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官能小説 LOVERS〜恋が揺らぐ〜
同僚とマンネリセックス
「藍、ここ好きだよね」
誠二は私の耳に舌を這わせる。私は甘い吐息をつきながら、身じろいだ。
耳が性感帯だから、私はピアスを開けない。誠二はそれを知っているから、執拗に私の耳を攻め続けた。
誠二の部屋は落ち着く。
ここに来るようになって、もう何年が過ぎるだろう。見慣れた天井を見上げて、私はもう一度、甘ったるい声をあげた。
その後はなんだか義務のように、いつもの順番通り、胸を愛撫し、秘部に触れ、指を差し入れ、濡れていることを確認してから、甘い言葉もなしに私の中に誠二はペニスを挿入した。
「あんっ…」
私の声に「痛い?」とだけ、誠二は聞く。
いい加減、痛いときと気持ちいいとき、身体が反応して声が出るだけのときの違いに気が付いてほしい、と思う。
最初は“優しいんだな”と思っていたけれど、次第に“もっとちゃんと私を見てわかってほしい”と思うようになっていた。
でも、誠二にはきっと無理。だって、私たちはこんなにもマンネリしたセックスしかできないでいるんだもの。
セックスをしながらも、私の思考は止まらない。
私も32歳。そろそろ、結婚だってしたい。少しは私との結婚を誠二は考えてくれているんだろうか?
誠二は同じ会社の同じ部署で違うチームの課長をしている。
会社で付き合っていることを公表しづらいのはわかるけど、公表してほしいという気持ちはずっと心の中にあった。
もしかして、私と付き合っていることを公表しないのは、最初から私と結婚する気がないからなの…?
私が考えごとをしているのに気が付いたのか、気持ちを自分の方に向けようとするように誠二は次第にピストンを速めた。
「やっ、あっ、んんっ…」
私が喘ぐ度、誠二は鋭く私を貫いていく。
何度目かの快感が私の奥をえぐるように刺激した後、誠二は果てた。荒い息をしている肩が視界の端に映る。
いつになったら、昔のように愛に溢れたセックスができるようになるんだろう?
それとも、私たちにはもう無理なのかな…。
私たちはセックスを終えると、少し離れて目を閉じた。
昔は腕枕してくれたのにな…。
同期と恋愛
「ちょっと、起きてよ」
私は誠二の身体を揺する。
けれど、誠二は一向に起きようとはしない。
「…仕事で疲れてるんだよ」
吐き捨てるように言う誠二に私は溜め息をついた。
今日は誠二とデートをする約束だった。
久しぶりに買い物に行こうって言ってたのに…。
「もう知らない!」
私はいつまでも布団にくるまっている誠二にそれだけ言うと、部屋を出て行った。
会社に来ても、私の誠二に対するトゲトゲした気持ちは消えることはなかった。
誠二は何も気にしていないらしく、涼しい顔をして、仕事をしている。
思わず、大きな溜め息が漏れた。
「何かあったの?」
同期で同じ部署の海野琴音が私の席に来て、耳打ちする。
私と琴音、それから誠二は順調に出世して、琴音も同じ部署で別チームの課長をしていた。
「何でもないよ。私、コーヒー淹れてくる」
そう言うと、私はコーヒーを淹れるために給湯室へと向かった。
粉コーヒーを淹れて、お湯を注ぐ。スプーンで混ぜながら、もう一度溜め息をついた。
誠二とももうダメなのかな…。
私がそんなことを思った、そのときだった。
給湯室のカーテンが突然開いた。
振り向くとそこにいたのは誠二だった。
「まだ怒ってる?」
「…」
誠二の言葉に私は返事をしなかった。
「ごめん。デート、楽しみにしてたんだよな」
誠二はそう言って、私を背後から抱きしめる。
後ろからぎゅっとされるのには弱い。相手が誠二なら尚更だ。
誠二の体温が背中からじわじわと伝わってくる。
鼓動が少しずつ早まっていた。
こんなふうにしてくれることが嬉しいのに、どこか他人事な誠二の言い回しが、少しだけ心に引っかかっていた。
「誰か来たら…」
誠二の手をどけようとする私に「もう少しだけ」と誠二は耳元で囁く。
誠二の言葉に私は何も言わずに頷いた。私だって、もっとこうしていたい。
「今週末、デートしよう?」
もう一度、誠二は囁いた。耳には甘いキス。
それだけで、昨日のことが許せてしまう自分に呆れてしまう。私はよっぽど誠二のことが好きらしい…。
課長の恋
「どういうこと?」
私は携帯電話を握りしめて、眉間に皺を寄せた。
「ごめん。デートの日、先輩と約束してたの忘れてたんだ」
誠二はそうは言ったけれど、先輩との約束は私をデートに誘ってからしたものだろう。
きっと誠二のことだ。誘いを上手く断りきれなかったに違いない。
「信じられない。最低」
私はそれだけを言い放ち、電話を切った。
やっぱり、誠二は私のことなんて、適当にあしらっておけばいいと思っているんだろう。
じゃなきゃ、簡単に約束を破ったりなんてしないはずだ。
きっと、誠二は私のことを心が許せて、いつでもエッチができる女程度にしか思っていないのだろう。
恋人だって思っていたら、大切にしてくれるはずだもの――。
「ちょっと、最近の藍、変だよ?」
翌日の仕事帰り、会社から少し離れた行きつけの居酒屋で、私と琴音は今日何杯目かのビールを飲んでいた。
「そうかな…」
「そうだよ。桐谷君と何かあったの?」
「…ケンカした」
私の言葉に琴音は溜め息をついた。
「あのねぇ、ケンカして、それを仕事に持ち込むのやめなさいよね」
「だって…」
「だってって、あんたねぇ。第2チームの課長の藍と第3チームの課長の桐谷君がピリピリしてたら、第1チームの私んところがすっごく気を遣うことになるわけ。わかる?」
「わかってるわよ。部下にも悪いなって思ってる」
「だったら、もう少し、大人な対応しなさいよ」
「…誠二ってさ、私のこと飽きちゃったのかな…」
「えっ何?そんなに深刻なの?」
「うーん…。深刻なのかなぁ」
私は空っぽになったジョッキをぼーっと見つめた。
昨日は飲み過ぎたらしく、少し頭がガンガンする。
「七瀬さん、このデータって、最新のものになってないと思うのですが…」
最近、転職して来た部下の水川さんは、遠慮がちに私のところに企画書を持って来た。
「ありがとう。至急、確認するわ」
私は企画書を受け取って、青ざめた。会議まではあと20分しかない。
最新のデータをまとめるには、明らかに時間が足りなかった。
「これだろ?」
突然、飛んで来た社内メールに私はハッとした。
仲直りのセックス
社内メールを飛ばして来たのは、他でもない誠二だった。
誠二がメールに添付していたデータは、本来、私がまとめなければならないものだった。
ちらりと誠二を見ると、にこっと微笑んで見せる。
「…」
“ありがとう”と一言だけメールを飛ばすと、私は企画書のデータを差し替える。
私はホッと胸を撫で下ろした。大切なプレゼンだ。
もし、会議までに間に合わなかったら…と思うとぞっとする。
私はもう一度、誠二を見た。誠二はパソコンの画面を真剣な眼差しで見ていた。
いつも仕事に一生懸命で、ちょっとお人よしで。そんなところを好きになったんだっけ…。
「ねぇ、仲直りしたら?」
いつもの居酒屋で今日の出来事を話した私に琴音は言う。
「でも…」
「今日、仕事でフォローしてくれたんでしょ?」
「うん」
「ケンカしてても、フォローしてくれるって、藍のこと、大切に思ってるからだと思うよ。ちゃんと桐谷君に自分の気持ちぶつけた方がいいと思うな」
「わかった」
「じゃあ、今から、藍のしなきゃいけないことは?」
「今から、誠二の部屋に行く」
「正解!お会計しておくから、行ってきな」
「でも…」
「いいよ。今日はおごってあげる。その代わり、次回よろしくね」
琴音はそう言って、無邪気に笑った。
私は琴音と別れ、誠二の部屋にやって来ていた。
誠二の部屋に来てから、もう30分が経とうとしている。けれど、私たちはほとんど、何も話していなかった。
「あのさ、今日はありがとう」
やっと出てきた言葉はそれだけだった。
「あれくらい、大したことないよ。それより、ごめん。最近、俺、藍にひどいことしてばっかだよな」
「…」
「俺さ、これからはちゃんとするからその…。嫌いにならないでいてくれる?」
「…」
「藍…?」
黙っている私を誠二は不安そうに見る。
「バカね。嫌いになんてなるわけないじゃない」
私の言葉に誠二は安心したように微笑むと、私をぎゅっと抱きしめた。
そして、どちらからともなく、私たちはお互いを求め始めた。
食べられるローションを…
ひとしきり、お互いの身体に触れあった後、誠二がベッドの横に置いてある袋から、何かを取り出した。
「これ、なーんだ?」
誠二が私の前に踊らせたのは、可愛いボトルだった。
「何? これ」
「ラブシロップ。食べても大丈夫なラブローション」
「ローション!?」
私は思わず、大きな声を出していた。
「最近、ケンカ多かったじゃん?大抵、俺が悪いんだけどさ。なんか、こう濃密な夜を重ねれば、俺たちの仲も深まるんじゃないかなーって思って」
「…」
そんなこと、考えてくれてたんだ…。
「だから、使ってみない?」
誠二はそう言って、私の耳に唇をあて、甘く囁いた。
誠二はラブシロップを指に取り、私の胸の尖端に優しくなじませていく。
それだけでもたまらなく気持ちいいのに、誠二は少し乱暴に、尖端を口に含んだ。
「あ、やぁ…」
私の反応に誠二は満足げな表情を浮かべる。
誠二はしばらく胸を愛撫した後、今度はラブシロップを秘部へと塗り伸ばしていく。
ひんやりとした感触が火照った内部を刺激した。
そして、誠二は一気にラブシロップの塗られた秘部を舐め上げた。
「今日は藍のこと、もっと気持ちよくしたい」
「ダメ…これ以上は…」
「どうして?」
「おかしくなっちゃいそうだから」
私の言葉に誠二はくすっと笑った。
「気持ちよすぎてでしょう?」
「…」
「図星だね」
誠二は頬を赤く染めて視線をそらす私を気にすることなく、私の脚のあいだに顔を埋めた。
「やっ、ああんっ…!」
彼の舌が私の敏感な部分を執拗に攻め立てる。
いやらしい音を立て、吸い上げられた瞬間、言い表せられない程の快感が一気に押し寄せてきた。
「ダメ…イッちゃう…!」
誠二は“いいよ”という代わりに舌を更に艶めかしく動かした。
この日の私たちは、今までの私たちとは明らかに違った。
最近の義務のような愛撫でもなく、寒々しい関係でもなく、そこには確かに愛があるのがよくわかった。
誠二に腕枕をされながら、私は彼にぴたりとくっついた。
誠二の体温が心地いい。
「明日のデート、ホントにごめん」
「うん。いいよ。今回は許してあげる」
私は申し訳なさそうに言う誠二の頭を撫でた。
社内恋愛から結婚へ…
インターホンが鳴った。
目覚まし時計に目を遣ると、まだ午前6時過ぎだった。
「誰よ、こんな朝早くに…」
私は眠い目をこすりながら、ベッドから抜け出す。
ぼーっとした頭のまま、インターホンのモニターの前に行って、驚いた。
「誠二…!?」
私は慌てて、インターホンの通話ボタンを押した。
「はい」
「朝早くから、ごめん。来ちゃった」
少し照れたように誠二が言った。
「今、開けるね」
私は驚きのあまり、ドキドキしたまま言うと、開錠ボタンを押した。
簡単に髪を整えて、玄関に向かう。
私が玄関のドアを開けるのと、誠二が部屋の前までやって来るのはほぼ同時だった。
「おはよう」
「おはよう」
「やっぱり、まだ寝てた?」
「うん…。ごめん。だから、まだパジャマなの」
「いいよ。見慣れてる。中、入ってもいい?」
私は頷くと、誠二を部屋の中に招き入れた。
「今から、デートしよ」
「えっ?」
「今日、予定が入ってたんじゃ…」
「キャンセルしたよ。お前の方が大事だもん。連れて行きたい場所があるんだ」
「でも…」
「俺さ、反省したんだ。最近、藍のこと大切にしてなかったなって」
そう言って、誠二は私のことを抱き寄せた。誠二の腕の中は安心する。
私はそっと目を閉じた。このまま、この腕の中で、眠ってしまいそう。
いつまでも、この腕の中に私はいられるのかな――?
「懐かしいー!この海、よく来たよね」
誠二が私を連れて来てくれたのは、付き合い始めた頃によく来ていた海だった。
「久々にここに来たいなって思って、大事な話があるんだ」
そう言って、誠二は突然黙った。
私は誠二を振り返る。
「藍、結婚しよう」
えっ、今なんて――。
「藍と結婚したいんだ」
誠二の言葉に返事よりも先に涙が零れた。
「うん…!」
私の答えを聞いて、誠二は私を優しく抱き寄せる。
「ずっとそばにいるから」
誠二の言葉に私は彼の腕の中で静かに頷いた。
揺らいでいた恋も今ようやく、落ち着ける場所を見つけられたみたい――。
END
あらすじ
愛は同じ部署で違うチームの課長をしている、同僚の誠司と社内恋愛をしている。
長く付き合っているのに、プロポーズをされず、SEXもマンネリ。
不安なことも言いだせず…