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官能小説 先生とわたし 4話【LCスタイル】
優しい気遣い
里香がやっとの思いで最寄り駅までたどり着くと、そこには先生の姿があった。
「望月、何ともない……わけないな。とりあえず落ち合えてよかった」
理由を聞くでもなく、ただ里香が怪我や病気ではなく、無事駅にたどり着いたことに、先生は安心してくれていたようだった。
「先生……私、私……」
「今はなにも言わなくていい。とりあえず、俺のうちまで来るか」
電話で里香に告げた『うちにおいで』という言葉は嘘ではなかったらしく、先生は答えを聞かずに優しく里香の手を引いて歩き出した。
「望月は、俺のうち知ってたっけ?」
「いいえ……私とは違う駅だってことぐらいしか」
涙声で答えを返す里香を見かねてか、先生はポケットからティッシュを取り出し里香の空いている方の手に握らせる。いつまでも泣いていても仕方ないから、涙と、ついでに鼻水を拭けということらしい。里香は先生のいかにも先生らしい態度が少し面白く感じたが、ここは素直に涙と鼻水を拭いた。
「ははっ。望月、化粧ほとんど取れてるぞ」
「……だって、今まで泣いてたんですよ」
「だよな。じゃあ、ティッシュのおまけにこれもやるから、その顔少しでも隠してなよ」
そう言って先生がカバンから取り出したのは、不織布でできたマスクだった。まったく、先生はどこまでも用意がよく、優しい。里香はマスクを受け取ると、まだ鼻の奥に残る鼻水をすすりながら顔を白い不織布で隠した。
「うん、これで大丈夫だ。本当はメガネでも持っていればよかったんだけどな」
「そこまでしてもらわなくても大丈夫です。先生って、結構お節介だったんですね」
「お節介なのは望月たちの英語の授業を受け持っていたときから変わらないさ。英語に対して苦手意識を持ってもらいたくなくて、たくさん宿題を出したの、覚えてるだろ?」
あまり里香の顔を見ずに改札へ向かって歩いていく先生は、わざと高校時代の話をする。里香はそれが、先生なりの気遣いなのだと分かっていたから、悲しみを押し殺し、話題に乗って極力明るく振る舞うように努力した。
「あの宿題の量、逆に英語が嫌いになっちゃう生徒もいたんじゃないですかね」
「ははっ。だよなあ。だから最近は宿題の量、減らしてるんだよ。……あ、改札こっちだったよな。入ろう」
先生は里香の方を一切見ようとせずに、ICカードをかざして改札をくぐった。怒っているのだろうか、と里香は不安になったが、手を引かれて彼女も改札をくぐり、ホームまで続く階段を降りる。
電車はちょうどホームに入ってきており、二人は慌ててそれに乗り込んだ。先生の家の最寄りまでは、二駅。
その二駅の間を、二人はなにも話さずに過ごした。
その背中に手をまわして
先生の家は駅から徒歩五分ほどのマンションだった。玄関の鍵を開けて中に入ると、そこはモデルルームのようにこざっぱりした部屋で、ここで人が暮らしているとは到底思えないシンプルさに里香は驚いた。
「先生のお家って、綺麗ですね」
「見える部分だけ綺麗にしてるだけだよ。いつでも泣いてる元教え子を助けられるように、ね」
「……冗談にしてはひどいです」
少しむくれた里香に対して、先生はそれまでの神妙さを忘れて快活に笑った。
「望月、やっと表情を見せてくれたな」
「えっ」
「……よかった。さっきまで、自分を殺すみたいに悲しくてたまらない表情をしていたから。そんな風に俺に怒れるなら、もう大丈夫だ」
今まで里香の方を見ようとしなかった先生が、今はまっすぐに里香を見つめている。さっきまで彼女を見ようとしなかったのは、彼なりの優しさだったと気づき里香はそれだけでまた泣きそうになった。
「先生……ありがとうございます」
「いや、何てことないさ。電話口で望月が泣いてるってわかった時は驚いたけど……でも、落ち着いたみたいでよかった。もしよかったら、何があったか話してくれないか」
里香は促されるまま、今日あったことを話した。最初はぽつりぽつりとした断片的な言葉だったのが、話し始めるととめどなく感情が溢れてきて、最終的に彼女はまた泣いてしまった。
「……そうか。それは辛かったな。そんな時に、俺に電話してきてくれてありがとう」
「ありがとう、なんてそんな……」
感謝するのは私の方です、と里香が言おうとした瞬間、彼女は体を大きな手に引き寄せられてバランスを崩した。そのまま先生の胸板に頭を預けてしまう格好になり、何も言えなくなる。
「今俺ができることは、望月をこうやって抱きしめることぐらいだ。迷惑じゃなければ、俺の背中に手を回してくれないか」

里香は生唾をごくりと飲み込んだ。ここで先生の背中に触れていいのだろうか。少しだけ迷って、迷った挙句に勇気を振り絞って彼の背中に手を回した。
(あのマンションに戻ることは、きっともうないから)
里香は自分のマンションにいた彼──いや、もう元彼と呼んでも差し支えないだろう──と見知らぬ女の間抜けな顔を思い出しては、頭を振ってその姿を忘れようとした。
今里香の目の前にいるのは、憧れ慕っていた青木先生だ。
先生とこんな関係になれるなんて、喜んでいいのかどうか、彼女は少しだけ戸惑ってもいた。
「なあ……よかったら、ベッドに……あ、いや……。俺、泣いてる女の子につけ込むなんて、最低だな……」
誘いとしかとれないような言葉に、里香は背中に回した手に力を込めた。
「最低じゃないです。私……嬉しい」
そうしてベッドルームに移動した里香たちは、ベッドの端に腰掛けた。
こころあらわに
ベッドに、と思わぬ本音を聞いた里香は、今度は自分から彼に抱きついた。これが何かの気まぐれで、一晩限りの関係だったとしても構わないと思っていた。
しっかりと抱きしめあったあとに、額同士をくっつける。
「先生、いいの……?」
「ああ、いいよ。望月が俺を求めてくれるなら、いつだって俺は応じるさ」
さっき先生は自分で自分を『最低だ』と評したからだろうか。里香を求める声音をトーンダウンさせて、主導権を里香に移そうとしていた。そんな先生の姿が可愛くもあり、いじらしくもあり、里香は意地悪く『消極的な答えじゃイヤ』と言ってしまった。
それには先生も困った顔をして、でも答えの代わりに里香にキスを落とした。
「ん……ちゅっ……は……うぅ、ん……」
いきなり降ってきた大人のキスに、思わず里香は甘い声を漏らした。

「ん……先生が恋人だったら、よかったのに。そしたら……」
そしたら、の次の言葉を探しているうちに、二人はもう一度キスをした。絡み合う舌が互いの体温を伝え合って、今二人共がドキドキしていることがわかってしまった。
「俺も……思ってるよ。里香が俺の恋人だったら嬉しいって」
望月という呼び方から里香という呼び方へ、里香からは先生という呼び方から優さんへ、と呼び方を変えた二人は、関係性をも変えようとしていた。
ただの先生と教え子から、かけがえのない恋人へと。
ベッドに押し倒された里香は、首筋に優しくキスする優の愛を感じて身悶えし、息の中にかすかに感じる声を混じらせた。
「里香、もっと声出していいよ。聞かせてよ、里香の声」
今里香を抱いていることが夢ではないと知りたいという優の願いに応えるように、里香は嬌声を上げる。自分のその声が耳に伝わると、里香自身もこれが夢ではないと自覚するようになった。
里香の声が甘くなったことに気を良くした優が、彼女の着ているシャツのボタンを外していく。
下着も取り払われ、あらわになった白い乳房は、優に触れられるのを待ちきれずにピンク色の先端がツンと勃ち上がっていた。
あらすじ
彼の浮気現場に遭遇してしまった里香は青木先生に助けを求め、
その日は先生の家に行くことに…。
青木先生の家の最寄り駅までたどり着くと、
先生は涙ながらに事情を話そうとする里香をそれ以上詮索しなかった。
電話で里香に告げた『うちにおいで』という言葉は嘘ではなかったらしく、
先生は優しく傷ついた里香の手を引いて歩きだした…。
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