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官能小説【1話】彼の知らない私と、私の知らない彼
甘美な時間
★作品について
この作品は、小説サイト「ムーンライトノベルズ」と合同で開催した、「ラブグッズで熱く感じる小説コンテスト」のLC賞作品です。
「ゆ、優くん……!そこっ!クリはダメッ、ジンジンしちゃうのぉ……!」
『いけない子だな、“祥子”。そんなにローターでいじられるのが好きなのか?』
「うんっ、好き……!気持ちいい……っ」
『下着もビショビショだ……。“俺”の手まで濡らすなんて、お仕置きが必要だな』
お仕置き、の言葉に私の腰が跳ねる。
下着越しに伝わるローターの振動が、一気に強くなった。
早く奥までいじめて欲しくて、私は彼に懇願する。
「……ぁ、優くん、お願い……。エッチな私に、お仕置き、して」
『ああ。――ヘンタイで淫乱なお前に、ピッタリの罰を与えてやるよ』
彼には言えない
「――子ちゃん?祥子ちゃん?」
「え!?」
私はハッとして、目の前の優くんを見た。
落ち着いたブルーのシャツを着た、いかにも文学青年といった服装の優くんは、私を心配そうに見つめている。
「大丈夫?さっきから、なんかボーっとしてるよ」
「え、あ、うん」
(いけない、また妄想してた……!)
それもこれも、さっき見た恋愛映画のせいだ。
ドSで気になる彼と、優しい幼馴染。二人の間で揺れる女子高生を描いた人気少女マンガが原作で、ついつい感情移入してしまっていたらしい。
(またやっちゃった……。デート中に妄想するなんて最低だ、私……)
「ご、ごめん。なんでもないの」
「……もしかして、歩き疲れちゃった?この喫茶店、ちょっと遠かったよね。ごめんね」
「そんなことないよ!オシャレだし、ケーキも美味しいし、すっごく素敵なところだと思う!」
私は必死に力説する。
優くんが今日のデートのために、たくさん調べて準備してくれたことを私は知っている。
このカフェだって、私の好きなモンブランが美味しいことで評判だから、選んでくれたのだ。
――そう、私は彼に愛されている。優しくて、恋人思いの素敵な彼だ。
だから、問題は私の方にある。
(でもこんなこと、優くんには絶対言えない……)
「祥子ちゃん。……もしかして、なにか悩み事でもあるの?」
一瞬、考えていたことがバレたかと思って、びっくりする。
「最近、考え事してるの多いよね。僕でよければ話を聞くよ」
「優くん……」
「これでも一応、祥子ちゃんの、か、彼氏、だし」
照れくさそうに優くんが頬をかく。
大学のサークルで知り合ってから二年。付き合ってからは半年たつのに、まるで手をつないだばかりの中学生みたいな反応をする。
そこが可愛いと思うと同時に、物足りないと感じてしまうのは、私が欲深いのだろうか。
――私が彼に言えない秘密。
(それは、私がラブグッズでいじめられるのが好きな、Mだってこと……)
彼だったらいいのに
あの後、体調が悪いと嘘をついて、家に戻ってきた。
帰りたいがためのとっさの嘘とはいえ、優くんを余計に心配させてしまったのは本当に申し訳ない。
(ああ……本当に私って最低)
しかも帰りたい理由が、これだ。
品名に化粧品と記された、宅急便の段ボール。
中身はもちろん、化粧品なんかじゃない。
「また買っちゃった……」
ラブグッズ、それもアプリのストーリーと連携するローターだ。
箱の外からはラブグッズだなんてわからないとはいえ、宅急便のお兄さんに何度も運んでもらうのはやっぱり気恥ずかしい。
私は梱包を開いて、中身を取り出す。淡いピンク色の猫の形をしたローターを手に取った。
(あ……けっこう可愛い)
ふにふにした触感が、ローターっぽくなくて少しほっとした。
でも、この可愛い猫ちゃんが、これから私のビンカンなところを刺激するのだと思うと、申し訳ないような、ゾクゾクするような気分がする。
「ストーリーは……色々あるんだ。どれにしよ――あ」
見つけたのは、ドSな彼にいじめられるストーリーだった。
迷わずそれを選ぶと、私はイヤホンをつけて、ベッドに寝転ぶ。
(ちょっと、ドキドキする……)
私はストーリーの再生ボタンを押す。
ローターを手に握りしめながら待っていると、耳元から男の人の低い声が響き渡った。
「……っ」
ゾクゾクする。
体中が総毛立つ感覚に、身震いした。
それは優くんとの甘いエッチでは味わえない、ヒリヒリとした快感だった。
(私……やっぱりヘンタイなんだ)
耳元で、私を支配する声が聞こえる。
言われるがままにローターをクリトリスに当てると、声と共に振動がいきなり強くなる。
「んん……っ!」
甘ったるい声が抑えられない。
眉根を寄せてこらえながら、気持ちよさに腰を揺らす。
(……でも)
確かに気持ちいい。けれど。
(これが……優くんだったらいいのに)
どうせいじめられるなら、好きな彼がいい。
私はいつものように、目を閉じて優くんにいじめられている妄想を始める。
『そんなに腰を振ってどうした、“祥子”』
「ぁ、優くん……」
妄想の優くんは、私を祥子ちゃんとは呼ばない。
いじわるで強引で、それでいて……エッチな私を引き出してくれる。
『ほら、もっと股を開いてみろ。“俺”に見せつけるように』
「あ、こ……こう……?」
『ふふ……。恥ずかしいところが丸見えだなあ。特にーーココ。ずいぶんヒクヒクしてるじゃないか』
「っや……み、見ないで……っ!」
『恥ずかしいのが好きなくせに。自分の気持ちに正直になれよ、“祥子”』
「ゆ、う、くん……」
『ココ、いじられるのが気持ちいいんだろう?』
「う、うん……好き。私、好きなの……優くん」
『よく言えたな。正直な子には、ご褒美をあげなくっちゃな』
するとブブブブブッと、ローターのバイブレーションが、一気に最大値まで上がる。
「ンアァッ!」
『これが好きなんだろ?気持ちいいんだろ?』
「好き、好きっ!頭おかしくなるくらい、気持ちいいのぉ……!」
『ハハ!ほら、好きなだけ味合わせてやる!』
「ダメ……イ……イく!優くん、イッちゃう――!」
あと少しで、絶頂を迎えるというその時――。
ゴトッ、と近くで何かが落ちる音がした。
「……っ!?」
どう考えても、イヤホンの外から聞こえた音だった。
慌てて、イヤホンを外し、周囲を見回す。
そこには部屋の入口で茫然と立ち尽くす優くんがいた。
「ゆ、ゆう、くん……なんで?」
彼の足元には、コンビニ袋からはみ出したスポーツドリンクが転がっている。
きっと、体調が悪いという私の嘘を信じて、見舞いにきてくれたのだろう。
(ど、どうしよう……見られちゃった……!)
二人で
「あ……ご、ごめん。ノックはしたんだけど……中から苦しそうな声がしたから、病気じゃまずいと思って……その……」
優くんが気まずそうに視線をそらす。
「その、僕、あの……な、なにも見てないから」
「……え?」
「……僕、帰るね。本当にごめん」
優くんはそのままきびすを返す。
(ダ、ダメ……このまま優くんを帰しちゃダメ!)
理由はわからない。
けれどこのまま彼を帰しては、なにか取り返しのつかない誤解が生まれそうな気がした。
「ま、待って!優くん、違うの!」
あわてて、彼の腕をつかむ。
振り返る彼に、私は言葉を振り絞った。
「私……Mなの!」
「……え?」
「強引にいじめられるのが好きなの。でも、優くんにそんなこと言えなくって……試しに買ってみたラブグッズにどんどんハマっちゃって……な、なんて」
マシンガントークで言い訳をする私に、優くんは固まったままだった。
「ご、ごめんね。引いちゃうよね。こんなこと言って……ごめん」
話していくうちに、どんどん目の奥がツンとして、泣きそうになる。
私に泣く資格なんてないのに。
「――祥子ちゃん。一つ聞かせて」
「……うん」
「さっき一人エッチしてるとき、僕の名前を呼んでたよね。あれはどうして?」
「……その、優くんにいじめられてるのを妄想してたら、気持ちよくなっちゃって」
「そう……だったんだ」
すると、彼にぎゅっと抱きしめられる。
突然のことに、私は彼の顔をじっと見つめた。
「正直に話してくれて、ありがとう、祥子ちゃん。すごく勇気がいったよね」
「優くん……」
「……僕の方こそ、ごめん」
「ごめんって……どうして?」
「祥子ちゃんを疑った。もしかしたら、祥子ちゃんが浮気してるんじゃないかって」
「え!?」
「もちろんそんなことないって思ってたけど……祥子ちゃん、最近上の空だったし。スマホも気にしてるみたいだったし」
スマホを気にしていたのは、単にラブグッズの発送が気になっていただけだ。
まさか、彼にそんな風に思われていたなんて。
「それに祥子ちゃんすごく可愛いから、もしかしたらって……不安になって」
「か、可愛くなんてないよ……!私なんて……優くんにはもったいない……」
「……ねえ、祥子ちゃん。僕のココ、触ってみて」
そっと手を下に誘導される。
彼の下半身は、ズボンの上からでもわかるほど、今にもはちきれそうだった。
「おっきくなってる……」
「ね?祥子ちゃんのこと考えてたら、こんなになっちゃった」
「私のこと……気持ち悪くないの?」
「そんなことない。大好きな子がエッチだなんて、こんなに嬉しいことはないよ」
優くんが私の頭をそっとなでる。
彼にそんなことをされたのは、初めてだった。
「ねえ、祥子ちゃん。エッチしよ。二人でいっぱい、気持ちよくなろ」
⇒【NEXT】「本当はずっと……こうされたかったんでしょ?」(彼の知らない私と、私の知らない彼 2話)
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あらすじ
大学生の祥子には、恋人の優に言えない秘密があった。
それは彼にいじめられたくて、エッチな妄想をしているということ。
ところが、そんなある日、ラブグッズを使って妄想しているところを彼に見られてしまい……!?