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官能小説 恋猫、飼い始めました。 3話


いつもと違う2人の空気

「あれー?なんかかわいくなった?」

剛は玄関に入ると、開口一番マリエの顔を見てそう言った。

「えっ、そう?」

意外な言葉にマリエは動揺したが、久しぶりの剛の誉め言葉に、思わず笑みがこぼれる。

「まさか、浮気とかしてないよね〜 ?」

剛は本気とも冗談ともつかないような思わせぶりな口調で、マリエの顔を両手ではさみ、じっと 覗き込んだ。

「も、もちろん!そんなことしてないよ」

「ほんとかな〜?」

言葉に反して表情はにこやかに、剛はマリエの頬から手を離し、靴を脱いだ。そしてさりげなくマリエの腰に手を回してリビングへと進んでいく。

(あれっ…?なんかちょっといつもより距離が近いような…?)

めずらしく密着してくる剛の行動に、マリエはドキッとし、少し新鮮な気持ちになった。懐かしいような、初めてのような。心の奥に不思議なムズムズを感じた。

「お、お腹すいたでしょ?お昼ご飯にパスタ作っておいたんだけど、食べる?」

「うん、食べる。マリエの手料理、久しぶりだな」

嬉しそうに笑う剛を見て、なんだかマリエも楽しくなってきた。今日はいつもと違う、そんな空気を感じていた。

初めてのような熱い口づけ

「ねえ、こんなのあったっけ?」

マリエがパスタのお皿を洗っていると、ソファーの方から剛の声がした。

「え?なにが?」

顔をあげると、ソファーの背からDOKIDOKI(ドキドキ)の頭だけがひょこっと出ていた。

「あっ!」

マリエは、思いがけず剛が早めに興味を示したことに驚いて思わず声をあげた。
とはいえ、密かに仕掛けていた罠に獲物がかかったような、いたずら心がふとマリエの中で芽生えた。マリエは洗い物をやめ、手をふいてソファーの方へと近づいた。

「これ、なに?」

剛がソファーに寝ころびながら、DOKIDOKI(ドキドキ)をしげしげと眺めている。

「さて、なんでしょう?」

含みを持たせながら、マリエはこっそり自身のスマホを手にした。

「えー?猫だっていうのはわかるけど…なんだろうな?充電してるし…」

男性がラブグッズのさくらの恋猫をもっている

剛はソファーから起き上がるとDOKIDOKI(ドキドキ)を逆さまにしたり、スリスリと手でボディをこすってみたりと、不思議そうにいじりだした。

(よし、いまだ!)

マリエがスマホで操作すると、剛の持っていたDOKIDOKI(ドキドキ)がブルブルと震えた。

「うわぁ!」

剛は驚いてDOKIDOKI(ドキドキ)を落としそうになった。が、マリエがクスクスと笑っているのを見て、キョトンとした。

「なに、これどうなってるの?」

「これで操作してるの。面白いでしょ?」

「え、スマホで!?」

マリエのスマホを覗き込み、指の動きに合わせてDOKIDOKI(ドキドキ)の振動が連動していることに気づくと、へぇ〜と感心した声をあげた。

「すごい!面白いね!」

剛はそう言ってひとしきり笑った。そして突然黙ったかと思ったらマリエの耳元に顔を寄せ、

「ねぇ、この猫ってエッチなヤツでしょ…?」

とささやいた。
ドキッとして、マリエが剛の顔をちらっと見ると、意地悪そうな笑みを浮かべている。

「正解…?」

もう一度剛が耳元でささやく。マリエは今までにないドキドキを感じていた。こんなに楽しそうな剛を見たことがない。

「うん…。剛と一緒に使ってみたいなって…」

マリエは恥ずかしくなり少し目線を落とすと、剛はふふっと笑ってマリエの頭をぽんぽんと撫でた。

「この猫が浮気相手の正体だったのかぁ。マリエはエッチだな。…かわいい」

“かわいい”という言葉が、どれだけ恋心を動かすのか、ということをマリエは身を持って体感した。今、全力で、この人に抱かれたい、と思った。
マリエはもう一度剛の顔を見ると、視線が絡み合った。どうやら剛も同じ気持ちだったらしい。2人は自然と唇を重ね合った。今まで何度もしてきた剛とのキスなのに、初めて交わしたときのような熱を感じる。

「はぁ…んっ」

気づけば夢中で唇をむさぼり合い、マリエはたまらず吐息を漏らした。

(キスでこんなに感じることがあるんだ…)

ぼうっとする頭の中で、かすかな理性がそんなことを思わせていた。

振動音を響かせながら…

「…で、どうやって使うの?」

剛はマリエが着ているニット の中に手を入れ、下着をはずしながら意地悪く耳元で聞いた。

「え…?」

唐突に聞かれたのでマリエは一瞬返答に困ったが、剛はそれを羞恥心と捉えたようだった。

「恥ずかしいんだ…?使い方、教えてくれないと一緒に使えないよ?」

「意地悪…」

優しい目をしながらからかう剛に、マリエは体がうずくのを感じた。キスでたっぷり潤った体は、もう収まりがきかないようだ。
スマホを手に取りアプリの画面を開くと、剛に見せた。

「ここを指でなぞってみて?」

DOKIDOKI(ドキドキ)を手にしながら、マリエが持つスマホの画面に剛は指を這わせた。すると、ブゥ…ンと細やかな振動と電子音が響きだす。

「おおっ!」

「すごいでしょ。こんなこともできるのよ」

マリエは慣れた手つきでスマホを操作した。それを見ていた剛は、にやりと笑うと

「ずいぶん詳しいじゃん。そんなに猫と遊んでたんだ?」

と言った。そして、マリエの背に入れていた手を前に這わせ、突起をキュッとつまんだ。

「あ…っ」

「俺を放っておきながら猫と遊んだ子はお仕置きだよ」

そう言うと、今度は転がすように胸をまさぐる。いつもと違う焦らすような愛撫に、マリエの体はカァッと熱くなった。

「あぁ意地悪…っ!ダメ…」

「こんなに感じてるのに、ダメじゃないでしょ。ほら、マリエが好きな振動をやって見せて?」

剛は、マリエの固くなっている突起をもてあそぶようにつまみながら、片方の手でDOKIDOKI(ドキドキ)を軽く振った。
恥ずかしさもありながらも、マリエは早くDOKIDOKI(ドキドキ)の振動が欲しくなっていた。剛に攻められたらどんなに気持ちいいのだろう…考えただけで、体が震えた。
剛の指示通り、登録しておいたお気に入りの振動を起動する。振動を始めたDOKIDOKI(ドキドキ)を、剛はずっと触っていたバストに当てた。

「あぁぁん…」

微動ながらもじんわり振動が伝わり、マリエは快感に身もだえた。

「このくらい弱いのが感じるんだ…すごいエッチだね…」

剛は感じているマリエの表情を嬉しそうに見ると、再び唇を押し当てた。そしてDOKIDOKI(ドキドキ)の振動音を響かせながら、剛はマリエをゆっくりラグの上へ押し倒した。
舌が絡み合う音が聞こえるほど激しいキスをしながら、剛はDOKIDOKI(ドキドキ)をだんだん下へと移動させる。マリエの全神経がそこへと集中していく。

(早く…早く欲しい…!)

マリエは、ぼんやりしていた意識がみるみるうちに研ぎ澄まされていくような、不思議な感覚を覚えていた。

さくらの恋猫をもっと知りたい方はこちら!

あらすじ

マリエの彼である剛が、マリエの家にやってきた。
さくらの恋猫で自分磨きをしたマリエの変化に剛は早速気がついて…?

凜音
凜音
女性の体コラムの連載や、情報サイトの専属ライターとして…
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