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官能小説 ようやく最後まで結ばれる(インサート・コンプレックス 9話)


新たな一面

マリカの最後の防具であるショーツを引き抜くと、耕史はまずそのショーツをまじまじと見た。

「すっごい。これ、糸引いてるじゃん。マリカのエッチな汁だよ?」

「……言わないで、恥ずかしい」

耕史のキャラクターが、いつもと少しブレている気がする、とマリカは思った。しかし、よく考えてみれば、こちらの耕史のほうが本物なのかもしれない。今までだってたまに意地悪に愛撫してくることはあった。本当は自分が優位に立って彼女を翻弄したい気持ちがあったのかもしれないが、ずっと「挿入して怪我をさせたらどうしよう」という気持ちのせいで、思う存分自分のキャラクターを出すことができなかったのだろう。

「マリカ、ここ舐めていいよね?」

「……だから、聞かないで……恥ずかしいから……あ、あぁっ!」

マリカの答えを聞く前に、耕史は彼女の秘部に口をつけた。 じゅるるるるっ、と大げさすぎるほど大きな音がする。耕史が唇をマリカの下の唇につけ、液体をすすっているのだ。

「ぁっ、あ、あぁ……っ、ゃ、きもち……い」

耕史の舌が、マリカのびらびらした部分を上下に舐める。中から溢れ出た蜜がそれに絡みついており、耕史が舐めると甘い香りが部屋に充満するようだった。

「マリカ、すっごく美味しいよ」

「ん……んんっ……! は、ぁ、あぁっ……そんなに、舐めないで……」

「舐められるの、好きでしょ? もっともっとしてあげるよ。それで、ぐちょぐちょになったら俺の挿れてあげるからね」

ぐちょぐちょとは言ったものの、もうマリカはこれ以上ないほど濡れている、と自分では思う。それでも耕史に舐められるほど、奥からどんどん甘くぬめった汁が出てきて、彼を喜ばせてしまうのだった。

「マリカ、最初はさらさらだったのに、なんかねっとりしてきたよ」

「や……言わないで……」

耕史は舌に絡みつく液体を、五感すべてで味わっているようだった。強くかぐわしい女の香り。舌にねっとりと乗る感触。甘いような苦いような味。じゅるじゅるという吸い付く音。よく見れば、最初の頃の液体よりも白く濁って見える。じゅっ、じゅっ、じゅっ、と音を立てて、マリカの秘部を舐めると、彼女からは悲鳴が聞こえた。

「や……もう、やめ……恥ずかしいよ、耕史……っ、あ、ぁああ!」

下の唇を舐めて吸っていたはずの口が、今度はマリカの肉芽を舐めあげた。舐めたかと思いきや、勃ち上がった肉芽を歯で甘く噛み、彼女を思う存分感じさせる。

「あぁあああっ! だめ、そこ、だめぇっ」

「なんでダメなの?」

耕史の声には笑いが含まれていた。本当のこの人は、実は結構意地悪な人らしい。マリカは体じゅう、いっぱいいっぱいになりながら感じつつも、愛しい人の新たな一面を見られたことに喜びを感じていた。

「……だって、あ、あ、あぁっ、そこ、舐められたらイっちゃう」

「いいんじゃない? イけば」

「イったら、耕史そこでエッチやめちゃうじゃない……んっ。くっ、あ、ああ」

これまでの耕史なら、マリカがイってぐったりとしたらそこでセックスは終了になっていた。しかし今日の耕史は、首を横に振る。

「今日は何回イって眠くなろうとも、最後までさせてもらうよ? マリカが俺を受け入れてくれるって分かったから、俺も気持ち良くさせてもらうから」

「え……あ、は、はい……」

耕史の迫力に、マリカは頷くしかなかった。 頷いたのもつかの間、マリカは再び甘い声を上げ始める。今度は耕史が指をマリカの秘部に差し込んできたのだ。

「あ、あぁんっ!」

「ふふっ、まだ指一本だよ? それだけでそんなに感じてたら、俺のを挿れたらどんなになっちゃうの?」

耕史は挿れた中指を出したり入れたりしながら、不敵に笑った。指は中で少し折り曲げられ、おなか側の粘膜を引っ掻くようにする。

最後まで

「あぁ、……っ、ん、っく、あ、あぁ、あ、あ!」

「すごいよマリカ、キツキツじゃん。これ、本当に俺の入るかなあ」

「入るかなあ……っ、っく、じゃなくて、入れるんでしょ?」

マリカは余裕のないまま、耕史に口答えした。

「そうだね。マリカは俺を全部受け入れてくれるんだもんね。ありがと」

耕史の指がマリカの中のおなか側、少し凹んだ部分を擦ると、彼女は高い声で啼いた。

「あぁあああんっ!」

「前から思ってたけどさ、どうしてこんなにキツイの? 男とあんまり付き合ったことないとは聞いてたけど、俺が最初の男じゃないよね?」

デリカシーのないことを聞くものだ、とマリカは余裕のない中で苦笑いする。

「耕史に気持ち良くなってほしくて、あのあとも……何度も何度も特訓したの……」

マリカがそんな努力をしていたと知り、耕史は指を一番奥まで差し込むことで応えた。

「へえ、そんなことしてくれてたんだ。マリカ、可愛いよ」

「あっ、そこ、ひ、うぅ、っ……だめ、もう、だめだからっ……」

感じすぎたマリカの太ももが震えている。耕史はこれ以上は限界かと思い、指を引き抜いた。

「俺と一緒に気持ちよくなるために頑張ってくれてたんだね。俺、マリカのこと本当に好きだよ。今までも大好きだったけど、もっと好きになった。愛してる。俺の人生には、マリカしかいないよ」

そう言って、耕史は自分の服をすべて脱ぎ去った。その体の中心には、大きなものが屹立している。この上なく興奮したそこは、確かに大きかった。目隠しでフェラをした時も大きいとは思ったが、改めてまじまじと見ると大きすぎるほどだ。

「マリカ、もうぐちょぐちょだから大丈夫かな」

「うん、たぶん……」

「じゃあ、コンドームつけるね」

耕史がベッドサイドの引き出しからコンドームを取り出す。その口を開けようとした時、マリカが『ちょっと待って』と言った。

「今日は、そのまましたい」

「……でも、それじゃ……」

「赤ちゃんができてもいい。っていうか欲しい。大好きな耕史の遺伝子を私の中でぐちゃぐちゃに混ぜたい」

そこまで言うマリカに、耕史はコンドームを置いた。

「……実は、マリカと付き合い始める時に性病検査には行ってきた。全部陰性だったから、生でも大丈夫だよ」

「本当? じゃあ……」

マリカが仰向けに寝転がりながら、耕史を導く。彼は右手を自分の茎に添えながら、ゆっくりとマリカの中に侵入していった。

「……っく、狭い……」

エッチしてる男女
 

「あ、あぁ……っ、入ってくる……」

みちみちと音を立てながら、耕史がゆっくりマリカの中に入ってきた。どれぐらいの時間がかかっただろう、彼はマリカの体を労わりながら、最奥まで自身を沈めていった。

「あっ……全部、入ったよ」

「んん……っ。お腹が、いっぱいになってるみたい……」

呼吸のたびに、マリカは耕史を締め付ける。それで耕史も感じているのか、時折彼からも甘い声が漏れた。

「っ……、く、あ、あぁ……マリカっ……動いても、いい?」

「うん、大丈夫」

マリカの声とともに、耕史が腰を動かし始めた。ギリギリまで引き抜いてから、一気に腰を沈めると、お互いにため息のような嬌声が漏れる。

「あぁっ……」

「く……」

狭いマリカの中では、耕史はあまり長いこと動いていることができなかった。何度か内壁を擦った後、彼はあっけなく限界を迎える。

「も、出る……っ。マリカ、ごめん、出すよ」

「ごめんじゃない……でしょっ……あ、ぁん!」

耕史が一番奥まで腰を進めると、そこで彼は何度か震えた。マリカは体の中で彼が震えるのを感じた。この上ない幸福感がマリカを絶頂に連れて行ってくれる。やっと一つになれた、それが嬉しくて嬉しくて、マリカは涙目になっていた。自然と彼女の体からは力が抜け、体重を耕史にまかせる。

「好き……耕史、大好き。やっと一つになれたね」

同時にイケたことがこの上ない喜びに感じられ、マリカは耕史の優しい腕の中で目をゆっくり閉じる。すべて終え、マリカと耕史は満足した表情でベッドに横たわる。

手をつないで、その日2人はその場で眠った。


第9話 終わり

⇒【NEXT】大きくて、気持ちいい…(インサート・コンプレックス 最終話)

あらすじ

ちゃんと向き合うことができたマリカと耕史。
マリカはいとしい恋人の新しい一面を見ることができてうれしく思う。
耕史の意地悪さはどんどん増していき、言葉攻めで翻弄してきて…?

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