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官能小説 マンネリ打破!恋愛スイッチ 2話


香水をつけると…

あれから、慧が作ってくれた料理を二人で食べて、順番にシャワーを浴びる。そして......。

ねぇ、まだ間に合うかな?

シャワーを浴びたあと、何もつけない状態の自分を鏡にうつしながら自問自答する。二年目の記念日を覚えてくれていたということは、私に全く関心がなくなったわけじゃないよね?そうだといいな......。

 

下着だけつけてから、鏡の前に置いてあった香水を手に取る。通販で買った、ベッドタイムが盛り上がるというベッド専用香水。友達に効果あったと聞いて、普段あまり香水はつけない私もすがるような気持ちで買ってみた。

香水自体めったにつけないし、お風呂に入った後にまた香水つけるなんてしたことないけど......。せっかく買ったんだし、お守りだと思って使ってみよう。

大丈夫、少しは変わったはず。

たった一ヶ月だから、そこまで劇的にキレイになったわけじゃないけど、お腹の回りの贅肉はちょっと減っ<た。運動し始めたからか、肌つやも少し良くなったような気がするし、それに、下着だって上下バラバラじゃない、ちゃんと揃ったやつだ。

どうかこの香水が、私に最後の一押しをしてくれますように。 慧の性欲スイッチを押してくれますように。

鏡の中の自分を見つめてから、シュッシュッと体に香水をふりかける。首の後ろと、それから太ももの付け根にひとふき。

 

あ......、すごく、やさしい匂い......。

付け方が悪いのか、香水をつけるといつも匂いが強くなりすぎて苦手だったんだけど、きつすぎない匂いにホッとした。 主張しすぎないのに、ずっと匂いをかいでいたくなるような、優しい匂い。

その香りが不安を和らげて、自然と勇気づけてくれる。

服を着てから、ベッドに座りパソコンを開いていた慧の隣に座ると、しばらくしてから慧は私の方を向いた。

「いつものシャンプー使った?」
「?うん、いつものシャンプーだよ」
「本当?なんでだろう......。なんか今日の晴美すごくいい匂いする」

不思議そうな顔をしながらも、慧は匂いを嗅ぐように私の首筋に顔を埋める。少しの間そうしていたけれど、いきなりペロっと首筋をなめられて、思わず体がビクリとしてしまった。

「んっ......、けい、っ......」

そのまま首筋や耳を何度も甘噛みされ、硬くなってきた胸の先端を服の上からきゅっとつままれ、コリコリされる。

このまま、するのかな......。

はじめはそんなことをぼんやりと考えていたけど、しだいに愛撫されているところだけに意識が集中して、何も考えられなくなる。

力が、抜ける。もうだめ、むり。

全身の力が抜けて慧に体を預けると、そのままベッドに押し倒された。

求めあう2人

すぐに上から覆い被さってきた慧と目が合うと、その目にははっきりと欲情の色が宿っていて、どうしようもなく嬉しくなった。泣きたくなるくらいに嬉しかった。変わろうとがんばってはみたけど、どこかでもう私のことを女として見てくれないかもしれないという不安もあったから。

間に合ったんだ。間に合ったんだよね? 間に合って本当に良かった。

熱くなっている私の体と同じように、慧の中心もしっかりと硬くなっていることに気づくと、さらに嬉しくなった。ちゃんと私で反応してくれてる......嬉しい......。

お互いの服を脱がしあい、一糸まとわぬ状態になると、どちらともなくキスをする。唇がゆっくりと離れていくと、熱のこもった目をしている慧と目があってどきっとした。

マンネリ気味だったとはいえ、慧とはもう何度もセックスしたし、毎日顔を合わせている。それなのに、なぜか今日は改めて慧が男の人なんだと意識してしまってドキドキする。初めてでもないのに、すごく緊張する。でも、すごく幸せで、泣きたくなるくらいに幸せだ。

慧の熱に体も心も拓かれていくと、片足を持ち上げられ、下半身に顔を近づけられた。

ベッド専用香水をつけ抱き合う男女

「ここも、いい匂いする」
「あっ、けい、そこは......っあ、ん」

 

香水をかけた太ももの付け根に軽く舌を這わせてから、慧は股の間に顔を埋め、膣の周りをなめ始める。そんなになめられたら匂いもなくなっちゃうんじゃないかというくらいになめられて、でも肝心なところには触れてくれなくて、じれたくってもどかしかった。だけどその分散々焦らされたソコは高まっていて、クリトリスを舌先でつつかれただけで、急速に絶頂へと向かっていく。

潤った膣の中の蜜を吸いとるようになめられ、硬く立ち上がったクリトリスを優しく舌で転がされて。なめやすいように両足を大きく開かされて、相当恥ずかしい格好を見せていたと思うけど、そんなことどうでも良くなるくらいに気持ちいい。

「あ、ああー......、んーっ......」

あっさりとイッてしまうと、すぐに、もういれていいよね?って切羽詰まったように聞かれて、コクコクと頷く。全身が甘く痺れて体に力が入らないけど、私だって早く慧がほしかった。早く慧とひとつになりたい。

私が頷いたのを見て、慧は手早くゴムをつけて、大きく足を割り開いた。

「ああっ、」

トロトロに溶かされた膣に、熱くて硬いものが入ってくる。隙間なんてないくらいに膣を埋められ、足りなかったものが満たされていくみたいに心まで満たされていく。

「慧、だいすきだよ」
「うん、俺も......」

普段はあまり言わない言葉が自然と口からこぼれ出ると、優しくぎゅっと抱きしめてくれた。

好きな人とひとつになるって、こんなに幸せなことだったんだ。当たり前のことだけど、改めてそう感じる。セックスの回数をこなすたびに、そういう気持ちも薄れて、おざなりになっていたかもしれない。

とりあえず挿入して、そんなに気持ちが盛り上がってなくてイけなくても、なんか悪いし言い訳をするのも面倒だから、適当にイッた振りしたりして......。

心も体も気持ち良くなることがこんなに満たされることだって忘れてた。頭の先からつま先まで全身が満たされて、慧に抱きつくと、ゆっくりとしていた腰の動きがしだいに早くなってくる。

 

慧の熱いもので角度を変えて何度も突かれて、そのたびに勝手に声が出てしまう。

ああもう、本当に、本当にセックスってこんなに気持ち良かった?体が自分のものじゃないみたいで、おかしくなりそう。

「や、だめ、い、く.......、あ、あぁぁ......」

......っ。

ついに快感が最高に達して、苦しいくらいの気持ち良さが全身に広がっていく。どこにも力が入らないのに膣だけは何度も収縮して。その締め付けで、慧も小さく声を漏らし、ゴムの中でイッたのがわかった。

慧の横顔

「慧は気づいてなかったかもしれないけど、何度かがんばって誘ってみても無反応だったから、もう私に興味ないかと思った」

情事の後ベッドの上でまったりとしながら、慧の横顔を見る。 でも、本当に良かった。今日も何もなかったら、本気で再起不能になっていたかもしれない。

   

「あー、ごめん、それ、本当は気づいてた。 >でも、久しぶり過ぎてどういう反応すればいいか分からなかったんだ。仕事で忙しかったりして一時期してない時期が続いたから、間が空くとどんどん誘いづらくなって......。晴美からも特に何もなかったから、別にしなくても平気なのかと思ってた。だから、まだ晴美が俺としたいって思っててくれて、すごく嬉しかった。不安にさせてごめん」
「慧......。大好き」

答えにくそうにだったけど、しっかりと本音を話してくれた慧に嬉しくなって、横になっている慧の体に抱きつく。私も嬉しい。すごく嬉しかった。

もう一緒にいるのが当たり前みたいになっていて、日頃はときめきも忘れかけていたり薄くなっていってしまったけど、全くなくなってしまったわけじゃない。きっと、慧もそうだったのかもしれない。

  

ほんの少しのきっかけが、二人を変えてくれた。

あの頃の二人に戻してくれたんだ。

名前を呼ばれて見つめ合うと、優しく唇が重なって、心が満たされていく。好きな人と触れあうことはこんなに幸せなことなのに、本当に、何で忘れてしまっていたんだろう。

もしも、また私たちが今の気持ちを忘れてしまったとしても、また思い出して、元の二人に戻りたい。何度でも、何度でも。

END

あらすじ

セックスレスについて悩んでいた主人公…ベッド専用香水をつけると…

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