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官能小説 もっとキスしたい…キス動画でいつもより激しくて気持ちいいキス


キス動画でこっそりお勉強

萌花と春人が付き合って三ヶ月が経った。

もともとキスがきっかけでお互いの思いを確かめ合い、付き合い始めただけあって、二人ともキスを楽しむことには積極的だった。
とくに萌花は、それまでキスは挨拶の延長線上にあるようなものとして考えていたこともあって、やり方やシチュエーションによっては愛撫以上の快感をもたらすことに、感動さえしていた。

最近、萌花はある動画をひそかによくチェックしていた。いろんなキスの仕方をストーリー仕立てで紹介していて、感情移入しながらさまざまなキスを覚えることができる「キス動画」だ。

(春人と一緒に見たいな)

そんな思いはあったが、キスの快感は愛撫以上だとわかってしまった今は、何だか恥ずかしくて言い出せなかった。キスの価値をよくわかっていないままだったら、きっと、もっと気軽に誘えたのだろうけれど。
その日、萌花は春人の家のPCでキス動画を見ていた。モニターに表示された時計は、金曜の夜九時を示していた。

官能小説挿絵:ベッドに横になってキスの動画を見ながら過ごす女性のイメージ画像

二人はお互いの家の合鍵を持っていて、週末にはどちらかの家に泊まることにしていた。お泊りセットや着替えなども、最低限のものは相手の家に置いている。だいたいいつも金曜の夜から日曜の夜まで一緒にいた。
春人からは夕方の時点ですでに「今日は少し遅くなりそうだから、先に家に入ってゆっくりしていて」とメッセージを受け取っていた。萌花は一人で外で夕食を済ませ、自分の家に帰るように春人の家を訪れたのだった。
シャワーを浴びてからスマホを見ると、「あと一時間ぐらいで帰る」とメッセージが来ていた。とくにやることもないのでPCを立ち上げ、いつも見るキス動画にアクセスした。春人の家のPCはほぼゲームとネット専用で、自由に使っていいと言われている。

動画を見始めて三十分もしないうちに眠くなってきた。今日は電車で一時間以上かかる取引先に行く用事があり、その関係で早起きしていた。

(ちょっとだけ横になろう)

そう思ってベッドに横たわった。ほんの少しだけ仮眠して、起きたらまた見ようと思い、PCはそのままにしておいた。

帰ってきた彼に突然……

どれぐらい経っただろうか。ドアが開いて春人が帰ってきた気配があった――気がする。起きないと、と思ったが、体が動かなかった。どうやら自分で考えていた以上に今日は疲れていたらしい。
意識がすっと沈んでいく。それからまたしばらく時間が経った。

自分のものではないくしゃみの音で、萌花は目を覚ました。電気は消えているが、部屋は暗くはない。PCのモニターがつけっぱなしだったからだ。
モニターの前には春人が座っていた。Tシャツに短パン姿で、首にタオルを巻いている。シャワーを浴びた後のようだ。萌花が目を覚まさなかったのは、春人がなるべく音を立てないよう気を使ってくれたからだろう。

「ごめんね、すっかり寝ちゃって。おかえ……」

体を起こしかけて、萌花は動きを止める。モニターにはあのキス動画が映っていた。春人が見ていたのだ。
春人がこちらを振り向いた。光源となっているモニターを背にしているので、表情はわからない。輪郭が浮かび上がり、目が光っていた。
春人は萌花に近づくと、肩を抱いてキスをした。

「んっ……」

一度は起き上がったのを、再び押し倒される。唇は重ね合わせたままだ。その隙間から、ねじり込むようにして舌が入ってきた。舌は萌花の舌を捕らえ、絡みつく。いつも以上に強引で、濃厚なキスだった。

キスでとろけそう

「ん、はあっ……はむ……っ」

苦しくて顔を背けても、また追われて唇をふさがれてしまう。そんなことが何度か繰り返された。
息をうまく吸えないせいか、それとも寝起きだからなのか、頭がぼーっとしてくる。金色の靄(もや)のような恍惚で満たされながらも、唇と舌、それに口の中が快感に対してどんどん敏感になり、わずかな動きにもとろけそうになってしまう。
春人の舌が浅いところにまで引き抜かれた。いったんキスが終わるのかと思ったが、そうではなく、歯茎を右へ、左へととゆっくり舐められた。

(あ、これ……「サーチングキス」だ)

さっきまで見ていたキス動画で紹介していた。歯茎を舐めるなんて発想がなかったので、どんな感触なんだろうとドキドキしてしまい、何度も見てしまった。

「はああっ……ふ」

口の中が性感の宝庫だということは、今までのキスで十分にわかっていたはずだったが、この気持ちよさは予想外だった。歯茎を優しく舐められるだけで、こんなにぞくぞくしてしまうなんて。
自分も同じように舐めようとする萌花を焦らすように、春人は舌を抜く。今度は下唇を甘噛みしながら、顔を軽く左右に振った。

「いろんなキス、したい」

(これは「スイングキス」……)

揺さぶられる感覚が、まるで翻弄されているようで気持ちいい。気がつくと、唇を動かすリズムに合わせて春人が下半身を押しつけていた。萌花も答えるようにして腰を擦りつけ、くねらせるように動かす。

「キス、覚えようとしてくれたんだ」

息を吸う合間に春人が囁いた。顔が熱くなる。あの動画を見られていたのは間違いないが、口に出されると恥ずかしい。

「うれしい。俺、キス好きだからさ。萌花といろんなキス、したい」

春人は萌花の頬を軽く押さえて、何度かプレッシャーキスをした。唇を合わせるだけのライトなキスだ。ほかの動きはないぶん、唇に全神経が集中する。

「んっ……んん……」

春人の唇がこんなに柔らかかったなんて。この柔らかい唇に、唇だけでなく首筋や胸やアソコにキスしてほしい欲望も湧いてくる。
春人は手早く萌花の部屋着を脱がせた。シンプルな綿のワンピースだから、手間はかからない。ブラはつけておらず、パンティを一枚履いているだけだった。
春人もすぐに全裸になる。今までのキスで股間が反り返るほどになっていて、先端にうっすらと透明な液体が溜まっているのも見えた。

最後に春人が萌花のパンティーを脱がせ、二人はまったくの全裸になった。

翻弄されて、ひとつになって

覆いかぶさってきた春人は、萌花の手首を押さえつけてまたキスをする。

「ん、ちゅ、ふう……っ」

舌を吸い込む「オブラートキス」だった。包まれてとろけるようになる心地は、癒しと興奮という矛盾するものを二つとも内包している。

足の付け根に、硬いものがあてがわれた。その先端が花びらに触れただけで、十分濡れていることがわかった。

「挿れるよ」

萌花がうなずくと、ぐっ、ぐっ……と春人自身が侵入してきた。膣の中の襞がざわめき、快感を最大限感じようとスタンバイしているのがわかる。

そんな体だからこそ、全部入ったときの喜びはひとしおだった。その部分から、内臓全体がぽーっと熱を持ち始めた気がした。

「あっ、あああ……っ」

「やっぱり萌花のここ……最高。もう離れられないよ」

唇を包み込まれるような「バインドキス」をされる。そこからさらに唇をこすりつけ合ったり、舌先で唇を舐め合ったりした。

キスをしながら、春人は下半身を動かした。キスで優しく翻弄されて、下を激しく突かれて……萌花は絶頂に至った。

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あらすじ

三か月が経ったある日。
萌花はキスに対して興味が強く、キス動画をよくチェックしていた。

この日も春人の家で一人、キス動画をみていると…

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