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官能小説 夜明け前〜解放〜 5話
快楽の壁を壊す
可憐な胸の先端を片手の指先で転がし、滑らかな葵の耳を口に含むうちに、もう一方の手の指と指の隙間からは、愛液が流れてくる。
その愛おしい液を舌ですくい取り、そのまま、クリトリスを口に含んで温めた。 口のすぐそばに添えるローターは、俺の唇と葵の敏感な粒を、同時に揺らす。 温められ、揺らされて充血した小さな粒は、俺の口の中で溶けていきそうだ。
「あぁぁ、だめ。雄君、離して。何か、おかしいよ」
葵は、自分の愛液で濡れた俺の指に手を添えながら、切なく訴えてくる。 口に押し付けてくる腰も、吐き出す息も声も…。すべて、激しく、同時に柔らかくなっていった。
「大丈夫。最後までいってごらん…」
と促した、その瞬間。
葵は、俺の頭を押さえながら、硬直して快楽の壁を壊した。
「ぁぁぁああああ。雄君」
今までで一番艶やかな声と、一番甘い息で、俺の前で初めて、上り詰めた。
幼稚な褒め言葉
温かい中心から口を離すと、葵の隣に横たわり、髪をなでる。
「すごい可愛かった。綺麗だった。めちゃめちゃ色っぽかった」
まるで気の利かない、幼稚な褒め言葉。
しかし、そのままの心を隠すことも飾ることもできなかった。
「体が…動かないよ…」
そう唇を震わせる葵の背中に手を回して、思い切り抱きしめる。
「俺、嬉しい。葵に、こうやって自分を解放してほしかった。葵は嫌いっていうけど、胸だってウエストだって、本当に可愛いんだよ。こうやって解放されると、もっと可愛い…」
声と視線
葵の全部が、全部を…守りたくて、壊れるギリギリまで強く抱きしめたくて、さらに腕に力を入れようとした瞬間、俺の胸から、葵が顔を離した。
「ねぇ」
うっすらとした明かりの中で、視線がとろりと流れ込んでくる。俺は、目で返事をした。
「ほしいの」
今度は耳に、思いがけない言葉が流れ込んだ。
口が言っているのか、目が言っているのか、両方で言っているのか…。
今の今まで葵を抱きしめていたはずの俺が、葵の声と視線に、抱きしめられていく。
あらすじ
雄一は、コンプレックスが原因でセックスを心から楽しむことができなかった恋人・葵のセックスに対する気持ちを開放してあげるために、ローターを使った作戦を実行した。
愛液が溢れ出す彼女の快楽の壁を、壊していく…