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クンニでエッチな幻想【蘭と蜂】


クンニでエッチな幻想 蜂になれ折人あらば蘭の花

澁澤龍彦の随筆集『フローラ逍遥(しょうよう)』で、この蓼太(りょうた※)の句を読んだとき、私はクンニリングスを想像した。

花に嘴(くちばし)を突き入れている蜂の姿や、その花粉まみれの頭や触角などと、女性器に似た蘭(らん)の花を頭の中で組み合わせて、「あっ、クンニリングスだ」と思ってしまった。

実際には何を想って詠(よ)んだ句か知らない。折人は「をるひと」とルビが振ってあった。
花のついた茎や枝を摘み取ることを、「花を手折る(たおる)」という言い方をする。

――この歌の景色の中で、蘭は、いつ誰に手折られても不思議はない風情で、美しく咲いている。

蜂に狙われているとも知らず、無心に、花びらを開いている。
花の心は無邪気だけれど、その姿は淫らで、虫の欲情をそそり立てる。

恋の現場で、男と女とで欲望の凹と凸が噛み合わないことが少なくない。
その一つに、クンニリングスがあると思う。

「恥ずかしいから、やめて」

「汚いから」

「そんなことまでしてくれなくてもいいから」

と、女の側では、いろいろと理由を考えて拒むことがある。

けれども、男性の大半は、まず、そこを見てみたい。
見たら、触りたい。
触れば、嗅いでみたいし、舐めてもみたい。

……しかし、そこまでするには勇気がいる。
というのも、つまり、そこが臭ったり不潔だったりすると欲望が萎えてしまうばかりか、下手をすると、女性全般に対して抱いている夢のようなものが壊れてしまうから。

蜂にとって花への憧れは生命線。

初めてクンニリングスに挑戦したい(するのは蜂=彼だけれど)貴方にオススメしたいのは、デリケートな花=あそこを傷(いた)めないように守りながら徹底的に清潔にすること。

専用のパックなども使ってケアすれば、愛しい蜂君を幻滅させることもない。

貴方自身にも効果がある。
綺麗にすることで、羞恥心が自信に変わるのだ。

そして、「そんなことまでしてくれなくても」という遠慮は、「そこまでしてくれるなんて」という悦びに。

ちなみに、蘭の花言葉はフランスでは『野心的な愛』。イギリスでは『美人』。

恋人の野心を掻き立てる美しい蘭の女――
きっと貴方は、まだ自分の魅力に気づいていないだけ。

恋人よ、蜂になれ!

※雪中庵蓼太(せっちゅうあんりょうた)
 江戸中期に活躍した俳人。天明7年(1782)没。

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