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官能小説 二度目の恋に落ちたから 4話
初めてのラブグッズ
可奈から送られてきたもの、それは、ピンクローターだった。名前にたがわないピンクだが、どぎつい色ではない。パステルカラーの優しい色合いだった。説明書はなかったが、単純な構造だったので使い方はすぐにわかった。
添付の電池を入れて、スイッチをオンにする。細やかな振動が指に伝わってきた。
(気持ちよさそう)
とっさにそう思ってしまったことは、進歩だと受け止めたかった。と、メールの着信音がした。スマホを取ってみると、可奈からだった。
『オモチャでも、自分以外には変わりないからね。これでいっぱい一人エッチして、触られることに慣れればいいよ』
お風呂に入って体をきれいにしてからベッドに横たわり、改めてローターを手に取った。ローションで一人エッチしたときよりも、いくらか心に余裕がある。
『最初は触れるか触れないかぐらいのギリギリのところで、体を撫でるようにするといいよ』
と可奈が書いていたアドバイスを思い出す。
いちばん弱い振動にして、首筋から胸にかけてそっと移動させていった。
「あっ……ん」
人ではあり得ない動きなのに、どうしてか良に触られているような気分になる。
(ダメ……胸だけじゃもう我慢できないよ)
蓉子はローターを下半身に当てた。最初は内腿に当て、体を刺激に多少慣れさせてから、アソコの割れ目をそっとなぞった。防水性なので、汚れたら洗えばいい。
「あんんっ」
小さなローターが花びらをそっとかき分けていく様子が目に浮かぶ。中の襞がひく、ひくと震えて、気を抜いたらローターを飲みこんでしまうのではないかと思った。
「あふんっ!」
振動がクリトリスに行き着いた。当たったのはほんの先端だけだったのに、背筋が反り返るほどの快感だった。
(あああ、こんなの……すぐにイッてしまいそう……)
いつもの一人エッチとは比べものにならない熱量と速さで、興奮が膨れ上がる。頭の中にぼんやり浮かんでいた良のイメージが、より明確になった。
――「蓉子さんのココ、硬くなって……僕のに当たってる」
春の日差しのような穏やかな笑顔とは不似合いに、硬く大きくなった良自身の先端で、クリトリスを何度も繰り返しこすられる。
(そこ……気持ちいいの。そんなに……攻められたら……っ)
「良……さんっ」
蓉子は絶頂を迎えると同時に良の名を口にした。
「はあ、はあ……」
終わった後も、蓉子はローターを軽く握ったまましばらく呆然としていた。これまでに味わったことのない種類の快感は、余韻まで心地よかった。自分の指ではないモノでイッたのは初めてだったことも、感動を大きくしている。
(いつか高畑さんともこういうことができたらいいな)
この快感は生身の相手とのセックスとは別ものだろうけれど、
(二人でいろんなことに挑戦していくのも面白いのかも……。って、私、まだ付き合ってもいないのに何てことを考えているの)
蓉子は一人で頬を赤くした。
広がる妄想
翌々日、日下が料理教室にやって来た。打ち合わせした通り、蓉子は書籍掲載用の料理をつくって日下に見せた。できあがった何皿かを大きなテーブルに並べると、蓉子は手を後ろに引っこめようとした。
「あ、ちょっと待って」
カメラを構えていた日下が、すかさず蓉子の手を取る。
「えっ」

蓉子は驚いて日下を見つめた。二人の視線が交錯した。
「すみません、突然」
日下は手を緩めず、余裕を感じさせる微笑を浮かべただけだった。
「料理する人って、手がきれいですよね。だから料理と一緒に斉木さんの手を一緒に写しても雰囲気が出るかなって」
「えっ、そうですか……ね」
(日下さんの手、大きくて熱い……でも指は意外と細くて)
ふと、こんな手で体の隅々まで愛撫されたらどんなふうに感じるだろうと考えてしまう。日下の指先が背筋を這い、腰を撫でる。それから割れ目に伸びて、花びらが少しずつ開いていく……。
ほんの少し指が躍っただけで、すぐにイってしまいそう。でも、一度イってもすぐにまたイケる。何度でもイカせてほしい――。
(ダメよ、こんなことを考えたら)
そうだ、日下はただの仕事相手。もっとしっかりしなければ。
「ここに指を添えてもらえますか」
「こ、これでいいですか」
導くように、日下は蓉子の指を取ってお皿の縁に触れさせた。
――ほら、自分で触ってみるんだ。濡れてとろけているのがわかるだろう?
日下の声が勝手に頭の中に響く。
(だあああっ! 私、仕事に集中!)
蓉子は自分を叱咤した。
ライバル?
永遠に続くかと思われた日下との時間が、やっと終わった。
学校長にも挨拶をして、日下は帰っていった。
日下がいなくなってから、蓉子の心に訪れたのは罪悪感だった。
(私、高畑さんのことが好きなのに……日下さんともイケナイことを考えてしまった……)
良を裏切ってしまったようなつらさが、胸の内に広がる。
(私って、自分で思っているよりも浮気性なのかな、ひょっとして……)
恋をしたら絶対に一途に相手を思い続けてみせるという自負がどこかにあったけれど、自分を買いかぶっていただけだったかもしれない。
その日の夜、蓉子にとってさらにショックな事件が起こった。教室の終了後、器具の片づけをしていると良が話しかけてきた。ほかの生徒たちは次々教室を出ていくのに、良だけはそれに逆流する形だった。
「この間はどうもありがとうございました」
あの日の食事以来、メールでお礼のやりとりなどはしていたものの、二人で直接こうやって向き合うのは初めてだった。
「こちらこそ、ごちそうさまでした」
蓉子のほうも、片づけのきりのいいところで良に礼を言いに行くつもりだった。
「すいません、僕、斉木さんに気を遣わせてしまいましたよね」
「そ、そんなことないですよ」
焦りが表に出ないように気を張る。
「帰ってから、僕、いっぱいいっぱいだったなって気づいたんです。そういうのって、一緒にいる人にも伝わるだろうし、もっとまわりを見られる余裕を身につけないといけないなと反省しました」
「まわり?」
ぎくりとした。
「ええ。もっといろんな人やことに目を向けて、自分を磨こうと思います」
「いろんな、人……」
それってつまり――。
(私があまりにも脈がないから、ほかにも目を向けるつもりだってこと――!?)
せめて午前中の日下との一件がなければ、いくら恋愛経験の少ない蓉子でも早とちりにも程があると気づけただろう。しかしこのときの蓉子は勝手に焦り、勝手に勘違いしてしまった。
「高畑先生、何してるんですか? 早くお食事に行きましょ」
教室の出入り口から可憐な声が聞こえた。振り向くと、池田芽衣だった。
「ああ、池田先生」
良も芽衣のほうを向いて笑いかける。
「お話ししたと思いますけど、池田さんは予備校の同僚なんです」
「え、あ、ああ」
そういえば、この間の食事のときに良から聞いた。
「斉木先生、高畑さんは今夜、私と約束しているんです。悪いけど、お借りしますね」
芽衣は教室に入ってくると、大胆にも良の手を取った。
「さ、行きましょ、高畑せんせ」
甘えるような仕草で、そのまま引っぱっていく。
「斉木さん、すみません。またちゃんとお話しします」
芽衣に引っぱられながら、良はぺこりと頭を下げた。
(ひょっとして、彼女と高畑さんはもう……?)
蓉子は教室に一人、残された。
誘惑
居酒屋の個室で、芽衣は良にしなだれかかっていた。
「生徒のことで相談があるんです。よかったらお食事しながら聞いてもらえませんか」
そう誘ってセッティングした今日の食事だった。
「ごめんなさい。私、少し酔ってしまって……」
「い、いえ。大丈夫……ですか。お水、飲んでださい」
良は芽衣に水を勧める。
(バカ。抱き寄せてほしいのに……)
でも、芽衣は良のこんな生真面目なところが好きだ。遊び上手な男にはもう飽きた。
それにしても、事前にリサーチしてこのお店を選んでよかった、と内心でガッツポーズをする。
全室個室、そして席は横並び。こんなふうにイチャつくために設計されたとしか思えない内装だ。芽衣は甘えて、猫のように体をすりつけた。さらに上目づかいで窺う。この上目づかいで落ちなかった男はいない。
「高畑先生、私、もっとゆっくりできるところに行きたいな。できれば横になりたい」
良の手を取り、そっと胸に触らせる。いくら生真面目でカタブツでも、ここまですれば「今夜、いいんですよ」と伝わるだろう。
「ねえ……先生」
胸元で、良の手が固まっていた。
→NEXT⇒芽衣の誘惑に良の反応は…?二度目の恋に落ちたから 5話)
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あらすじ
可奈から送られてきたピンクローター。人生初のラブグッズを使いながら、良のことを思い浮かべて…。