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官能小説 私のことが好きすぎるワンコな彼氏の甘い逆襲 1話
私のことが好きすぎるワンコな彼氏の甘い逆襲 1話
「木崎せんぱーい、お疲れ様です!」
爽やかなテノールと一緒に、とん、とデスクの上に手が置かれた。その拍子に、目の前の仕事へと没頭していた意識が引き戻されて、手元に『彼』が生み出した影がかかっていたことに気付く。ぱっと顔を上げれば、そこには声で予想していた通りの、人懐っこい笑顔があって。
「……本郷君。どうかしたの?」
本郷君、――――本郷直央。私の二つ下で、同じ企画部の後輩だ。甘めの顔立ちと人当たりの良い性格、加えて仕事も完璧と三拍子揃った、企画部の若きホープである。
名前を呼べば、ライトの逆光の中でそのかんばせが微かに甘く蕩ける。でもそれは一瞬のことで、彼はすぐに先ほどまでの爽やかな笑みを取り戻すと、人に警戒心を抱かせない絶妙な仕草で首を傾げてみせた。

「お忙しいところにすみません。今ちょっと大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。そっちのチームで何かあった?」
「うっ、そうなんですよ……!先週退職した佐藤さんの案件、前に担当してたのって木崎先輩ですよね。あれ巡り巡って俺のとこに来たんですけど、引き継ぎがゼロベースで」
本郷君は背が高く、身体も鍛えているのか全体的に大きく見える。そんな彼がしょんぼりと肩を下げる姿は、とてつもなく年下らしくて可愛らしくて、――――私の中の『欲』をちくちく、じくじくと刺激して止まなかった。
……いやいや、駄目でしょ。会社にいる間は『そういう仲』だってこと匂わせないようにしよう、って言ったの私だし。
浮かび上がりかけていた欲望をお腹の底へ沈め直す。私は『いい先輩』の顔を作ると、にっこり微笑んでみせた。
「私で良ければ手伝うよ」
「えっ、ほんとですか!木崎先輩と一緒にできるの、めちゃくちゃ嬉しいです」
何のてらいもない、真っ直ぐな言葉と眩しい笑顔が私へと向けられる。どことなく気だるい空気が漂っていたデスク周りが、ぱっと明るくなったような気がして、思わず目を細めてしまって。
「手伝いしかできないけどね。じゃあ、後で少し話そうか」
「はい。代わりに俺に投げられそうな仕事があったら投げてもらっていいんで!よろしくお願いしますね」
頷きながらひらりと手を振れば、本郷君が嬉しそうに目元を緩め、反対の手にそっと触れてくる。触れた場所からじんわりと彼の体温が伝わってきて、胸の奥が甘く疼くけれど、――――ずっとこうしているわけにもいかない。
「……こら、直央。手」
「あは、すいません」
ぺち、と優しく手の甲を叩くと、本郷君が悪戯っぽく微笑んだ。彼はそのまますっと手を引くと、「また後で」と甘い声音で囁いてから去っていく。
その背中を見送る私に、隣のデスクの友人が椅子のキャスターを滑らせて近寄ってきた。
「相変わらず懐いてるわね。あんたの爽やかワンちゃん」
「ワンちゃん……」
「大型犬みたいなもんでしょ、アレは」
「いやワンちゃんじゃなくて彼氏だからね?」
そう、本郷君、――――直央は私の後輩であると同時に、恋人なのだ。
後輩として面倒を見ている間に懐かれて、ぐいぐい押されて、その人柄と一途さにころっと心ごと転がってしまって。気付けばもう二年ほどお付き合いを続けて、同棲までしている。会社ではあくまで同僚として接すると決めているから、この文乃という友人以外は私たちの交際についても知らないはずだ。
「私、前から文乃にはもっとぐいぐい引っ張ってくれるようなタイプが合うと思ってたんだけど、本郷君ってそれこそ犬系じゃない。歳の割に包容力とかはありそうだけど」 「う、うーん……」
流石は企画部イチの恋愛強者。考察が結構鋭い。
私が感心している間にも、文乃は自分の艶やかな爪を弄りながら直央の背中に視線を遣った。
「いい子なのは確かだし、人気もあるのは分かるけど……何というか、毒気がなさすぎるのよね。爽やかで人間が出来すぎてて、欲とかなさそうな感じ。実際どうなの?」
「……ノーコメントで」
「ちゃんとシてるのよね?夜とか」
「文乃、あのねえ」
明け透けな物言いに、思わず呆れの溜息が零れる。二人きりの飲み会ならいざ知らず、社内の、しかも業務中にそんな話題に乗れるわけがない。ついでに私には、直央との恋人生活の中身を秘密にしておきたい理由もあって、――――
「心配しなくても『大丈夫』だから」
ツッコまれないのをこれ幸いと、今日もその『秘密』を口に出すことなく、友人の追及をかわしたのだった。
***
人懐っこくて、人間ができていて、爽やかで、欲とかなさそうな感じ。
明かりを絞ったベッドの上で、昼間に文乃が述べていた直央の印象がふと脳裏を過った。きっと彼女は、今の彼の姿を見たらさぞ驚くことだろう。
「直央、ちゃんとこっち見て。いい子の直央は見れるよね?」
「はっ、ぅ……うん、澄香さん……」
どろりと蕩けた瞳が、ぼんやりと私を捉えた。形が良くて分厚い、男らしい唇から微かに涎が滴るのが見えて、つい愉悦で表情が厭らしく歪んでしまう。高揚感がお腹の底から湧き上がってきて、私は先ほどまで直央に施していた『愛撫』を再開させた。
「ッ、……!」
「あは、……熱いね。火傷しちゃいそう」
今にもはちきれそうな昂ぶりを、猫の顎をくすぐるように撫でてあげる。そのまま根本を指で締め、裏筋をゆっくりと舐め上げれば、私の言いつけ通りにこちらを見つめていた直央が、劣情の滲んだ吐息と唸り声を漏らした。
「ふー……ッ、グ、ッく、う……」
「ふふ、唸るのかわいいね。ほんとにワンちゃんみたい」
「は、ァ……っん、ぐ、」
「気持ちいいのに、上手に我慢できて偉いよ」
「澄香さん……っ」
――――ああ、かわいい。
ちゅ、と先端にキスを落として、溢れた雫を丁寧に舐めとる。それだけの刺激すらも辛いのか直央の呼吸は一層荒くなって、きゅう、と瞳孔も収縮したのが分かった。きっと今すぐにでも私を押し倒して、彼を苛めているだけで準備が整ってしまった柔い隘路を貫きたいに違いない。それでも直央は、私の言いつけを律儀に守って目すら逸らさないでいるのだ。
これが、文乃にも、他の誰にも教えていない私たちの『秘密』だった。
「まだ我慢できるよね?一緒に色んなところ噛んであげる……」
「ッ、ぁ、待って澄香さん、っそこ……、ッあ」
根本を戒める指はそのままに、すぐ横にある硬い太腿の内側に歯を突き立てる。甘やかすような舌戯に慣らされていた直央の身体が、鋭い刺激にびくりと跳ね上がった。
「ぅ、っく……」
「痛かった?」
「ううん……、っきもちいい、ですよ。貴方に与えられる感覚なら、ぜんぶ」
「っ直央は、本当に……健気でかわいいね」
そんなこと言われると、もっと苛めたくなってしまう。
私はそのまま身体を徐々に上へとずらしていく。くっきりと割れた腹筋を甘噛みして、脇腹をきつく噛み、そのまま色付いた小さな突起を口に含んだ。
「ン、っ……!」
甘いのに男前さの残る端正な顔が、じわりと赤く染まる。捉えやすいように何度か吸ってあげれば、熱い吐息と共に微かな喘ぎ声が頭上から振ってきて。
「ふ、……ちゅ、ん、……直央、これ好きだね。女の子みたいでかわいいよ」
「澄香さんがいつも触ってくるから、ですよ……っ、ふ」
「こら、口ごたえしないの」
「ぁ……ッ!!」
舐めしゃぶるような愛撫でぷっくりと主張し始めていたそれを、お仕置きとばかりに噛んで、引っ張ってやる。掠れた声音が空気を裂いて、握ったままの昂ぶりが大きく脈動するのが手のひらに伝わってきた。
「ッう……ぁ、」
「噛む瞬間に力緩めたのに、自分でちゃんと我慢できたんだ。いい子」
「ん、……ぁ、ン、ありがと、澄香さん……」
ちゅ、ちゅう、と褒めるように、慰めるように口付けて、彼の唇にもキスを贈る。直央はそれだけで嬉しそうに表情を緩めて、わざと動かないでいる私の舌に、一生懸命奉仕をしてくれた。その間ゆるやかに屹立を扱いてあげると、分厚い腰が小さく揺れていて、――――本当に健気でかわいいなあって、いっそ感心してしまう。
自分より余程体格が良くて、思い切り圧し掛かったって何の重しにもならない力を持つ身体が、言いなりになっているという全能感。今風のかっこいい年下の男の子が、情けなく吐精を強請ってくる倒錯感。彼が会社では爽やかで、欲なんてなさそうで、女の子に人気だという事実がギャップとなって、私の脳味噌をぐらぐらと煮立たせる。
辛そうで、気持ちよさそうで、飢え切った顔の直央。見ているだけで、ぞくぞくと興奮が全身を駆け巡っていく。
今すぐ彼を、めちゃくちゃにしてあげたい。
「っね、直央……イきたい?」
「っ、き、たい」
「ん?なあに、聞こえない。もっと大きな声でおねだりしてみて。ほら……」
「はァ、っくそ……イきたい、イかせて澄香さん……ッ」
「ん、……いいよ」
キスをほどきながら囁いた台詞は、語尾にハートマークが付いているかのように甘ったるく響いた。それだけ興奮と期待を溜め込んでいるのだと自覚してしまって、一度遠ざかっていた疼きが舞い戻ってくる感覚。
でも、ここですぐに挿れさせてしまうのも面白くない。もっと直央も私も、愉しまないと。
溢れた唾を飲み込んで、擦り合わせていた太腿をゆっくりと開く。直央の視線がそちらへと流れていって、一ヶ所でぴたりと止まった。きっと彼の目には、既に潤み切った秘所が露わになっていることだろう。
「でも、どうせなら……ここでイきたいでしょう?」
「っ、うん……」
「今まで散々我慢した分、なんにも考えないで……とろとろで熱いところに溶けだしちゃうぐらい、気持ちよくなりたいよね……?」
「ふ、ー……っ」
私が煽るたびに、直央の瞳がぎらぎらと劣情を帯びていく。男らしい喉仏が厭らしく上下する。爽やかで快活で、仕事の出来る好青年。皆がそう思っている直央の、こんな表情を知っているのは世界中で私だけ、――――それがどうしようもなく堪らなくて。
「っ挿れたい、……澄香さん、の、ここ……」
「……じゃあ、直央に準備を任せてもいい?」
だから私はつい、彼に『いじわる』をしてしまうのだ。
あらすじ
澄香は2つ年下の同じ部署の後輩、直央と恋人同士。
彼はその長身とガタイの良さと裏腹に母性本能を刺激する可愛い彼氏で…。