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官能小説 心も体も通わせて 4話
七海の理性
「ああもう、たまらないな」
あっという間に一糸まとわぬ姿になった康彦は、枕元に置いてあった箱から中身を取り出し、パッケージを破って手早く自身にゴムをつけた。力強くそそり立ったそこは、普段の爽やかな康彦からは想像できないほどにたくましい。
その姿に七海の理性がわずかに戻り、恥ずかしさに慌てて視線をそらしてしまう。しかし康彦はお構いなしに七海の両膝を抱え上げると、七海の秘所と、自身にもローションを足してなじませた。
「怖がらないで。もし痛かったり苦しかったりしたら、俺の背中に爪立ててもいいから」
「ん……っ」
猛々しい雄をくちくちと七海の肉芽に擦りつける姿とは裏腹に、康彦の声はひどく甘く優しい。七海はひくひくと体を震わせながらも頷き、促されるままにまた康彦の背中に腕を回した。
「息を吐いて、力を抜いて。……そう。いくよ」
「……っう、あ……!」
指とは比べものにならない質量を持った熱の塊が、ぐぐうっと七海の中に押し入ってきた。たっぷり塗られたローションと、体を慣らしてくれた康彦の巧みな愛撫のおかげで痛みはないが、それでもその圧倒的な異物感に息が詰まる。
「……っ、痛い、か……?」
「だい、じょうぶ……!」
余裕がないことがはっきり分かる表情を浮かべながらも、康彦はまだ七海の体を気遣ってくれる。七海の胸に康彦への愛しさがこみ上げ、彼を抱き締める腕に自然と力がこもった。
「ふあっ!」
ずんっ、と康彦の腰が強く打ち付けられ、膣の奥まで楔が埋め込まれたのが分かった。
「っふ、……動くよ」
「っあ、は、あんっ」
ふーっと深く息を吐いた康彦が、七海の足を抱え直し、ゆるゆると腰を動かし始めた。ぬるぬると動く肉棒の感触に最初は異物感ばかりだったが、徐々にそれ以外の感覚が重なってきた。
「うあ、っえ、あん、な、ひゃうっ」
七海が快感を拾い始めていることに気付いたのか、康彦の腰の動きが次第に大きくなっていく。七海は初めての経験に狼狽えながらも、康彦から与えられる感覚に素直に身を任せた。
「っひい!?」
突然、七海の体が大きく跳ねた。一瞬、とてつもない衝撃が七海の脳髄を突き抜けたのだ。
「っ! 見つけた、ここか……!」
七海の反応に気付いた康彦がはっと息をのみ、すぐに会心の笑みを浮かべてがっしりと七海の腰を掴んだ。
「え、きゃ、な、っはあああん!」
ぐり、と膣壁の中の一点を康彦のもので擦られた瞬間、また七海の体にびりびりと甘い痺れが走った。
「大丈夫だ。七海が、一番気持ちよくなれるところを見つけただけだから」
「なに、っん、ふああっ」
康彦は、それはもう満面の笑みで七海を見下ろしながら口を開いた。強烈な刺激で涙目になりかけていた七海はろくに返事もできず、息を荒くしながら康彦に縋り付くことしかできなかった。
「や、へんっ、あぅっ、ひぃんっ」
「っく、すごいな……! 締まる……っ!」
康彦の律動が一層激しくなり、部屋の中にはローションが泡立つ水音と二人の吐息、互いの体がぶつかり合う音が混ざって響いた。
「ぅあ、あ、やす、ひこさぁ……っ! こわいぃ……! きゃぁうっ」
「っうあ……! 七海、大丈夫だ。全部、受け止めろ……!」
康彦は獰猛な光を目に宿し、額に汗を浮かべながら腰を打ち付けてくる。同時に、このまま七海を食らいつくそうかという勢いの口付けを与えられた。
「んあ、だめ、なにか……っ、う、んくっ、ぅあ、あ、ああああーっ!」
ごりっとひときわ強く深く楔を穿たれた直後、七海の腰の奥に溜まっていた快感が一気に駆け上がって爆発した。
「う……!」
絶頂と同時に収縮した七海の膣壁に絞られた康彦も低い呻き声をあげ、びくびくと腰を痙攣させて膜越しに精を放った。ぐったりと脱力して覆いかぶさってくる康彦の体を受け止め、七海はうっとりと微笑んだ。
「私も、幸せ」
お互いの息が整ったところで、部屋に備え付けのユニットバスで軽く体を流した。汗やローションやそれ以外のもので、二人ともどろどろになってしまっていたせいだ。
ユニットバスは大人二人が同時に使うには狭すぎたが、七海が足に力が入らずうまく立てなかったため、康彦に抱き上げられて運ばれた結果、一緒に入ることになったのである。
体をさっぱりさせて浴衣を着直すと、二人は先ほど使わなかった方の布団に並んで寝転がった。シングルサイズの布団は、体を寄り添わせないと体がはみ出てしまう大きさだが、今はその狭さも嬉しい。
ちなみにもう片方がどんな惨状になっているのかは、精神衛生上考えない方が賢明というものだ。
康彦はローションのボトルを眺め、まいったとばかりに苦笑した。
「本当に、佐伯さんには感謝しないとな。正直、あんなにうまくいくとは思わなかった」
「うん、私も。最初はすごく不安だったんだけど、本当に全然痛くなかったし」
七海達の不安を解消してくれた佐伯には、どれだけ感謝してもし足りない。どう報いればいいか分からないほどだが、とりあえず、彼女へのお土産はしっかり吟味しなくては。
「このローション、通販専用のネットショップで買えるんだって。ホームページも教えてもらったから、今度追加で買っておくね」
「……つまり、また俺としたいって、思ってくれたってことでいいんだな?」
「……いじわる」
ニヤリと嬉しそうに笑った康彦から目をそらし、熱くなった頬を見られないように背を向ける。すぐに「ごめんごめん」と笑いながら謝ってきた康彦が、後ろからぎゅっと抱き締めてきた。
「イく時の七海、めちゃくちゃ可愛かった。俺、今、最高に幸せだよ」
ちゅ、とうなじに口付けられ、七海は自分の頬がさらに赤くなるのが分かった。
「七海は?」
「……分かってるくせに」
「それでも、ちゃんと七海の口から聞きたいんだよ」
答えが分かっていて聞いてくるなんて、やっぱりいじわるだと思う。けれど、きっとそんなところも含めて好きなのだ。
「私も、幸せ」

ぼそりと答えると、抱き締めてくる腕の力が強くなった。
「あーやばい、またしたくなってきた」
「……!」
「そんな体硬くするなよ。無理はさせないって約束だったから、今日はもうしないって。だからさ、そろそろこっち向いてほしいんだけど」
ぎくりと体を強張らせた七海に、柔らかな声がかけられる。おずおずと体の向きを変えた七海を、甘い笑みを浮かべた康彦が抱き締め直した。
たくましい腕と心地よい体温に七海の緊張が解けていき、だんだん瞼が重くなってくる。七海の様子に気付いた康彦が、立ち上がって部屋の電気を暗くした。
再び横になった康彦は改めて七海を抱き締め、そっと頭を撫でてきた。
「疲れたよな。おやすみ」
「ん、おやすみ、なさい……」
優しい感触にすうっと目を閉じ、七海は心地よい眠りの中に落ちていった。
隣でその姿を眺める康彦が、格好つけたことを若干後悔しながら一人悶々としてしまい、しばらく眠る余裕などなかったことは、七海には関係のない話である。