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官能小説 本当の幸せ〜私の誤算〜 1話(出世のための結婚!?)
出世のための結婚!?【第1話】「本当の幸せ ―私の誤算―」
披露宴の客席で新郎新婦に向かって千明は力無く拍手をした。
出世のための結婚なんて、古いメロドラマみたい……
などと心の中で悪態つきながら、
新郎の哲也を見る。
回想
千明が哲也に別れを告げられたのは、三か月前。
職場のチーフだった哲也とは、2年間交際した。
哲也は、仕事も優秀で容姿端麗。パートナーとして不足はなかった。
「勝ち組」なんて言葉は好きではなかったけれど、彼と結婚すれば自分もそれになれるという期待はあった。
しかし、事態はあっさり覆る。
千明が29歳になってすぐ、哲也は部長に紹介されたグループ会社の社長令嬢と婚約した。
別れの時、「お前が物分かりのいい女でよかった。俺は見る目があるな」
と、哲也は最後に言った。
何も言い返せなかった。
結局、無意味なプライドのために「物分かりのいい女」を演じたのだ。
泣きすがっていたなら私が花嫁に……と何度も考えたが、
彼の最後の言葉を思い出したらその思いも消えた。
時折、哲也が花嫁に笑いながら耳打ちをする。くすぐったそうに顔を赤らめる花嫁。
哲也の指を見る。長くてしなやかな指。千明はかつて、何度もあの指を口に含んだ。
そうすると、哲也が感じてくれたから。
千明は舌を湿らせ、指に唾液が滴るまで舐めた。
その間、哲也は片方の手を千明の肌に丁寧に這わせては、ゆっくり感度をあげてくれた。
散々撫でられ敏感になった肌は、徐々に湿り気を帯びる。
すると哲也は千明の口から指を抜き、唾液まみれの指で胸を揉む。
2人は激しく唇と舌を絡ませ、お互いの吐息と肌の感触を味わう。
最後には、これ以上無理だと思うくらいきつく密着して一つになった。
哲也は奥まで分け入り、千明の芯まで容赦なく刺激し続けた。
哲也が果てる頃、千明はすでに何度目かの昇天を終え頭が朦朧としていた。
哲也は、あの情熱的で溶けるような時間を新妻とも過ごすのだろうか。
ふと涙が出そうになる。
再会
「福原?」
背後から自分の名を呼ぶ男の声がする。
滲む涙を素早くぬぐい、千明は慌てて振り向いた。
「あっ、祐樹!」
祐樹は中学時代のクラスメイトだ。どうやら、新婦の大学時代の友人として披露宴に来ていたらしい。
中学校卒業以来だったが、無邪気な少年の面影はそのままだ。
披露宴終了後、祐樹と連絡先を交換した。
祐樹との再会のおかげで悲痛な気分から逃れ、なんとかその場をやり過ごすことが出来た気がする。
千明はその日ベッドに入りながら、中学の頃を思い出した。
泣かずに眠れたのは、祐樹のおかげだった。