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官能小説 恋の花の咲かせ方 3話 (エッチと欲情)
エッチな欲情
フラワーショップ『GREEN』の看板をじっと見つめているマユ。
マユは自分の行動をなかなか理解できずにいた。
いきなり会いに来るなど、どう考えても自分にしては大胆過ぎると思ったのである。
しかし、そこには表現し難い予感めいたものがあり、目に見えない力につき動かされている感覚があった。
もしかしたらそれが、運命と呼ばれるものの正体なのかもしれない。
昼間の明るいうちにお店を見るのは初めてだった。
あらためて見直すと、最初に見たときよりもっとその空間は可愛らしく見えた。
細部まで工夫のこらされたインテリアや色遣いが、こじんまりとした中にバランス良くおさまり、まるでおとぎの国の小人の家のようである。
見ているだけで心が浮き立った。
ふと拓巳の姿を思い出し、彼の純粋な笑顔が内装とマッチしていることに気づく。
ゆっくりお店に近づくと、一番手前に淡い紫色のトルコキキョウが並べられているのが見えた。
シンクロ
「そういえばこの花、お母さんが好きだったな……」
記憶がふいに頭をかすめた時、「いらっしゃいませ!」という明るい声が響いた。
ハッと顔をあげると、頭のすみにずっとあった優しい面影が、まさにそのままの姿で目の前にあった。
「この前のブーケ、まだ元気ですか?」
と、まるで待っていたかのように自然なトーンで拓巳が話しかけてくる。
二人の空間には違和感がなく、昔から一緒に居るように思えるくらい空気が馴染んでいた。
そんなシンクロする感覚に、マユの胸は高鳴った。
「はい、まだ部屋に飾っています」
そう答えながら、自分の顔がみるみる赤くなっていく。
抑えられない欲情
「今日は、実家の母に花を送りたいんです」
照れていることを悟られまいと、マユはあわてて言葉をつないだ。
「そうですか。では、何かいいかな? お母様の好きな花は?」
「トルコキキョウです」
マユが質問に答えると、
「僕の母親もトルコキキョウが好きなんですよ。奇遇ですね」
と、微笑む拓巳。
再度、拓巳とシンクロしている感覚を味わい、マユはあらためて運命の存在を確信する。
花を一本一本優しく抜き取り、それらをまとめていく器用で繊細な拓巳の指先の動きを見ていたら、夢の中に登場した彼を思い出した。
その場面が、あまりにもエロティックだったので、マユは拓巳を見ながら一瞬欲情してしまった。
そして、そんな風に欲情してしまう自分が恥ずかしくなり、マユはいっそう顔を赤らめた。