左手の親指と人差し指で右の乳首をつまみ、左の胸をてっぺんから口に含んで舌で突起を転がす拓也。
「あぁぁ…いい…」
思わず漏れる声に、「ずっと舐めてたい」という声が返ってくる。その声からも甘い香りが漂うようで、私は、彼の髪を乱して興奮を散らしていた。
拓也の手が、徐々に下に向かって伸びていく。
ウエストを過ぎて太ももに手が触れると、ついさっきと同じところを撫でられているとは思えないほどの快感が走る。
「ぅぅ…ん」
息とも声ともつかない音が口から漏れると、彼の手は内ももに伸び、ショーツの上から泉に指を這わせる。
腰をくねらせるけれど、その動きは、彼の指から逃げるのではなく、その動きに沿って快感を求めようとしていた。
「あったかい」
そう言ってショーツを脱がせようとする彼の動きにも、私の腰は従順に従っている。
彼も下着を脱ぐと、もう一度両方の胸を順番に口に含み、それから、おへその周りへと舌を移動させ、しばらくギュッと私のウエストに抱きついてから、両脚の間に顔を埋めた。
「あぁぁ…」
熱いほどの舌がクリトリスを包み込むと、全身の快感のスイッチがすべて同時に入ったような衝撃が走る。
「気持ちよく、なって…ましろ。今夜しか、ましろを気持ちよくさせてあげられない…。だから、いっぱい気持ちよくなって」
ジュルジュルと音を立てながら私のめしべと泉に吸い付き、彼はとても真剣な声色と荒い息でそう言った。
“今夜しか”という言葉が、胸の真ん中を貫いて、今度は切なさが全身を駆け巡る。
「拓也…私も…舐めたい」
私たちは、お互いの一番敏感な部分を口に含み合う姿勢になって、どこかがむしゃらに、無心になって吐息を漏らし合った。
■離れたくない
それから、何十分くらい、私たちは、お互いの全身に舌を這わせ合っただろう。
キャンディーを舐めればその成分が身体の中に入るように、拓也に舌を這わせて唾液と混ぜれば、拓也の成分が私の中に入ってきてくれるかもしれない。そんな切ない期待をするほどに、私は、拓也を愛おしんだ。
荒くて湿った息を重ねながら、ふと、視線も絡み合う。その瞳から出ている言葉は、きっと、ふたりとも同じだった。
拓也は、私を仰向けに整えて自分の身体を重ねると、「ましろ」とまた私を呼んで、ゆっくりと私の泉へと彼自身を沈めこんだ。
「嬉しい…大好きだよ、ましろ」
さっきから何度も口にしている言葉を、さらに噛みしめるように口にして、彼は腰を前後させる。
「ぁぁ…ん…うん…私も…私も…大好き」
彼の動きに合わせて腰を揺らし、私も必死に言葉を絞り出す。
後ろから…横から…下から…。
拓也は、あらゆる角度から私の泉を揺らして、溢れさせた。
対面座位で繋がると、汗ばんだ拓也と目が合う。
その汗からも、拓也だけの甘い香りがにじみ出て、私は、愛おしさと快感と切なさがないまぜなった感情を、腰の動きにぶつけていた。
「離れたくない…ましろ…どこにも行かないで…」
切実な表情でそう言う拓也に、私は、たまらず唇を重ねた。
「うん…どこにも、いかないから…」
唇を離して耳元でそう囁くと、ふたりの腰の動きはいっそう激しさを増した。

「あぁ…だめ…ましろ…もぅ…」
泉の中で、彼自身がさらに膨張していくのが分かる。
「うん…ぁぁ…私も…」
強く抱きしめ合ったまま、私たちは、同時に果てて、ぐったりと横になった。
夏の魔法…香りの魔法
翌朝、民宿をチェックアウトすると、拓也の車で空港へと向かう。
車の中でも、空港でも、私たちは、心なしか言葉が少ない。
「本当に、ありがとう。すっごく楽しかったし、それに、幸せ」
搭乗口近くのベンチに腰かけて、この1週間のお礼を言う。
「それは、俺のセリフ」
目を合わせずに笑うと、拓也は、「開けて」とポケットから小さな袋を取り出す。
袋を開けると、貝殻でできたピアスとブレスレットのセットが入っている。
「きれい…」
「友だちに教えてもらって…」
「え?拓也の、手作り?」
声もなく照れくさそうに笑みを浮かべる彼は、やはり、純粋で無垢で、どこまでも透明だ。
私は、あまりの嬉しさに、「ありがとう」と抱きつく。
拓也にピアスとブレスレットをつけてもらうと、搭乗の時間になった。
できるだけ長く一緒にいたくて、ほかの乗客が乗り込むのを待つ。
「それじゃ…」
諦めるように言う私に、拓也は、言葉ではなく強い抱擁で返事をする。
「すぐ、すぐに、東京に行くから。待ってて」
彼の言葉に、私も、言葉ではなく長い口づけで返事をした。
ひとりでの帰路とは思えない。
それほどに、拓也からこぼれる甘い香りを、私の身体と心は、たくさん拾っていた。
知り合って1週間の、住まいも遠く離れた人に告白という大胆なことをするなんて、夏はやはり、魔法がかかった季節なのかもしれない。そしてそれ以上に、香りにも、魔法が宿っているのかもしれない。
その2つの魔法は、次に拓也が東京に来ても、何度逢瀬を交わしても、決してとけることなどない。そう確信しながら、眼下の雲を眺めていた。
END
あらすじ
島で偶然出会いお互いに惹かれあって、ビーチで想いを伝えあった拓哉とましろ。
ましろは拓哉に促されるままに彼の自宅のアパートへ。
拓哉とましろは吸い寄せられるように唇を合わせる…。