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官能小説 二度目の恋に落ちたから 最終話


初めてのふれあい

ちゅ、ちゅっ……。

良は蓉子の胸元に、何度もキスの雨を降らせてくる。

「あ、あ……ん」

胸がだんだん張って大きくなってくるような感覚があった。胸の頂きがうずきながら盛り上がってくる。ブラのレースが薄くて透けているせいで、蓉子自身にもよく見えた。

「あ、や……恥ずかしい」

隠したかったが、手は良に押さえつけられたままだ。

「隠さないで。蓉子さんの体、隅々までいっぱい見たい」

蓉子を見つめる良のまなざしはいつも通りに優しかったが、その底には調理準備室で垣間見せた鈍い光も見え隠れしていた。

「おいしそうなカラダ……触るよ」

蓉子はこくんとうなずく。
良の手が両側から撫でるように両乳房に触れてきた。

「ふああ、あん……」

自分の乳房の重みを良の手を通して感じる。良の指の動きに合わせて、乳房は形を変えた。
(私、今、高畑さんに胸を揉まれてる……っ)
胸の、とくに頂きの感度がぐんぐん上がっていく。まわりの乳輪までほんのりと色づいて、ぷっくり膨らんできた。

「あん、あ……っ」

良の指がかするたび、いや、直接触れなくても感じてしまう。
良のことを考えながら、ローションをなじませた指やローターで愛撫したことを思い出した。
(いつの間にか感じやすいカラダになっていたんだ)

「蓉子さん、感じやすくてかわいい」

「か、かわいいとか……」

恥ずかしくて、顔がさらに熱くなる。
恥ずかしいけれど、嬉しかった。かわいいと言われたことも、良の愛撫に素直に反応できていることも。少しずつ、でも確実に体は変わっていたのだ。勇気を出して、いろんなことに挑戦したから叶ったことだった。
良が背中に手を回してきた。ブラのホックをはずそうとしている。

「ん、あれ?」

だが、うまくできないらしい。経験が少ないというのは嘘ではなかったのだろう。肝心なところで不器用な良がいとおしかった。

「こうするの」

蓉子は笑って自分でホックをはずした。白いレースが、花びらがふわりと舞うように体から離れる。紐を両肩から滑らせて脱ぎ、蓉子はブラを床にそっと落とした。

「蓉子さんの胸、すごくきれい」

紅色の宝石のように艶めいて硬くなった乳首に、良は挨拶のような軽いキスをした。

「んんあっ」

感度がすっかり上がりきっていたところに、良のキスは弱いしびれのような快感をもたらした。
その反応に興奮したのか、良は今度は激しくむしゃぶりついてくる。先ほどより強く胸を揉みながら、乳首を舌先で転がしたりつついたり、吸いついたりする。

「ああ、あ……っん、ダメ……」

言葉とは裏腹に、刺激を受けるたびに体の芯が疼き、蜜に似た質感のものが溢れ出した。
良の片手がパンティの中にするりと入り込んできた。

「ん……っ!」

ほとんど反射的に腰を引こうとしてしまったが、そうしなかったのは良の手つきにもまた多少の迷いがあることに気づいたからだ。
――気持ちよくなれることをこれから二人でいっぱい見つけていきましょう。
良はそう言ってくれた。もっと知りたい、見つけたい。どこをどうすれば、良と一緒に気持ちよくなれるのか。
蓉子は良の手を受け入れた。アンダーヘアに絡みついていた良の指は、蓉子の決意を受け取ったようにさらに奥まで伸びていく。

「蓉子さん……ここ、もうグショグショだね」

指先が蜜の源に触れた。
「あふぅんっ……」たまらず蓉子は良にしがみつく。

「そんな反応されたら、もっと感じさせたくなる」

指は花びらを撫で、その間で口を開く割れ目をそっとなぞった。優しい手つきなのに、くちゅ、くちゅっと水音が響くのは、蓉子がよっぽど濡れているからだろう。
良が腰を押しつけてくる。良の股間もはちきれんばかりに硬くなっていた。
(私たち、ひとつにつながる準備がもうできている)
そう思うと、またも体の感度が上がるようだった。

ベッドで

良は蓉子を抱き上げて、かたわらのベッドに押し倒した。自分でバスローブと下着を脱ぐ。「そこ」は反り返るほどに硬く、大きくなっていた。

「僕も蓉子さんのを見たいよ」

蓉子の花芯を見つめる良の目が切なげだ。そこはもう濡れに濡れて、うっすら透けているのだろう。

「うん。良さんなら……私」

言い終わらないうちに、良にパンティを脱がされた。とろりとした蜜がパンティに糸を引いた感触があった。

「すごくキレイ。蓉子さんの……ココ」

自分ではわからないが、きっとそこは柔らかな花びらが開き、良を甘く誘っているのだろう。

「ねえ、舌でいっぱい気持ちよくしてもいい?」

(恥ずかしい)
一瞬だけ迷ったが、うなずいた。良は蓉子のソコに顔をうずめた。

「んっ、あん」

家でひとりエッチしていたときもよかったけれど、それとはまた違う。ときどき予想しない動きをするのが、意外でも嬉しくもあった。

「気持ちいい? 蓉子さんのイイところ、教えて」

「うん……あっ、ん……そこっ」

クリを舌先でつつかれて、蓉子はぴくんと腰を動かす。

「クリが感じるんだね」

良はクリを舌先で平らにして均すように舐めたり、吸ったりした。

「ああんっ、ああっ!」

(ひとりエッチで慣れておいて、よかった)
初めてのエッチのときは、ここまでのことはしなかった。まったく未知の感覚だったら、驚くばかりで快感を受け取る余裕はなかったかもしれない。

「こうやって蓉子さんのカラダのこと、もっと知っていきたい。僕だけのものにしたい」

「うん、私も」

「これから二人でいっぱい気持ちよくなろう」

セックスをしてキスを重ねる男女

自信なんてまだついてないとばかり思っていた。けれど自信とはっきりわかる形ではなくても、自分でも気づかないうちに少しずつ蓄積されていたものはあったのだ。
ぴちゃっ、ちゅくっと音がするのは、蓉子があまりにも濡れているのか、それとも良の舌づかいのためなのか。
やがて、荒い息とともに良が顔を上げた。

「もう……我慢できない」

「何を」我慢できないのかは、聞かなくても伝わってきた。良の瞳に宿っているケモノじみた底光りは、先ほどより強くなっていた。

「うん。……挿れて」

良はコンドームをつけるとのしかかってきた。腕をベッドについて蓉子に体重がかからないようにしてくれているが、それでも重い。しかし、その重みが心地よかった。
太腿の間に良の腰が入り込んでくる。その付け根のいちばん秘めやかで華やかなところに、良自身の先端が当たった。

「痛かったら言って」

蓉子はうなずいた。
良が入ってくる。

「んっ、んんんっ」

覚悟していたよりも痛みはなかったが、体の内側を押し広げていくような独特の圧があった。

「あああ、あ……」

違和感はあるが、いやではない。愛すべき侵入者だ。たまらず良の背中を両手でかき抱く。思ったよりもしっかりした筋肉があって、何ともいえない安堵感に包まれた。
とん、とアソコの入り口に何かが当たった感覚があった。全部入ったのだとわかった。同時に中がきゅっと締まる。意識したわけでもないのに、そこもまた良を抱きしめるかのように襞がみっちりと吸いついた。

「はあ、あ……蓉子さんの中、熱くて……締まってる」

 びくんと良自身が震えた。

「あうっ」

締まってより密着したせいか、ごくわずかな動きなのに蓉子の体を揺り動かすようだった。

(これで腰を動かされたら……どうなっちゃうの)
期待とほんの少しの不安が混じった気持ちが胸に広がっていく。
答えは、すぐにわかった。

ひとつになる

「動かすよ」

良はゆっくりと腰を前後させ始めた。

しっとりと濡れた襞に絡みつきながら、良自身がスライドする。蓉子の襞は良を少しでも強く感じようとするかのようにぴったりと絡んだ。それが良にはこの上ない快感になるらしい。

「ああ、ん、良さん……」

「んなっ……そんなに締めたら……っ」

「だって……良さんが好きだから体が勝手に」

じんじんと痺れる体にぼうっとしながらも、蓉子は何とか答える。
今、私は良さんとひとつになっている。ずっと夢見ていたことが叶っている。

今の私は、まだ完璧とはいえないのかもしれない。知識や経験も、ほんの少しついただけだ。
それでも、これからもこうやって少しずつ進んでいけたら――。

「ああ、もう……かわいいな」

良は蓉子を抱きしめ、何度も何度も激しくキスをした。

「蓉子さんのこと、もう絶対に離さないから」

END

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あらすじ

気持ちを確かめ合った二人はどんどん激しくなり…。妄想の中でしか触れてもらえなかった良に体を触られ、蓉子は興奮して…。ついに最終回!

松本梓沙
松本梓沙
女性向け官能、フェティシズム、BLなどを題材に小説、シ…
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