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官能小説 夜明け前〜解放〜 2話
俺の作戦
葵はどんな気分で昨日の夜を過ごしただろうか。
そして、今日は…。
そんな気分を抱えつつ、翌日を過ごしていた。おはようメールと、仕事の合間に1通。2通送ったメールは、どちらも昨日のことには触れていない。葵からの返信も、いつも通り。
今のところ、作戦は順調。明日はまた、葵に会う。そのときに、昨日のローターと自分の全身を使って、葵を今までに経験したことのない快感へと導いていく。 そして、互いをちゃんと見ながらするセックスへの扉に手を伸ばしてもらう。…これが、俺の作戦だ。
葵なら、小さなきっかけさえあれば、解放される。俺は、そう確信していた。
あの夜から…。
消えてしまいそうな宝物
あの夜…、確か俺たちが肌を合わせるようになって、まだ数回というとき。
暗がりの中で、俺は少しずつ、葵の服を脱がせた。
全身があらわになると、ほとんど明かりがないにもかかわらず、葵はブランケットで体を隠した。
ブランケットの中でギュッと抱き付いてくる葵の小ささも、その心の震えも、すべてが愛おしかった。そして、底なしに、色気があった。
つかまえておかないと飛んで行ってしまいそうな、消えてしまいそうな宝物を、腕に抱いている気がした。飛んでいかないように、消えてしまわまいように…必死で撫で、舌を這わせたのを覚えている。
新しい決意
そのときの葵は、体全体が1つの楽器のようだった。指を這わせ、舌で濡らした部分が、その瞬間に深く響く。その響きが、口に伝わって吐息という音になる。
溢れ出る愛液も、吐息を滑らかに甘くする大切なエッセンスだと思えるほど、全身が快感に響いていた。カーテンの隙間から入る光で、ふと葵の表情が見える。その瞬間、俺の中に新しい決意の炎が生まれた。
(この炎で、葵のコンプレックスを燃やし尽くす)
あの夜の葵の甘く深い声と、肌の柔らかく吸い付くような感触、瞬間的に見えた切なさにしがみつくような表情。 それを思い出しただけで、俺の中心も、ゾクゾクと響き始めた…。
あらすじ
恋人のコンプレックスを燃やし尽くし、今までに経験したことのない快感へと導くために、ローターを使って作戦を考えた雄一。
雄一が恋人・葵にセックスへの扉へ手を伸ばしてもらいたいと思ったきっかけとは…