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官能小説 彼女を震わせるモノ 3話
不安の正体
――――――あれ?
ふと、何かを忘れているような不安に駆られて、パジャマに着替えた後にぼんやりと視聴していたTVから目をはなし、亜希君が現在進行形で使用中のバスルームへと続くドアを振り返った。
何となく、その不安が形になりかけた時、
「――――――七緒? どした?」
開けられたドアから出てきたのは、ほんのりとした湯気に包まれた亜希君で、
「・・・あ、亜希君、そんな恰好じゃ、風邪ひいちゃう」
手に持ったタオルで首の後ろを拭きながらこちらへと向かってくる彼が着ているのは、何故かパンツ一枚。
猫の足跡模様が可愛いカラフルなボクサーパンツを見て、こんなところまでお洒落なんだと感心したのは一瞬、さっきまではセックスをしていた相手なのに、それ以上は直視する事が出来ず、思わず俯く事で目を逸らしてしまう。
「暖房効いてるから大丈夫だよ。それに――――――また七緒にあっためてもらうから」
「――――――え?」
不意に、声が近くなった気がして顔を上げた瞬間にはもう、私の唇は亜希君のそれで塞がれていた。
チュ、チュ・・・と、数えたくなるようなリズムで私の唇に吸い付いてくるような亜希君のキス。
角度を変えて上唇と下唇を交互に濡らすようにしながら吸い続けるそのキスは、いつも私の背筋を痺れさせる。
頬に優しく添えられていた手が、次第に後頭部へと移っていて、
「ん、・・・ぁ、」
亜希君の唇と重なり、右へ傾き左へ傾き、そうして動く度に生じるあちこちの隙間から、意図せず私の声が漏れた。
胸を押して距離を取りたいのに、頭はしっかりと固定され、もう片方の腕で引き寄せられた腰はピクリとも動かせない。
「・・・ふ、・・・ぁ」
息が、続かない――――――・・・、
理性がそう悲鳴を上げて、クラリと、眩暈のような感覚が襲ってきたタイミングで、漸く亜希君の唇が離れた。

「・・・可愛い顔」
悪戯っぽく笑った亜希君が、潤んだ私の視界の中で動き出す。
「抱っこさせて」
「――――――え?」
齎されたキスでふわふわと揺れてしまった世界の中で、気が付けば、背後からすっぽりと抱き締められていた。
両肘に当たるのは亜希君の足の膝部分。
右耳には、亜希君の唇から零れる少し早い呼吸が触れている。
項(うなじ)にかかる髪の毛は、亜希君の指によって胸の方へと流されて、髪のヴェールが開かれたそこに、亜希君がねっとりとキスをしているのが熱さで解った。
「あ・・・き、くん」
そんなところを、舐められるのが初めてで、身が縮まってしまいそうな感覚に腰が引けそうになる。
気持ちいいところ
「今日はさ」
亜希君が、囁くように言った。
「七緒が気持ちいいところ、探してみよっか」
「・・・え?」
問い返した瞬間、
「――――――えッ?」
私の右足が突然に持ち上げられて、亜希君の右膝に引っかけるように開かされて、更に右肘で動かないように固定してくる。
パジャマのズボンを穿いた私の足と、素足の亜希君の足の絡みが、何だか不思議な景色だった。
「や、・・・やめて・・・亜希くん・・・ッ」
ソファから滑って逃げ出そうとした私の腰を、亜希君の左腕がしっかりと掴む。
それに悲鳴を上げそうになっていると、ペロリと耳たぶを舐め上げられた。
「ぁ、・・・亜希、君・・・」
痺れのような感覚に負けないように、どうにか振り絞った呼びかけに、
「ん? なあに? 七緒」
いつもと同じ調子で返事をしてきた亜希君に、この先どんな言葉を選べばいいのか混乱してしまった。
すると、「――――――好きだよ、七緒」
笑いを含む言葉と同時に、亜希君の指先が、私の髪を撫でるように梳いた。
「誰かが話し出すと、真面目な顔で、真剣に耳を傾けるところとか」
「・・・」
「混んでるフードコートで席を譲る時は、実はお年寄りとか、子連れとか、そういう人達が近づいてきたタイミングを狙って立ってるところとか」
話ながらも、私の着ているパジャマのボタンを器用に外していく亜希君の手は、
「逆に、空いてる席を競う相手が迫力あるお姉さん達だった場合は、関わらないように方向転換して席を譲ったり」
何だか凄く、いつも以上に男の人のものに見えて――――――、
「けどショップとかでは、押しの強い店員(おねえさん)に強く薦められても、衝動買いは絶対にしないとことか」
眠るつもりでノーブラだったから、無防備に曝け出された私の胸の形を、その手がやわやわと揉んで変えてくる。
「マイペースで、結構強引なオレの事を、いつも優しく笑って受け入れてくれるとことか」
耳の中に、亜希君の唇が入って来たような気がした。
「――――――弱いんだか、強いんだか、見てていっつも興味を惹かれる。七緒はさ、まるで磁石みたいにオレの視線を誘うんだよ」
「・・・」
「そんな七緒が、オレは好き」
その響きに、
「ぁ・・・」
ゾクリと、体が反応した。
「例え七緒が、」
カチリ。
「どんなに――――――」
・・・・・・今の、
「どんなにエッチな女の子、でも――――――ね」
なんの、音・・・?と口を開きかけた瞬間、
―――――ブブヴ・・・、
「・・・え?」
ブブブ・・・、
聞き覚えがある音に、体が強張る。
――――――嘘・・・、
「いいもの見つけちゃった」
目の前で揺れているそのピンク色のモノに、私は愕然とした。
嘘、嘘、――――――嘘ッ!
心の中で、泣きたくなるくらいに叫んでしまう。昨日、洗面台で洗って、そのまま置きっぱなしだった。
私の馬鹿――――――!
全身から、一瞬で血の気が引いた気がする。
けれどその直後から私の全てを襲ったのは、燃えるような羞恥心だった。
「ゃだ」
目を閉じてローターから顔を逸らす。恥ずかしい。恥ずかし過ぎる。
こんなの、亜希君に見られちゃうなんて――――――。
1LDKのこの部屋に、他に逃げ場なんて無いんだけど、身体はここから消えてしまいたいとバタバタ動く。
それでも、亜希君に抑え込まれた体はピクリとも向きすら変えられずに、
「うわ、やばい。七緒の胸、真っピンク」
いつもより少し高く感じる亜希君の声と一緒に、震えるローターの音が大きくなったような気がした。
⇒【NEXT】ローターで責められる七緒は…(彼女を震わせるモノ 4話)
あらすじ
亜希がシャワーを浴びている間、七緒は何か忘れているような気がして不安を感じていた。
そこへやってきた亜希が手にしていたものは、七緒が洗ったまましまい忘れていたローターで…!?