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官能小説 年下のわんこのおねだりタイム〜年下彼氏と玩具で遊ぼう〜 1話

おかえりなさい

―――玄関を開けたら、美味しい匂いが漂ってきた。

「おかえりなさい」

1Kのマンションは狭くて、玄関を開けたらすぐにキッチンが見える。

その小さなキッチンに彼はいた。

「お仕事お疲れさま。祐実さん、今日も頑張ったね」

「うん、ただいま」

「ご飯、もうちょっとで出来るから待っていてね。

先に軽く顔洗って、部屋着に着替えてきなよ」

朗らかな声で彼は私に笑いかけた。大柄な身体を丸め、猫の額ほどしかないシンクで、手際よく調理器具を片付けている。とても慣れた様子だった。

「残業頑張った祐実さんには、特別なご褒美あげちゃう」

明るい茶色の髪を今流行りの髪型にカットした、今どきの大学生といった雰囲気の男。

成人男子になりたてといった感じの青年は、警戒心のない笑顔を私に向けた。今、私の部屋で料理を作っている彼はそんな明るく人懐こい笑顔が印象的な男だった。

―――なんか子犬みたいだ。そんな印象を与えるのは、この男が私より年下だからということもあるだろう。

「―――哲史、今日のご飯はなに?」

私が尋ねると、哲史は玉子を片手で割りながら答える。

「今日はスーパーで玉子と玉ねぎが特売だったから、オムライスにしちゃった。

オムライスにはふわふわ玉子をのせるつもりで、それからこの間美味しいって言っていたツナと玉子の生野菜サラダと、オニオンスープに、デザートはプリンを作ったよ」

「すごい、本当に哲史は料理上手だね。料理が得意な男の人って本当いいなぁ」

私が素直に哲史を褒めると、哲史は困ったように眉毛を八の字にして笑った。私はこの目の前にいる哲史―――恋人の、こういうときの困り顔にも見える照れた笑顔が、けっこう好きだったりする。

「俺をそんなに褒めても、なにも出ないよ。

後はオムライスの上にのせる玉子を作って、盛りつけをしたら完成だから……祐実さんはゆっくり休んで待っていてね」

「了解。楽しみにしているね」

残業を終えた金曜日の夜。

恋人と過ごす何でもない時間が、今の私にとって一番大事な時間だった。

哲史は私より四つ年下で、現在二十歳の大学生だ。

私たちはネットを関して知り合った。音楽の趣味が合っていたから、SNSで話す機会が増え、次第に共にライブに行くようになり、最後は恋人関係になった。

ソファに座ってくつろいでいて私の元へ、哲史は湯気が立っている出来立てのオムライスをもって、満面の笑みでやってきた。

「今日は玉子が上手く焼けたんだ」

テーブルの上に置かれたオムライスを見ると、確かにとろんとした半熟玉子がチキンライスの上を飾っている。見ているだけでお腹が空いてきた……残業から帰ってきた私にとって、目の前のご馳走はたまらない。

「わぁっ! すごく美味しそう!」

私が褒めると哲史は少し得意げに『そうでしょう』と笑った。

大皿の横に小ぶりなスープカップとサラダボウルが置かれ、彩りも華やかだ。オムライスと付け合わせじゃが芋の黄色に、オニオンスープの焦げ茶、そしてサラダの緑。美味しそうな食事は色も綺麗だと思う。スープを目の前に置かれた時、食欲をそそる香ばしい香りが漂ってきて、玄関を開けて漂ってきた良い匂いはこれだと気付いた。

「今日のやつは上手にできたから、冷めないうちに食べちゃってね」

向いに座った哲史の言葉に、私は素直に頷いた。

「それじゃさっそく―――いただきます」

二人で向かい合って、手を軽く合わせると、楽しいご褒美ご飯の時間がはじまった。

まずスープを口に含む―――玉ねぎはとろとろに煮込まれていて、口の中であっという間にとろける。炒めた玉ねぎは口の中に入れただけで香ばしい香りが弾けた。口の中いっぱいに優しい味が広がって、身体の芯から温まる。

「―――美味しい! やっぱり哲史の作るご飯は最高」

私が素直な感想を告げると、哲史は嬉しそうに笑った。

「褒めてくれてありがとう。今日の玉子は、すごくいい具合に半熟に出来たんだ」

哲史は黙々とオムライスを口に運んでいる。私たちは淡々と会話を続けた。

「今週は残業が続いたよね。そろそろあの案件はカタがつきそう?」

「うん、何とかなりそう。

いきなりぶち込まれた案件だったから納期やばかったけど……なんとか締め切りには間に合いそう」

「それは良かった。祐実さん、最近すごく忙しくて大変みたいだから心配していたんだ」

「ん、ありがと……。

オニオンスープ、すごく美味しい。これ、ブイヨンとバターだけじゃなく何か入ってる?」

暖かくて美味しい食事は、それだけで心が満たされる。

哲史は私の言葉ににっこりと笑って答えた。

「うん、俺のやつは隠し味にちょっと中華だしの素を入れている。

そうすると風味がよくなるんだよ」

「へぇ……そっか、哲史はそういうところ、本当凝っていてすごいよ」

感心してスープをまた一口、口に含む。哲史は私が一口一口をじっくり味わいながら食べるのが嬉しいらしく、にこにこと見つめている。自分より年下の男が、こんな単純なことで喜んでくれるのは嬉しいが、なんだか少し恥ずかしくもある。

「あとさ……郁美さんも、最近ようやく穏やかになってきたというか―――彼氏との関係、修復できたっぽいよ」

私の言ったその言葉を聞いて、哲史は本当に安堵したように溜息をついた。

「本当? そっか……良かった、俺ずっと心配していたんだよ。

―――姉ちゃん、今度こそ政義さんとうまくいって欲しいから」

「先輩、SNSでここ最近ずっと荒れていたもんね」

「そうそう、破局を匂わせているコメントが多くて……なんか不穏でさ……」

「でも大丈夫、今日めちゃくちゃ元気だった。週末に彼氏と一泊二日の旅行に行くんだって。お土産買ってくるねって明るく言われちゃった」

私の言葉に哲史は箸を一度置き、ふぅ、と安堵の溜息をもらした。

「そうか―――姉ちゃんがうまくいっているなら、俺も安心だよ」

笹垣哲史

哲史のフルネームは笹垣哲史という。

そもそも私が四つ下の大学生と知り合うきっかけになったのが、私の上司であり、彼の姉である笹垣郁美先輩だった。

郁美さんは私の指導役の先輩で、仕事が出来て面倒見のいい素敵な人。最高の先輩だと思う―――ただ少し、彼氏との関係がうまくいかない時に、不機嫌になることを除けば。

私は新卒で入社すると同時に郁美さんの下に着いた。それからずっとお世話になり続け、今ではプライベートでも付き合いがある。SNSのアカウントも交換して、そこで紹介されたのが弟の哲史だった。

私のSNSプロフィールを読んで、郁美さんはこう言った。

『祐実ちゃん、うちの弟と音楽の趣味とか、かなり被っているんだよね。

これ弟のアカウントなんだけど、話してみると結構気が合うかもよ』

そんな風に教えてもらったのが、哲史のアカウント。

そこから私と哲史は知り合い、実際に出会い、そうして最終的に今の関係に至る。

郁美さんに報告したところ『うちの弟、家事は全部得意だからお得だよ』と言われたのだけれど、それは正しかった。

年下と付き合うのは初めてだけど、弟タイプの哲史は年上の私によく懐いてくれる。可愛い弟のような、気が利く優しい恋人―――それが私にとっての哲史だ。

「姉ちゃんと政義さんがうまくいきそうで本当によかった」

哲史はしみじみと頷きながら、プリンをほおばる。甘さ控えめの自家製プリンは、カラメルも哲史が作った彼自慢の一品だ。

「前の彼氏さんとは……結構、酷い別れ方したからさ、不安だったんだ。

最近、俺はあんまり姉ちゃんと会わないから、どうしているのかなって思っていたんだけど……上手くいきそうなら、本当良かった」

郁美先輩は現在、彼氏の政義さんと同棲して実家を出ている。

哲史は三人兄弟の末っ子で、郁美さんともう一人独立した兄がいる。今は哲史だけが両親と共に実家に住んでいるそうだ。

「多分、結婚秒読みなんじゃないかな。プロポーズ受けたみたいなこと言っていたし」

「まじか……姉ちゃん本当に良かったなぁ」

哲史は心から安堵したように胸を撫でおろした。

私より若干、食べるのが早い哲史は、手際よく自分が食べた皿をまとめている。

「祐実さんはゆっくり食べていて良いからね。俺は先に、後片付けやっちゃうから」

「んー……いいよ、後片付けは私がやる。

今日だってご飯作ってもらったし、それくらいは私がやらないと」

私がそう言うと、哲史は振り返ってにっこり微笑んだ。

「―――祐実さんは今日一日頑張って働いてきたんだから。

俺はこれくらい慣れているし。後片付けも全部俺がやるから、祐実さんはゆっくり食べて、お風呂入って、のんびりしてて。お風呂はもう洗ってあるから、すぐに入れるよ」

「……ありがとう、哲史。すごく助かる」

私の言葉に、哲史はいつも通り人懐っこい笑顔を見せた。

「どういたしまして」

こういうとこ、ずるい

―――別に大したことじゃないから。

哲史はそう言って、私の部屋に来るたびいつも美味しい料理を作り、家事を済ませてくれる。子供のころから兄と姉に家事をしっかり仕込まれたという哲史。最近は高齢の母親を手伝い、哲史が料理を作ることも多いという。

一週間の仕事が終わった金曜日、哲史はよく私の部屋に泊まりに来る。

合鍵を渡してあるので、哲史は食材を買い込み、私の部屋に来る。そして美味しいご飯を作って私を待っていてくれるのだった。

他にも、自分が作った夕食のおすそ分けを冷蔵庫の中にしまっておいてくれたりだとか、私が残業続きの時は部屋を片付けておいてくれたり―――この世話焼きな恋人は、頼りない私を色々な形で支えてくれているのだった。

洗面台に並んだ二つ分のコップと歯ブラシとか、男ものの洗顔料を見るたびに、哲史の存在を私の部屋に感じて、なんだかちょっと嬉しくなる。

―――だけど、こうして振り返ってみると、なんだか私の方が年下で、哲史は頼れる兄のようだ。実際は逆だというのに。

(哲史は優しいから……甘えちゃうところもあるんだろうな)

「はぁ〜……今日も本当に美味しかった。哲史の料理はほんっとに最高……」

お言葉に甘え、先に風呂に入った私を待っていたのは大好物のアイスだった。

「お風呂掃除もさ、排水溝とかも全部綺麗に掃除してくれて、本当助かる。

このアイスだって、この間私が美味しいって言ったの覚えていてくれたんでしょ?

哲史は本当にしっかり者だよね」

私が礼を言うと、哲史は小さく『大したことじゃないよ』と答える。

「私は哲史のそういうところ、すごくいいと思うよ」

「祐実さんはたくさん食べてくれるし、いつも美味しい美味しいって言ってくれるから、俺も作り甲斐があるよ」

そんな風に心が広い年下の彼は、私の隣にそっと並び、アイスを口に運んでいる。

「前に付き合っていた子から『私より女子力高くてマメなところが気に入らない』って言われて、そのままふられたからね、俺」

困ったように笑う。その笑顔はどこか子供っぽくて、男なのに可愛いと思ってしまった。

「えぇ……勿体なさすぎじゃん、それ。

こんな美味しい料理作って、待っていてくれる彼氏なんて、本当にレアものなのに」

「ありがとう。祐実さんはいつも残さず美味しく食べてくれるから、俺も嬉しいよ」

哲史はまた私に人懐こくて明るい笑顔を向けた。

この人好きする明るい笑顔に、私は弱い。

「祐実さんは―――いつも俺の料理を細かく褒めてくれるし、家事をしたことに気付いて、お礼を言ってくれるよね。

それってすごい大事なことだと思うんだ」

首を傾げた私に哲史は朗らかな口調で続けた。

「どんな小さな変化も気付いてくれて、それに感謝してくれる―――当たり前かもしれないけど、それを毎回忘れないってことは、中々難しいことだから」

年下の男と言っても、哲史は背丈が高くて、力も強い。明るくて人懐こい笑顔を絶やさない哲史は、もちろん友達も多いのだけど、それならきっと女の子からも人気があるはずだ。

「―――だからね、俺は祐実さんのことが好きなの」

そう言って哲史は私の頬を優しく撫でた。

目の前に彼の笑顔がある。哲史に触れられた瞬間、心臓が高鳴り、耳が赤くなっていくのを感じた。恥ずかしくて少し俯いた私を、哲史はまっすぐ見つめている。

「…………なんか、すごく恥ずかしいこと言われた気がする」

「俺はいつだって本気だよ」

目の前の彼は、こういうところが少しずるいと思う。

(―――恥ずかしいことも、真っすぐ伝えてくるんだから)

哲史は、恋愛の駆け引きみたいなことを一度もしたことがない。いつも真っすぐに、悪く言えば馬鹿正直に、私に好きという気持ちを伝えてくる。

「んっ…………」

俯いた顔を指先で持ち上げられて、軽く触れるだけのキスをされた。

「……でも、なんか毎回……哲史に甘えちゃっている気がする。

―――私の方が哲史よりも年上なのに」

私がそう言うと、哲史は当然というようにこう答えた。

「別にいいじゃん、祐実さんは俺の彼女なんだから、俺が優しくするのは当然でしょ」

「……………………本当、いい子だね哲史は」

その言葉を聞いた哲史は、にっこりと笑って、今度は私の額にキスをした。

「俺は祐実さんのそういうところが、可愛くていいと思うよ」

ゆっくり私の腰に手を回し、私の身体を引き寄せる哲史。私は抵抗することなく彼の腕の中におさまり、そして優しく頭を撫でられた。まるで子供をあやすように優しくて―――何も言わず、私は彼の胸に顔をうずめた。

「俺にとって祐実さんは、年上のお姉さんというより……可愛い女の人だから」

その言葉

(……こういうとこ、ずるい)

年下の彼にキスされプライドをくすぐられる彼女

しかし、いつも哲史のこの優しさに甘えてしまっては、年上としての立場が無い。

(哲史は年下で、私の方が年上なんだから―――私がもっと、しっかりしなくちゃ)

それは私のささやかなプライドで、反抗心だった。

あらすじ

玄関を開けたら、美味しい匂いが漂ってきた。料理を作ってくれたのは年下の彼氏、哲史。彼と付き合う祐実はSNSで出会い恋人同士になって…。

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