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官能小説 彼女を震わせるモノ 2話

彼の想い

少し悲しそうな表情を隠そうと無理に微笑んでいる七緒をリビングに置いて、オレは逃げるようにバスルームに入った。
コックを捻ってシャワーを出して、それを頭から被りながら反省する。

失敗した。

何でオレ、後もうちょっと我慢できなかった?

腕の中に強く抱いた七緒の、初めて本能で出した小さな喘ぎ声が可愛くて、襲うようにやってきた快楽を制御しきれず、

『あ、駄目だ、――――――イク』

射精を示すセリフがオレの口を突いた瞬間、七緒の目が僅かに見開かれた。
あれは間違いなく、もうちょっとだったのにって、隠せなかった本音だと思う。

付き合いが長くなって、セックスでももっとお互いを出すようになれば、

'待って、もうちょっとだから'

そう言って引き止めたりする事も、二人でする行為の醍醐味だ。



――――――否。

ごめん、嘘。

あの時、



『ゃ、あ、ぁぁッ、――――――あき、く』

オレが射精く切っ掛けとなったあの七緒の声は、はっきり言ってオレの理性を炸裂させた。

多分あれが、オレとしたセックスで、初めて抗えずに出した声。
どうしようもなく抑えきれなくて、思わず出してしまったって感じの声だ。

絶対、上りかけてた筈なのに、

七緒が出したあの声があまりにも可愛すぎて、全然制御出来ずに一人でイっちゃったオレは、例え七緒が'待って'と懇願しても、待てなかった気がする。

・・・って言うか、そんなセリフを七緒から貰ったら、もう瞬間で爆発するかも。



「・・・ちくしょう」

オレの傍で笑う度に、いつもほんのりと七緒から香ってくるシャンプーを、ワシワシと頭に擦りつけて泡立てる。
七緒が懇願するシーンの想像と、甘いその香りで半勃ちになったムスコに、今夜、もう一度出番が許されるのかどうか、意気込む事が出来ない現実がかなり情けなかった。



――――――
―――――

七緒

エロい大人の官能小説1

七緒を初めて見たのは、約一年前の、とある合コンの席だった。

と言っても、七緒とその親友の夏芽が、女二人、全く関係ない別の客として隣の席に座っていたというだけの事。

あの時の合コンメンバーは男女共に半分がヤリ目で、当時彼女がいなかったオレは人数合わせ。
洋風居酒屋というお洒落な看板の店だったけど、とにかく騒がしいのがデフォルトで、テーブルの一番端っこの席、つまり七緒となっちゃんの席に一番近い場所にいたオレは、聞き耳を立てれば二人の会話が拾えてしまう程に、誰もが大声で話さないと全く会話が成り立たない感じだった。

『一日早いけど、お誕生日おめでとう、なな』

そう言ったのは夏芽。

ナチュラルメイクの勝ち気そうな美人顔に見覚えがあったから直ぐに同じ大学の子だと気が付いた。
いつも同じ男と一緒で、接点は選択科目が一つか二つ重なっているというくらいだ。

そして、もう一人の方が――――――、

『開けてみてよ、なな』

『うん――――――』

嬉しそうに微笑みながら、プレゼントを受け取った七緒が包装紙を開いていく様子を視界の端に見て、明日誕生日なんだ・・・と思った事を切っ掛けに、何となく存在が気に留まる。
肩を過ぎた黒髪がサラサラと頬の傍に流れて、それをキュッと耳にかける仕草にドキッとした。
色が白いから、耳たぶに光る金色の小さなピアスがキラリと映えて、テーブルの下に綺麗に揃えられた足も、その先の真面目そうなローヒールも、凄く印象的に目に映る。

――――――なな。

心の中で呼んだつもりだったのに、
あの時、神憑り的なタイミングで顔を真っ赤にした七緒はオレの方に目を向けて、

そして、桜色の綺麗な唇が、何かを言いたそうに微かに震えたんだ。

魅了されて、思わず立ち上がりそうになっていたオレの腕を、

『おい、亜希』

隣に座っていた悪友が強く引っ張って、

『バカお前、他のテーブルの女に見惚れて雰囲気崩すなよ』

『・・・悪ぃ』

――――――あの時、あいつに諭されていなければ、七緒の'初めて'はオレのものだった筈だ。

今でも時々、恨みがましく思い出してしまう。

あの後、残していたレポートとか、ゼミの合宿とか、色々とスケジュールをこなしている内に三月はあっという間に終わって、三年の前期が始まった四月に、オレは漸く夏芽を見つけ出した。
胡散臭そうにオレを睨みつけていた夏芽を二日がかりで話を聞いてくれるように説得して、あの居酒屋で一緒だった'なな'ちゃんを紹介して欲しいと頼みこみ、そこで初めて、ちょっと前に同じ年の奴と付き合い始めたばかりという、オレにとってはタイミング最悪としか言いようが無い事実を告げられた。

その時に足された情報がこれ。

ななは七緒。
七緒が籍をおいていたのは短期大学部。
オレと同じ年。
で、三月で既に卒業済み。
彼氏は夏芽と同じ学部の奴らしく、卒業式での告白が切っ掛けで付き合い出したとか何とか。
しかも、この辺りで手堅くやっている中堅の不動産会社に事務職の正社員として採用されて、既に社会人生活をスタートしていた。

出遅れた事に地団駄を踏んで、しばらくは不貞腐れていたけれど、その後サークルの後輩に告白されて、オレはその彼女を盾に、

そうだ。
たかだか、一目見て気になっただけの女だろ。

――――――と。

どうにか自分を誤魔化した。
思い出は美化される事が多いから、あの喧騒激しかった店の中で、清楚に咲いていた七緒がちょっと珍しく目に映っただけなんだと全力で自分を騙し続け、

――――――気が付けば季節は夏。

本当に好かれているのかどうか女心を不安にさせていたらしいオレの態度にブチ切れた彼女から別れを告げられ、手を繋いでイチャイチャするリア充カップルをマジで呪ってやりたいなんて人生初の衝動に駆られていたある日の事。

'七、彼氏と別れたけど、――――――どうする?'

'紹介して!'

夏芽が持ってきた話に、パブロフの犬以上の反射で涎を垂らした。

'でも七、暫く恋愛は無理だと思うから、友達からでいいよね?'

'・・・え?'

'いいわよね?'

'――――――お、おう'

'ほんと見損なったわ、あいつ。まさか七を傷つけるなんて、この私がほんっと読み誤ったわ'

夏芽は、プライベートな事だからと詳しく話す事はしなかったけれど、友達の距離で探ってみた七緒の態度や表情から察するに、性の不一致かなと予想出来た。

だからこそ、なるべく男としての欲望を抑えて、友人として、七緒の日常の一つ一つを大事に扱って、

それから三カ月。
やっと七緒の眼差しに、オレに対する恋情が窺えるようになってきて、

'これが囲い込みね'

夏芽にはニヤリとされたけど、

'当然'

親指立てる手にグッと力が入る。

他の男と接触する機会を与えないように、毎週末も連休も、夏芽以外は全部オレとの用事で予定を埋めまくって、

そこはもう、
それはもう!

次の彼氏はオレしかいないよねって洗脳に近い。

『七緒が好きなんだ。オレと付き合ってよ』

『亜希君・・・』

『いいよね?ね?七緒』

手首を掴んで必死に詰め寄ったオレに、顔を真っ赤にして、小さく頷いた七緒の表情を、今でもはっきりと覚えている。

『七緒は?オレの事好き?』

『・・・好き、です・・・』

呟いた後、鎖骨まで真っ赤にして俯いた七緒を、本当はあの瞬間に、唇だって身体だって、隅から隅まで平らげたかった。

彼女の殻

エロい大人の官能小説2

そして付き合い始めて一月半。

耐えに耐えてから初めて七緒を抱いた時は、もう泣きそうなくらい幸せだった。

その一回目のセックスでは自分を保つので精一杯だったから、オレもあまり覚えてない。
それから数日後の二回目で、ちょっと落ち着いて七緒の反応を探り探り。

中より、クリトリスの方が好きらしい――――――というか、多分、クリでイッた経験しかないのかも知れないと推察した。
七緒にとって、多分イクって事はクリでの感覚なんだろう。

だから今日の三回目で、中に入れて擦りながら、さり気なく一緒にクリを押さえて擦れるあの体勢を選んでみた。
そこまでの読みは良かったのに、肝心のオレが耐えきれずに暴発するとか、

「あ〜、もう」

シャワールームを出て、タオルを棚から取り出して広げて頭から被り、洗面台の前に立った。

浸食してくる湯気の存在に曇りかけた鏡に映るオレの、この情けない顔。

「どうするかな・・・」

'まだイッてなかったでしょ?'

'そんな事、ないよ。気持ち良かった'

あの答えから察するに、七緒は多分、オレとのセックスで'イケなかった'自分を責めている。
夏芽が言っていた、'前の彼氏につけられた傷'って内容が、それで何となく想像出来た。

どんなにセックスに慣れている男も女も、精神面を含むコンディションの不調でイケない時がある事を、オレは経験で知っている。
けど、今の七緒にそれを説明して聞かせても、素直に飲み込む余裕は無さそうだ。

「イケないんじゃないだよな、多分」

男とのセックスで、イッた事がないんだ。

時々、オーガズムに慣れていない女が口に出す'怖い'というセリフは、無意識の本音なんだと思う。

どうなってしまうか分からない。

それを一緒にいるこの相手に全て託していいのかどうか、イク姿を無防備に晒すのは、女にとって信頼の証。
そして男は、自分の腕の中でピクピクと震える女を見ては、セックス以外の歓びも得る。

もちろん、イケるまで信頼を繋ぎながらセックスし続けられるかどうかも、ポイントだとは思うけれど。

「どうやって、七緒の殻を破るか――――――だよな・・・、ってか、寒い」

濡れたままの髪の先から水が垂れて肌を滑り、その冷たさに我に返ると、さすがに寒さを感じてしまう。
タオルで頭を拭いながら、鏡の前に並ぶヘアムースや基礎化粧品とかを何気なしに視線でなぞって――――――、



「・・・え?」



それを目にした時、最初は幻かと思った。

あまりにも有名過ぎる、丁寧に折り畳まれた白いティッシュ座布団にコロンと座した、そのピンク色の物体。



「・・・――――――ふうん?」

鏡の中の自分に、何度も冷静になるように言い聞かせる。
それでも、これを使って大好きな七緒がどんな風に自分に縋ってくるかを想像するだけで、

「やべ」

心も体も昂ってくるのは仕方ないと開き直った。

【NEXT】亜希が発見したもの、それは…?(彼女を震わせるモノ 3話)

あらすじ

七緒が亜希とのセックスでイケない事実を知った亜希。
悲しいのに無理に笑おうとする七緒をリビングにおいて逃げるようにバスルームへ。
亜希はシャワーを浴びながら七緒と出会った日の過去や慣れ染めを回想する。
そして…

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