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官能小説 絵の中のあなた 3話
ライブ中に告白
真実は、シュンと会っていなかった間に、自分がすいぶん冴えない女になってしまっていたことに気づいた。
レイナの神々しいほどの美しさをテレビで見て以来、自分とのあまりのギャップにショックを受け、何もする気が起きなくなってしまったのだ。
コンビニを辞めてからは、美容院すら一度も行っていない。
伸びた髪は一つにまとめ、化粧もろくにしないで日々を過ごしていた。
このままシュンのライブに行くわけにはいかない。
そう思った真実は、まず美容室に行って髪を整え、化粧品も新たに購入した。
当日は、髪から華やかな香りと、艶を放つヘアオイルをつけた。
顔には少しだけラメをほどこしてみる。そして唇には、初めてグロスをつけてみた。
「レイナにはおよばないけど、私だってなかなかイイ女じゃん」
真実はそうつぶやいて、笑顔になった。
熱愛宣言
「俺さ、実は好きな女の子が今いるんだけど、元カノのことで傷つけちゃったみたいなんだよね。でさ、ちょっとくさいかなぁなんて思うんだけど、その子のために歌作ったからさ、聴いてくれる?」
熱気に包まれたライブ会場で、ボーカルのシュンがMCをしていた。
シュンのいきなりの熱愛宣言に、ファンの間で「キャーッ!」とか「ヒュー!」というひやかすような声が響きわたり、会場が一気にわく。
「“トゥルー”聴いてください」
シュンがそう言って、静かに曲は始まった。
真実は、心臓が止まってしまったのではないかと思うくらい硬直していた。
そして、身じろぎもせずその曲に聴き入った。
一つになれた悦び
「“君が真実(シンジツ)だって、最初からわかっていたはず”か…」
真実はつぶやいた。
「いい歌詞だろ?ダジャレじゃねーぜ」
シュンが得意げに言う。
「うーん……ちょっとキザだけど素敵。自分の名前が好きになっちゃった」
真実は、自分の横で寝転がるシュンの顔をじっと見た。
「そうだ。もう描きあがったよ、シュンの顔」
真実は絵の上にかけてあった布をはずし、シュンに肖像画を見せた。
シュンはじっと絵を見つめ、言葉を発しない。そして黙ったまま真実を抱き寄せキスをした。
「絵が出来上がったらって約束、覚えてる?」
真実はうなずいた。
シュンは、真実の服を静かに脱がせていった。
時間をかけてお互いすっかり裸になってしまってから、あらためて肌と肌を合わせる。
「これが愛する人のぬくもりなのね。とても温かい…」
「真実はふわふわと柔らかくて、すごく癒される」
シュンは真実の胸に舌を這わせ、真実はその動きに敏感に反応した。
シュンのしなやかな指が、いつしか真実の蜜壺の中にも滑り込む。
「潤ってる…。すごく感じてるんだね」
「その指は、いつもシュンがギターをひいている指…」
「真実の身体も、すごく素敵…」
指の動きは少しずつ加速し、真実の声もどんどん大きくなっていく。
やがてシュンは、優しくゆっくり真実の中に分け入り、そのまま動かず真実にキスをし続けた。
「痛くない?」
「うん……大丈夫」
シュンと真実は、ようやく一つになれた悦びをしみじみと味わい、夜が更けるまで愛のいとなみは繰り返された。
そして絵の中のもう一人のシュンが、そんな二人を飽きもせずに眺め続けていた。
END
あらすじ
ライブ会場で、歌に想いを乗せて告白をされた真実。
想いの通じ合った2人は、あらためて肌と肌を合わせる。