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官能小説 甘恋レッスン 4話


言い訳の朝

 

翌朝、目を覚ました奈央は隣で眠る亮平の姿を見てぎょっとする。慌てて上体を起こそうとしたけれど、なぜか身体はびくともしない。視線を落とせば、亮平の腕が奈央の腰に回っており、がっちりと固定されていた。

奈央はどきどきと鼓動を速め始めた心臓を抑えつつ、そっと周囲を見渡す。


エッチな寝室

白と黒でシックにまとめられた部屋は、間違いなく亮平のマンションだ。ベッドの上にいるということは、おそらく亮平が廊下から運んできたに違いない。

昨日のことを思い出し、奈央は顔から火が出そうになるぐらい真っ赤になる。

幼馴染みとはいえ男の部屋で一夜を明かしてしまったという事実より、一枚も服を脱がされることなくオーガズムを得たらしいことの方がずっとショックだった。

亮平が呆れるのも無理はない。

お酒が入っていたからと言い訳してみても、それほどまでに亮平のレッスンに溺れていた自分が恥ずかしい――すうすうと子供みたいな寝息を立てている亮平の顔をそっとのぞき込みながら、奈央は苦悩していた。

プレイボーイの亮平が、こうして女を啼かせるテクニックに長けているのは当たり前なのに、心のどこかでそれをツライと感じている。奈央と呼ぶあの声も、射貫くようなあの瞳も、優しく触れる手も指も、全てほかの女の子たちも経験していることだと思うと、胸がざわめいてしまうのだ。

こんなエッチなレッスンを提案してきたのは確かに亮平だけど、実際に頼んだのは奈央自身である。言ってみれば先生と生徒の関係なのだから、複雑に思う方がおかしい。

考えているうちに、奈央はなんだか居たたまれなくなり、亮平を起こさないよう静かにベッドから抜け出そうと試みた。

しかし亮平の腕を解こうとした瞬間、当の亮平とばっちり目が合ってしまう。

「どこ行くの?」

「――っ!!」

まるで少し前から起きていたように、亮平の声ははっきりしている。奈央を抱く腕にもしっかりした力が込められた。

奈央はうっと頬を引きつらせ、視線をそらした。

昨日の姿のままの奈央とは違い、亮平はスーツを脱いでTシャツとトランクスというラフな格好をしていたからだ。こんな無防備な亮平を見るのは久しい。

「あ、あの……亮平、私やっぱり――」

「投げ出さない約束だろう?」

心のうちを見抜かれ、奈央はどきっとする。
亮平は奈央の答えを待たずして起き上がると、サイドボードの引き出しを開けた。

「お前のために俺、イイモノたくさん持ってるんだよね」

「え……?」

硬直と弛緩

どさどさと目の前に出されたラブグッズの数々を見て、奈央の顔から血の気がさあっと引いていく。まさかこれらを全て自分に試す気ではないだろうか。

しかしそれよりも、つきりと痛んだ胸の方が気になった。

亮平は幼馴染みで親友で、今は先生でもあるのに、これらを使用し合っていた(いや、亮平のことだから現在進行形で使用し合っている)女の子がいるのだと思うと、どうしてもモヤモヤしてしまう。
今はフリーだと言っていた亮平だが、その場限りのセックスフレンドがいないとは言い切れない。

「どうした?」

気づけば亮平が、心配そうに奈央をうかがっていた。 はっと我に返った奈央は、急いで笑顔を取り繕う。

「な、なんでもない!」

ラブグッズに興味があるふりをして玩具の山に手を伸ばしたら、亮平にその手をつかまれる。

「じゃあ、さっそくレッスンを始めるか」

清々しいぐらいに笑う亮平を前に、奈央は驚愕に目をみはった。

「まだ朝よ!?」

「だから?」

「――――」

平然と問い返され、言葉を失う奈央。

亮平はつかんでいた奈央の手を恭しく持ち上げると、手の平に口づけてきた。熱い吐息がかかり、奈央はびくりとすくむ。

「あ……っ」

つい甘ったるい声を漏らしてしまった奈央は、反射的に空いている方の手でぱっと口元を押さえた。 亮平がにやりと口の端を上げる。

「そうしてろ。これからもっと声が出るから」

動揺する間も与えられず、奈央は腕を引かれて仰向けにされてしまう。覆い被さるように亮平が上に乗ってきた。その手が胸にかかり、奈央は硬直する。

「力を抜け、奈央」

「――っ!」

亮平はこんなときばかり、奈央を名前で呼ぶ。まるでそうすれば、奈央がおとなしく従うとでもいうように。

けれど、それは当たっている。
命令口調で名を呼ばれると、なぜか奈央は逆らえない。

奈央は高鳴る心臓を押さえるように大きく息をつくと、身体を弛緩させた。辞めようとか逃げだそうという選択肢は、もう頭になかった。

亮平は奈央の胸元をゆっくりと優しく揉んできた。

「ぁ……!」

口を押さえているのに、つい声が出てしまう。
亮平はにっと口角を上げると、両手を使って乳房を愛撫し始めた。

「ふ……ぁ……っ」

むずむずとした感覚が次第に快感に変わり、奈央の下肢をじんわりと痺れさせる。最初は朝だからと羞恥心が勝っていた奈央の身体は、彼女の意に反してほてっていった。

「んぁ……はっ……」

なでるようだった亮平の手つきが、段々と強くなる。下から押し上げるように乳房をこねられ、そのまま押し回される。

未知の快感

相変わらず服の上からの刺激なのに、奈央はびくびくと身体を仰け反らせてしまう。やがて亮平は手の平で乳房を揉みしだきながら、指先で乳頭がある部分をくりくりとつまんできた。

「んんっ」

ぴりりと電流が走った気がして、奈央の身体が跳ねる。ローターによって慣らされた身体は、直接的な刺激に従順に反応した。

「だいぶ感度が上がってきたな」

「え――?」

ぼうっとした目で見上げれば、上体を起こした亮平が広げられたままのラブグッズの山に手を突っ込んでいた。

「昨日は服の上からだったが、今日は素肌に慣れてもらう」

そう言って亮平は、ひとつの玩具を奈央の方に掲げて見せた。それはピンクローターによく似ていたが、白いコードでつながれたリモコンの先は二股に分かれている。突起のついた丸くて平たい物体がふたつあり、まるで大きな乳首みたいだ。

「な、何――それ?」

奈央は口を押さえることも忘れて、呆然とそれに見入っていた。

「ピンクラブカップっていうらしい。最近はやってる、胸を刺激するアイテム」

「は、はあ……」

そんなものまであるのかと生返事になる奈央に対して、亮平はにこにこと笑っている。

「というわけで、脱げ」

「――っ!?」

こんな明るい中で裸になんてなれないと、ふるふる首を横に振る奈央。しかし亮平はそんな奈央の反応など最初から承知していたようで、彼女に構わずブラウスのボタンを上から順に外していく。

「あ、やめ……っ」

奈央の制止はしかし、亮平の口の中に呑み込まれた。亮平が奈央にキスして、抗うことができないようにしたのだ。

「ん、ぅ――!」

昨日キスの味を覚えたばかりの奈央だったが、既に甘い感触の虜になっていた。唇の隙間から入り込んできた亮平の舌にねっとりと口腔内を舐め上げられれば、途端に身体は従順に従ってしまう。

くちゅくちゅと淫らな水音を立てながら、気づけば夢中になって舌を絡ませ合っていた。

亮平はその間に奈央のブラウスを脱がせると、背中に腕を回してブラジャーのホックを外した。


ラブグッズを使用し女性の胸に手をまわす男性

開放感と共に、奈央の白い肌があらわになる。
しかしキスに酔わされている奈央は、その早業に恥ずかしがる暇も呆れる余裕もない。

亮平はピンクラブカップを手に取ると、ためらうことなく奈央の胸に装着した。

「んんっ!?」

ひやりとした感覚に驚いて背を弓なりにしならせた奈央だったが、次の瞬間にはびくびくと身体を震わせていた。

「ひぁ……あっ――!」

ピンクラブカップがぶるぶると動き出し、奈央の乳房を刺激し始めたのだ。亮平の手にはリモコンが握られていた。



【NEXT】ラブカップを使った奈央にある変化が…?!(甘恋レッスン 5話)

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あらすじ

朝目覚めると、隣で眠る亮平の姿を見てぎょっとする。

昨日の出来事を思い出し、恥ずかしさで顔を真っ赤にする奈央だったが、
亮平が他の女性とも関係を持っている事を思うと胸がざわめいていた。

亮平が目を覚ますと、まだ朝だというのにレッスンを始めると言いだした。

「私やっぱり…」

投げ出そうとするに奈央に亮平は再び…。

御子柴くれは
御子柴くれは
マルチに活動中のフリーライター。2016年よりロマンス…
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