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官能小説 甘恋レッスン 2話
ファーストキス
投げ出したりなんかしない――そう宣言していた奈央だったが、徐々に距離を詰めてくる亮平を前に、せっかくの決心が揺らいでしまう。
明日が土曜日とはいえ、奈央は夜中にもかかわらず酔った勢いで亮平のマンションにきていた。居酒屋から帰り道まで、楽しく談笑していたことがうそのように、部屋のドアを閉めた途端、彼は豹変したのである。
それまで紳士的だった亮平が突然、野性的な動作で壁に奈央を押しつけてきた。
両手を頭の横に縫い止められ、呼気が混じり合うぐらい近くに顔を寄せられて、奈央の心臓はばくばくと鼓動を速めていく。

鋭い亮平の目に射貫かれそうになり、奈央の顔は自然と赤く染まった。
けれど亮平の口から紡がれたのは、実に色気のない一言だった。
「奈央、まさかファーストキスもまだじゃないよな?」
「――――」
しばらくぽかんとしていた奈央だったが、すぐにむっと眉根を寄せた。
「なっ……そ、それはさすがに……っ」
「いつ?」
「え?」
素早い亮平の応対に、奈央は戸惑う。 亮平は若干、イライラした様子でさらに問うてきた。
「いつだって聞いてんの」
「……セ、セクハラで訴えてやる」
いくら酔っているとはいえ、そんなプライベートすぎることまで亮平に話す必要はないと目をすがめる奈央に対して、亮平は大仰に溜息をついた。
「あのな、お前は俺に何を頼んだんだよ」
「!」
奈央ははっとして、羞恥に顔をうつむけた。
「……恋愛の、レッスンです」
最後は尻窄みになったが、きちんと認めた奈央。
亮平は気を取り直したように質問を続けてきた。
「で、相手は誰なわけ?」
「…亮平」
今度は奈央も素直になり、毅然と顔を上げたのだったが。
「はあ!?」
名指しされた当の亮平は、目を丸くしている。
奈央は当時の屈辱を思い出して、言葉を荒らげた。
「だって、幼稚園のときに私のファーストキスを奪ったじゃない!」
あれは四歳の頃。
公園の砂場で遊んでいた奈央に、亮平が突然、それも強引にキスしてきたのだ。
あまりの衝撃に抗えなかった奈央は、それから一度も忘れたことはない。
亮平もようやく思い出したのか、奈央の手首をつかむ手の力を少しだけ緩めた。
「……そういうのは、時効だろうが」
「そうなの!?」
脱力して言う亮平に、奈央はぎょっとする。
始まり
「しかしお前が未だにそれを引きずっていたとはな……つまり、まずはそこからか」
そう独りつぶやく亮平。
奈央はさらに驚いて大きく目をみはった。
「えっ、もしかして――キス、するの……?」
「いやなのか?」
じろりとにらむ亮平を前に、奈央は慌てて首を横に振る。
「い、いやじゃない、けど――」
一度しているのだから、二度も三度も同じだろう。けれど、そんな大事な行為を簡単にしてしまっていいものか? 奈央の中の疑問符が、亮平に肝心なことを聞いていない事実を思い出させた。
「りょ、亮平! か、彼女は……?」
「今はフリー」
動揺からどもった奈央に、亮平はあっさりと言う。
奈央は愕然とした。
「うそ!? 遊び人でプレイボーイで女にだらしないアンタが!?」
「……お前はそんな俺に何を頼んだんだよ」
イラだたしげに先ほどと同じような台詞を繰り返され、奈央は思わず縮こまった。
「す、すみません……」
亮平はまたもやおおげさに溜息をついたが、やはり気を取り直したかのように続けた。
「まあ、最初はモノで慣れることだな」
そう言って亮平は奈央を拘束していた手を片方だけ解くと、横の棚の引き出しを開けた。
「モノ……?」
きょとんとしながら亮平の手の動きを視線で追っていると、ややあって目の前に小さな物体が差し出される。全体的にピンク色をしたそれは、ボタンがついた長方形の部分と楕円形の部分に分かれており、両方は白いコードでつながっていた。
「それ、何?」
怪訝とする奈央に、亮平が眉をひそめる。
「ローターも知らないのかよ」
「き、聞いたことはあるけど……」
それがいわゆるラブグッズのひとつ、ピンクローターの実物であることを知り、奈央の頬が次第に上気していく。
「その様子じゃ、ひとりでしたこともないんだな?」
「なっ――あ、あ、あるわけないじゃない!」
顔をこれ以上ないぐらい真っ赤にして否定する奈央に、亮平は呆れるかと思いきや、ふっと表情を緩めた。
「……そんな奈央だから――なんだけどね」
それはささやくように小さな声だったから、奈央は聞き取れなかった。
「えっ、何?」
「なんでもねえよ」
しかし亮平はそっけなくそう告げると、ピンクローターの電源を入れた。すると楕円形の部分が、ジジジジっと振動し始める。
「いきなり人が相手だと緊張するから、これを口に当てて練習だ」
「……っ」
奈央はごくりと息を呑んだ。
「だ、だけど――」
「男慣れしたいんだろ?」
ためらいがちに口を開けば、すぐに亮平に諭される。
「はい……」
ローターより柔らかいモノ
奈央はしょぼんとして足元に視線を落とした。
そうだ、自分はもう男性にうとまれることがないようにしたいのだ。そのためにわざわざ幼馴染みにこんなことまでさせている。つまり亮平の行動は自分のためなのだと、奈央は胸中で思い直していた。
そんな奈央の心のうちを見透かしたように、亮平が口の端をにやりと持ち上げる。
「俺が教えてやるよ、奈央」
「亮平……? ――んぅ!?」
その声音がいつもとは違うような気がして顔を上げた奈央の口に、ピンクローターが押しつけられていた。しかもそれは、微弱な振動を続けている。
「りょっ……!」
ようやく発する声はしかし、震えて言葉にはならない。
口を開こうとすれば、すかさずそこにピンクローターを動かされる。
「んっ……むぅ……っ」
最初は異物感しかないローターの刺激だったが、それはだんだんと奈央の官能を呼び覚ましていく。唇を押さえつけられているだけなのに、なぜか下肢がじんと痺れてしまうのだ。このシチュエーションに興奮しているのかもしれない。
亮平はしばらく奈央の唇をローターで滑らせたあと、今度はゆっくりと口腔内に沈めていった。ぶるぶると震える先端が舌に当たり、奈央はびくんと身体を跳ねさせる。
「次は舌を使ってこれを舐めるんだ」
「む、無理ぃ……っ」
奈央は涙目になって首を横に振ったけれど、亮平は手を緩めようとはしない。それどころか、ローターをどんどん押し込んでくる。
「やれ」
亮平がそう命令した途端、口いっぱいに入れられたローターが、今度はブーンとうなり出す。亮平がスイッチを切り替えたらしい。
「ふっ……ぁ……!」
先ほどとは違う振動に戸惑いながらも、気づけば奈央は舌を動かしていた。舌先がローターの刺激でむずむずと甘く痺れ、動かさずにはいられなかったのだ。
「んっ……ふ、ぁ……っ」
奈央は必死でローターを舐めしゃぶった。
亮平の動きに従って、舌を絡ませる。すると唾液がどんどん溢れ、それは口の端からもこぼれ落ちた。
「やらしい顔だな」
亮平が目を細め、自身の上唇を舐める。奈央の頬に、さっと朱が走った。
「だ、だって――」
すると唐突に口からちゅぽんとローターが抜かれてしまう。亮平がいきなりコードを引っ張ったのだ。 つうっと唾液の糸を引いているローターを、亮平は己の口に押し当てた。その振動を楽しむかのように、舌を伸ばしてねっとりと舐め上げている。
「りょ、亮平……!?」
間接キス!?
と、子供じみた台詞を胸中で叫ぶ奈央の耳に、からんと乾いた音が聞こえた。
「?」
そちらに目を向ければ、廊下には今しがた亮平が舐めていたローターが転がっている。
「りょうへ……――んん!!」
不思議に思って目を上げた奈央は、息苦しさに喘いだ。 奈央の唇には、硬質なローターよりもずっと柔らかいものが押し当てられていたからだ。 亮平が、奈央にキスしていた。
あらすじ
夜中にも関わらず、酔った勢いで亮平のマンションに来てしまった奈央。
居酒屋から帰り道まで、楽しく談笑していたことがうそのように、部屋のドアを閉めた途端、彼は豹変したのである。
「いきなり人が相手だと緊張するから、これを口に当てて練習だ」
初めて見るピンク色のモノに奈央が戸惑っていると…。