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官能小説 ウーマン・オブ・プラネット 3話 〜恋のチョコレートケーキ〜
美味しいカラダ
最初にツヨシの指に惹かれた。 節々がはっきりしていて爪がまるく、指の腹が柔らかそうだ。 手の甲も厚みがあって、職人にふさわしい手指をしている。
ツヨシの両手が私の乳房を優しく覆いながら、唇が乳首を吸い上げる。 手はスポンジケーキに触れる様に、 唇はクリームソースを含ませるように。 乳房を含んだ口の中で、舌先が動きまわる。 乳首に触れると同時に激しくなる。
「あ、いや」
パティシエのツヨシの手や指で全身を撫でまわされ、 唇や舌でキスされているうちに、 ツヨシが作り上げる宝石のようなケーキが思い浮かんだ。
パティシエのツヨシのケーキの一つひとつに自分がなっていくような。 次第に快感が高まってくると、 ツヨシがふいに体位を変えて、私をうつ伏せにする。 そしてお尻を手でプルプルっと撫でてから、かぶりついた。
「あっ、いきなり」
「美味しいんだよ、綾香のお尻」
お尻全体を舌で舐めまわしながら、左手で腰を抑え、 右手で、繁みの深いところへと侵入させる。 敏感な部分を探り当てると、お尻を吸い上げながら、 指でツンツンと焦らすように触れたかと思うと、 腰が不意に浮かされ、いきなりツヨシの舌が敏感な部分を直撃した。
「あ、どうして。こんなの初めて」
ツヨシの舌が獰猛な生き物のように、 敏感な部分に侵入して激しく動く。
浮かされた腰を掴みあげられ、あおむけにされると、 ツヨシの熱い塊がいきなり入って、さかんに動き回る。
「今日は、あ…いきなりばかり…」
「いつも同じだと、飽きるだろう」
腰を抱きかかえられると、座位にされた。
唇を吸い上げられながら、 ツヨシがますます激しく私を突いてくる。
「ああ、いきそう」
「まだ、ダメだよ、もっとだよ」
何度も突いてくるツヨシの背中に腕を回しながら、 初めて麻衣から好きな人を守ったという安堵が広がる。
「ツヨシは私の男」
呟くと同時に、再びうつ伏せにさせられ、 今度は後ろから腰を掴まれ、 さらに強くツヨシのものが入ってきた。 唇をツヨシの手でふさがれ、絶叫はツヨシの手の中で響いた。 何故だがわからないが、涙がこぼれてきた。
やっと麻衣の奇妙なライバル心から解放された喜びが、体中に広がった。
午後8時に閉店した 「サロン・ド・ケーキ・パレット」のキッチンで、 私は一か月後のスイーツコンテストに出品するために、 チョコレートソースを作っていた。
臀部のあたりが少し痛い。 昨夜ツヨシに何度も求められたせいかしら。 思い出すと、子宮がきゅんとなる。
いけない、新作のケーキ作りに専念しなければ。 チョコレートケーキで出展するのは、 パティシエンヌを目指した頃からの夢だった。 本当は海外で修業をしたかったが、 経済的な余裕がなかったため、 学校を卒業してから尊敬するパティシエの元で働いてきた。
最初の店で麻衣と出会ってから、 麻衣はいつも私をライバル視していた。
「綾香、先生が呼んでいる。事務室に来てほしいって」
キッチンにすうっと麻衣が現れた。 一瞬びくっとなったが、もう怖がることはない。 今回のスイーツコンテスト 「サロン・ド・ケーキ・パレット」には、 麻衣ではなく私が出場権を得た。
恋人のツヨシとも順調だ。 これまで麻衣に、 好きになった男を付き合う前に全部奪われてきたが、 ツヨシだけは、最初から私にゾッコンだ。 もう、怖くなんか、ない。
「すぐ行きます」
麻衣が裏口から帰ったことを確かめてから、 階段を昇り、事務所に向かった。 ドアをノックしたが、返事がなかったので、 思い切って開けると、中は暗く、誰もいなかった。
「まさか」
私は急いで階段を降りて、キッチンに戻った。 電気の消えたキッチンのスイッチを入れると、 ぱっと明るくなった。 その瞬間、ありえない光景が広がっていた。
「そんな‥‥」
完成したチョコレートソースが床一杯にばらまかれていた。 ソースの入った容器が、無残にも転がっている。
「麻衣ね」
飛び出して出口のドアを開けたが、誰もいなかった。 闇の向こうに街灯がほのかに光っていた。
ライバル心と融合
5年前に麻衣に初めて会ってから、ライバル心をむき出しにされてきた。 好きな男も全て麻衣が奪っていく。 最初の洋菓子店で憧れのシラサカ先輩を ホテルに誘ったのも、麻衣だった。
ショックで落ち込んでいた時に同僚男性の優しさに惹かれたが、 その同僚も麻衣の毒牙にかかってしまった。
スタッフ10人の洋菓子店では、社内恋愛があっという間に広がる。 二股をかけた麻衣が悪いのに、なぜか私が悪者になってしまった。 麻衣の根回しが上手かったせいだ。
私は自主的に辞めた。負け犬になったつもりはない。 ただ運が悪かったと諦めて、再出発したのだ。
新しい店は代官山の一等地で、ウェディングケーキ専門の店だった。 そこで私はこれまで以上にクオリティの高い修行を積んだ。 その甲斐があって2年後、私のオリジナルケーキが好評になり、 指名してくださるお客様も増えた。
毎日が充実していた。 でもこともあろうか、麻衣がこの店に転職してきたのだ。 麻衣は私を抜いてトップパティシエンヌに登りつめた。 しかも私のケーキのファンで 憧れの起業家男性が麻衣の恋人になった。
店で連続したトラブルが起こり、不穏な空気が流れる。
「前の店と同じ状況。どうしたらいいの」
窮地に立たされた私は、前の店のシラサカ先輩を訪ねた。 すぐに事情を飲み込んだ先輩のアドバイスは、 予想外のものだった。
「麻衣の激しいライバル心は、綾香を好きだからだと思う。 同性愛とか、そんな類ではなく、追い越したい、 勝ちたいという気持ち。征服欲というより、 同一したいんだ。ケーキがカステラの部分と、 フルーツやソースと融合するようにね」
「融合…麻衣と私が?」
驚いたが、融合したいのなら、 良きライバルとして私が麻衣を認めればいいのだ。 気持ちを切り替えたら、周囲も私の変化に気づき、 少しずつ仕事で成果を出せるようになった。
一か月後に同じ系列の洋菓子店に異動になり、 そこでツヨシと知り合った。 麻衣が追いかけるように異動してきたが、 すでに今の店で私は実力を認められ、ツヨシとも順調だった。 さすがの麻衣も、私たちを邪魔することを諦めた。 ところが…
「こんな酷いことをするなんて。融合なんかじゃない。 麻衣は私を憎んでいる」
麻衣がわざとひっくり返したチョコレートソースで 汚れた床を掃除しながら、私は涙ぐんだ。 悔しさをコンテストに向けようと決意した。 だが麻衣はその日のうちに辞表を出して他の店に移った。
「元気がないよ。どうしたの」
ツヨシが耳たぶを口に含みながら、舌でゆっくり転がす。 いつもならすぐに濡れてしまうのに、今夜は体がだるい。 でもツヨシに触れていたい。そばにいてもらいたい。
「麻衣さんのこと、ショックかもしれないけど、 受けて立つしかないね」
他店で出場権を得た麻衣がスイーツコンテストに出場するという。 とうとう彼女と闘うのだ。
ツヨシが耳たぶから首筋、そして乳房へと唇を移しながら、 私を慰めてくれるのがわかる。 ツヨシはラブローションを優しい指使いで 腰から腿、足首に伸ばした。 トロッとした液体が浸透すると、じんわりと熱くなってくる。 それから一番敏感な部分を愛撫されると、中心から火照ってきた。
「あ、ああ」
潤ってくると、だんだん体が開いていく。 ツヨシの愛撫の全てが優しい。 愛されている気持ちが高まってくると、 ツヨシが「いい?」と聞いてくれた。 徐々にいつもの激しいツヨシの動きに合わせていく。 ふと、コンテストに出品するケーキのアイデアが閃いたとき、 世界がぱっと明るくなった。
ツヨシの腰の動きがさらに激しくなっていく。私はのけぞった。
「ツヨシ、ツヨシ」
頭が真っ白になりながら、ツヨシの名前を叫びながら、 ツヨシと共に果てた。
コンテスト会場は、テレビ番組を彷彿させるような キッチンスタジアム形式だった。 出場者4人ごとに争って、準決勝で4人。 最後に残った2人で決勝を争う。 予想通り、麻衣が決勝トーナメントに上がった。 もちろん私も。
再会した麻衣は、 これまで見たことのない敵意をむき出しにしていた。 ゴングの鐘が鳴って、キッチンに立った。 決勝のために用意していたオリジナルケーキに夢中になる。 麻衣にも誰にも負けないケーキだ。終了のゴングが鳴り響いた。
プレートにのせ、ポットで見えないように覆う。 審査員の前でポットを開いた瞬間、場内がどよめいた。 他の出場者が茶色をベースとしたチョコを使用する中、 ホワイトチョコだけでの真っ白なケーキを創ったのは私だけだった。
フルーツと飴細工を散りばめ、 ウェディングベールのイメージが広がるようなケーキ。 飴細工がきらきら光っていた。 麻衣からの奇妙なライバル心に動じることなど、もうない。 私は私のケーキを作るだけだから。
<恋のチョコレートケーキ 〜おわり〜>