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官能小説 夜明け前〜解放〜 1話


明るいのは苦手

(見られたくないの。胸、小さいし。くびれ、ないし)
1か月前、付き合い始めた頃の葵の声が、頭から離れない。

恋人の藤村葵は、セックスの最中に、必ず照明を落とす。過去の恋人にも、体をはっきりと見せたことがないのだという。

イベント会社で働く俺、真田雄一。俺が29歳。葵が24歳。

でもベッドの上では、葵はもっと年下に見える。彼女が気にする幼児体型のせいではない。ただ、不安で震える少女のようだから…。

(スタイルなんて、どうでもいいのに。互いを見て抱き合う幸せを、教えてあげたい…)

そう思って考えた作戦を、改めて心に確かめて、仕事帰り、葵のアパートへと急いだ。バッグの中にある“あれ”を感じながら…。

振動する“あれ”

「お、ロールキャベツじゃん」と、葵の腰を後ろから抱き、キスをする。

少しの雑談の後、葵は「今日は、仕事どうだった?」と訊ねた。その瞬間、俺は、後ろから抱きついたままバッグから取り出して握っていた“あれ”のスイッチを入れた。

葵の脇腹のあたり、俺の手の中で振動する“あれ”、ローター。瞬間、葵は硬直した。

俺の手元を見て、「無理、無理」と訴える。「ダメ。続けて」と料理を促して、俺は耳に舌を這わせた。 葵の体から、徐々に力が抜けていく…。俺はローターを少しずつ上に動かした。

「ん…ああ」

柔らかい胸のあいだをローターが通り過ぎるとき、葵の息に声が混じった。

(愛おしい。可愛い)

そんな純粋な想いを、「ね、気持ちいいだろ?」と言葉に変えて、俺は、舌とローターで恋しい耳たぶを挟み、舐めあげた。

作戦成功

服の上を這うローターが腰に近づくと、葵は「ねぇ…」と振り返る。

「ダメだ。今日はここまで」

俺は、葵にも自分自身にも宣言した。今夜は、ここまでで帰ると決めている。

食事を終えて、帰り際のキスは、互いの舌先が何本にも分かれているように甘くて、激しかった。苦しいほどのキスを思い出しながら、帰り道、「ひとまず、作戦の滑り出しは、成功」と、口の中で呟いた。

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