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官能小説 幼なじみの甘い脅迫 1話
誕生日プレゼント
★作品について
この作品は、小説サイト「ムーンライトノベルズ」と合同で開催した、「女性の為のHなラブコスメ小説コンテスト」のLC賞作品です。ドキドキの小説をお楽しみください。
「葵、ちょっと遅くなっちゃったけど、これ誕生日プレゼント」
そう言って友人の菜々子がピンク色の包みを差し出したのは、うららかな春の日差しが降り注ぐおしゃれなカフェのテラス席だった。
芽吹いた新緑と鉢植えの花々。磨き上げられたウッドデッキ。
久しぶりにお茶をしようと誘われてやって来たのだが、美味しそうなケーキを前に葵は表情を凍りつかせる。
「た、誕生日プレゼント?!」
あからさまに不審声にも負けず、菜々子は満面の笑みでぐいと包みを押し出した。
葵は恐れるように体を引く。
菜々子とは小学校時代に知り合い、就職した今でも仲良くしている友人だ。
仕事が休みで天気も良い今日は、適当に街をぶらぶらして雑貨屋を見て回り、ちょうどおやつ時になったからとカフェに入ったところである。
優しい色のカプチーノに繊細なつくりのケーキ。
どこからどう見ても穏やかなティータイムなのに、葵はものすごく嫌そうな顔をしてしまった。
「ちょっとー、せっかく親友が24歳の誕生日を祝ってあげようと思ったのにさぁ。誕生日プレゼントなんだから、もっとこう、『きゃあ、嬉しい!』的な反応してよ」
そんな態度が不満だったのか、菜々子はぷんぷんと怒り出した。
が、葵にだって言い分はあるのだ。
「待って。今まで菜々子がくれたプレゼントがどんなものだったか思い出してみようか」
「やだっ、あれは若気の至りっていうか。大丈夫、大丈夫。今回は絶対に役に立つものだから!」
「信用できません」
「ひどっ!」
派手に悲しそうな顔をして、菜々子はブルーベリーソース入りのレアチーズケーキにフォークを入れる。
しかし、おいしー! と満面の笑みでほっぺたを押さえたあたり、全然堪えていないようだ。
結局押しの強い菜々子にプレゼントを無理やり押し付けられ、葵は引き攣った顔で受け取った。
パステルピンクのラッピング袋に赤いリボン。
袋はキュートなリーフ柄で、奇しくも目の前に置いているカプチーノのラテアートと同じ模様である。
「う……、今度こそ本当に変なものじゃないんでしょうね」
「大丈夫! 絶対喜ぶから!」
「その絶対が信用できないんだけど」
ここまで葵が渋るのには理由がある。
菜々子は昔から悪ふざけが大好きで、これまでもらったことのあるプレゼントは迷惑極まりないものばかり。
好意でもらった贈り物を否定するのもどうかと思うが、体長2mのクマのぬいぐるみや変なロゴの入ったTシャツ、大仏の被り物、南米旅行のお土産でもらった魔よけのお面に至っては捨てるに捨てられず、処遇に困るだけだった。
だから今度は一体何が出てくるのか、なかなかリボンをほどく勇気が出ない。
「ねぇ、中身は何なの?」
「それは開けてのお楽しみってことで」
うふふ、と不穏な笑みを浮かべる菜々子に嫌な予感しかしなかった。
魔よけどころか自分から呪ってきそうな存在感だった南米のお面のように、開けた瞬間悲鳴を上げるなんてことにならなければいいのだが。
カフェのテーブルに乗るサイズなので、2mのクマの時のように置き場所に困る心配がなさそうなのだけが救いだ。
アダルトグッズ

「ほら、早く!」
菜々子に急かされ、葵は恐る恐るリボンに手をかけた。
しゅるりと解いて、そーっと中を覗く。そしてプレゼントの内容を確認した瞬間、がばぁっ! と音がしそうな勢いで袋を閉じた。
「なっ、ななななんなのこれ!」
今自分が見たものが信じられずに口をパクパクさせて詰め寄れば、彼女はしれっと言い放つ。
「え、バイブとピンクローターだけど」
「……っ! そ、そういう意味じゃなくて! どうしてこれを選択したのかって聞いてるの!」
なんのためらいもなくアダルトグッズの名前を口にした菜々子の口をふさぎ、慌てて周囲を見回した。
しかし運よく葵たちはテラスの一番端に座っており、しかも隣のテーブルは空席。一席挟んだテーブルのカップルも2人でなごやかに会話をしていた。
これなら先ほどの会話が漏れている可能性はなさそうだと胸を撫で下ろしたのも束の間、なんと彼女は水色のバイブとピンクのローターをテーブルに並べ出したではないか。
「ちょっ、菜々子!?」
「ほらー、見て見て。どっちもパステルカラーだからいかにもなアダルトグッズって感じがしないでしょ?バイブはぷにぷにして柔らかいし、3カ所にモーターが入ってるんだって。あとピンクローターにはいろんな種類の振動があるらしいよ。葵、最近彼氏とマンネリ気味だって言ってたじゃん? これを使ったらいい感じの刺激になるかなって思って」
「ひゃあああっ! 早くしまって!」
確かにそういう相談をしたことがあるけども!
いくら可愛い色だとしても、休日の和やかなカフェテラスに男性器を模したグッズは似合わない。葵は光の勢いで回収し、急いでバッグに詰め込んだ。
これ以上菜々子の手の届くところに置いておくのは危険すぎる。アダルトグッズの入ったバッグを抱えてぎゅっとガードすれば、菜々子はにやっと口角を上げる。
「ふふ、気に入ってくれてよかった! ちゃんと持って帰ってね?」
「……あっ!」
は、はめられた!
今更いらないと言おうにも、突き返せばまたテーブルに広げて詳細な説明が始まりそうだ。
互いの性格を熟知している彼女の作戦により、葵はアダルトグッズを持ち帰る羽目になったのだった。
⇒【NEXT】アダルトグッズを持ち帰った葵は…?!(幼なじみの甘い脅迫 2話)
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あらすじ
幼馴染の菜々子は変わっている。
個性的といえば聞こえがいいかもしれないが、
彼女が誕生日に葵にプレゼントするものは処遇に困るものばかり。
そんな菜々子が葵の24歳の誕生日に用意したものは、
なんと、アダルトグッズだった…!!!