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官能小説 揺れる明るみ〜癒し〜 3話


言葉にできない快感

快感をうまく言葉にできず、私は、思わず彼の首筋に吸い付いた。
起き上がり、彼の首筋から肩へと、舌を這わせる。
違う。
舌を這わせるなんてものじゃない。
私は、彼に噛みつくほどの勢いで、ジュルジュルと舐めまわしている。

(あの隆々とした筋肉が、ここにあるんだ。今まで見えなかった男らしい肩の厚みが、ここにあるんだ)

舌先が彼の肌を感じるたびに、口の奥から唾液が溢れて、また彼を濡らす。

(今見えている、このトロトロした光は、私の、自分自身の唾液…)

そう思うと、彼を舐める口の端から「はぁぁ」と息が漏れる。

さっきのお返し

さっきから私の髪と背中を撫でていた雄一の手が、少しずつ下へとおりていく。
お尻の谷間に、彼の指先がスルリと滑り込んできた。

「ヒャッッ」

私は、思わず口を彼から離し、背筋を伸ばした。

「葵の舌、すごく気持ちいい…」

雄一は、私の頭をもう一方の手で抱き寄せる。
その拍子に、私の片手に彼の中心が触れた。

…いつもより、硬い?

私は、偶然に触れた指で、スルスルと彼の中心を撫でながら、鎖骨から胸板へと、たくさん口づけた。
チュッチュッと音を立てて彼の乳首をつつき、「さっきのお返し」と見上げて目を合わせた。

(えっ?)

彼と目が合って、私はハッとする。

「なんか、さっきより…、明るくない?」

そう思うと、興奮の波がスッと引いて、恥ずかしさが舞い戻る。

「目が慣れたんだよ」

彼はそう言うと、私の前髪と瞼をそっと撫でた。

強さの奥に感じる愛おしさ

「あー。ていうか、もうダメ。葵、して」

彼は、いきなりそう言うと、私の左肩をベッドに押し付けるように押し倒した。
そして、私の中心に顔をうずめると同時に、自分の中心を私の目の前へと近づける。

「ひゃんっ…。ぁぁぁ、ぁぁぁ」

温かくて、柔らかくて、じっとりと濡れた舌が、クリトリスの周りを、もったいつけるようになぞる。
おへその奥に、キュッと絞られるようなうずきを感じながら、目の前にある彼の中心を見つめていた。

こんなに近くで、男の人を見るのは…、初めて。
あんなに逞しい彼の肩も、腕の筋肉も、これにはかなわない…。
“強い”という言葉を、一目瞭然に見せられているようだ。

(女は、強さの奥に愛おしさを覚えるんだわ…)

私は、その強いものが、どうしても愛おしくて、こんなに強いのに、守りたくなるような衝動に駆られた。

「雄君…」

自然と彼を呼ぶ声が漏れて、それから、唇をたっぷりと唾液で濡らした。
そして、彼の先端から、ゆっくりと口の中へと収めていく。
「ぉぉぉぅぅぅ」と息を吐いてから、ハァと大きく息を吸う彼。
その呼吸に合わせて、私の口の中のものがピクピクと動く。

チュルチュル、ジュルジュル、チュパチュパ…。
私は、いろんな音を立てながら彼にしゃぶりついた。

彼自身だけではなく、根本の2つの塊も、私の両手も、光っている。

(口の中からも、愛液が溢れるのかしら…)

…そう思うほどに、頭の中までしびれていた。
彼の体と私の体。その境目が、よく分からなくなる…。

⇒【NEXT】「我慢しないで…と彼はさらに…」(揺れる明るみ〜癒し〜 4話)

あらすじ

エッチなお返し…葵の全身にキスをする雄一。
快感をうまく言葉にできない葵は、思わず彼の首筋に吸い付く。

葵は愛撫のお返しに、雄一を攻め始めるが、明るさに気付いて、恥ずかしさが舞い戻る…

はづき
はづき
肌の細胞すべてに、体の動きすべてに、心が宿る。 心が…
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