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官能小説 恋のチカラ 5話 (好きな人との再会)
元恋人からの連絡
ひとり暮らしを始めてから、3ヶ月が経った。
家事も、完璧とはまだまだ言えないが、だいぶ慣れてきた。
そんなときだった。賢作から連絡があったのは。
「何だか後味悪い別れ方をしてしまったから…もし和葉が嫌じゃなかったら、もう一度会って、きちんと話したいなと思って」
賢作はメールではなく電話で、そんな風に告げてきた。
週末の夜に家に行くことを約束して、和葉は電話を切った。
変わっていない部屋と変わった自分
「久しぶり」
「…久しぶり」
約4ヵ月ぶりに会った賢作は以前より少し痩せていた。
和葉がいきいきと挨拶したのに対して、賢作のほうは少し気おくれしているようにも見えた。
部屋に入ってみると、以前来ていた頃とは印象がまるで違っていた。
部屋自体は何も変わっていない。
和葉があの頃よりもずっとたくさんのことに気が付けるようになったのだ。
換気扇や流し台の汚れ、食器の片付け方に無駄があること、部屋の隅に溜まったホコリ…。
和葉はくつろぐのもそこそこに、部屋の掃除をし、それから冷蔵庫の余り物で簡単な料理を作ることにした。
「大事な話は、おいしいものを食べながらしよ」
テキパキと具材を切る和葉に、賢作は目を丸くしていた。
好きな人との再会
野菜の水切りをしていた和葉は突然、後ろから抱きすくめられた。
「和葉…」
耳もとで名前を囁かれる。
「…変わったな、お前」
一度は閉じこめた気持ちが、溢れ出してきた。
もう忘れていたと思っていた感情が。
家事をテキパキとこなしていたのも、賢作の気を引くのが目的ではなく、今までのお礼とお詫びのつもりだった。
だけど…もうダメだった。
「賢ちゃん…私、変われたかな」
涙が流れて頬を伝う。
私、やっぱりこの人が好きだ。
「うん、変わった」
賢作は和葉の顎をそっとつかむと、唇を重ねた。