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官能小説 同居美人〜番外編〜 ワケありイケメン 池部宗一郎〜ラブストーリー〜
「君がいてくれるだけで幸せ」
池部宗一郎と私、綿貫なぎさが一緒に暮らし始めて、そろそろ1年になる。
今日は久しぶりに外で待ち合わせてのデートだった。デート自体は機会をつくってなるべく頻繁にするようにしているけれど、外で待ち合わせというのは最近あまりなくて、なんだか新鮮だった。予定としては夕方に会って一緒にプラネタリウムを見て、食事をして、最後に軽くドライブをして帰ることになっている。
私はプラネタリウムが好きで、お気に入りの場所もある。一人でじっくり見るのが好きだったから、今までは人を誘うこともなかった……というよりは誘いたくなかったのだけど、宗一郎が行ってみたいというので今回は二枚チケットを取った。誰かと一緒に行くのは初めてだ。
待ち合わせはプラネタリウムの最寄りの駅のモニュメントの前だった。宗一郎は料理番組の収録の後、フリーのプログラマーである私は仕事先との打ち合わせの後、そこで落ち合うことにしていた。
少し早く着いてしまったので、その像の前でぼーっと街を眺めた。週末というわけでもないけれど、カップルの数が多い気がする。
結婚式場の紙袋を持っている人たちがいて、ふと千織ちゃんや想子ちゃんのことを思き出した。二人は数ヶ月前にそれぞれ平野井さん、悠と結婚した。私はその頃にはもう宗一郎と一緒に住んでいて、悠には未練はなかったので、想子ちゃんのことも心の底からきちんと祝うことができた。
次はなぎさちゃんたちの番だね、なんていわれることもあるけれど、私には昔から結婚願望がこれっぽっちもない。経済面も生活面も今のところ誰かに頼らないといけない必要はない。好きな人と一緒に生きていきたい気持ちはあるけれど、結婚という制度は窮屈そうだと思う。
「なぎさちゃんがしたくないなら、無理してするようなことじゃない。形だけ整えたって、気持ちがついてこないなら意味がないからね。君がいてくれるだけで俺は幸せだよ」
宗一郎もそう言ってくれる。
だから私は、ずっとこのままでいたいと思っている。
***
プラネタリウムは二人がけのソファー席で見た。
始まる前は、いかに宗一郎といっても視界に他人が入ったらイヤな気分になるんじゃないかと少し不安だったけれど、さすがにそのあたりは計算して設計してあるらしく、そんなことは全然なかった。
1時間ほどのプログラムを観賞した後、会場から出た。
「ごめん、ちょっと待ってて」
宗一郎は私をロビーに残してトイレに行った。
「ねぇ、君、一人?」
ロビーで壁に貼ってある次回予告のポスターをぼんやり見ていると、サラリーマンらしいちょっとヨレたスーツの男が声をかけてきた。30代前半ぐらいだろうか。フツーなら会社はまだ終わっていない時間帯だと思うけど、仕事は何をしているのだろう。
私は無視した。相手にしても面倒くさそうなだけで、いいことはないだろう。
「一人とかさ、寂しいでしょ? よかったら何かご馳走するけど」
かちんときた。
「あのさぁ……」
相手にしてはいけないと理性の声が聞こえたが、感情のほうが走り出してしまう。
「女が一人でいたら寂しいって発想、バカのひとつ覚えなの? 私は一人でいるのが好きなの」
連れがいると一言いえば済む話なのだろうが、もの申してやらないと気が済まなかった。
「またまた強がっちゃって。失恋したばっかりで寂しいとか? 彼氏がいないと気持ちが荒むよね〜。今夜は付き合うよ」
だめだ、通じない。股間でも思いきり蹴り上げたらショックで理解してくれるだろうか。
この手の偏見にはいい加減うんざりだった。一人でいたら寂しい奴だとか変な奴だとかいわれるし、女というだけで恋愛しか興味がないと思われる。確かに好きな人がいたらどこまでも追うけれど、いなければいないで他のことをしている。
それに私は別に彼氏なんていたっていなくたっていいのだ。これも好きな人がいたら付き合いたい、それだけだ。
そのとき、宗一郎が戻ってきた。
「なぎさちゃん?」
宗一郎は私と怪しい男を交互に見た。
「とても頼もしかった」
「知り合い?」
宗一郎と怪しい男は同時に私に尋ねた。
「まさか」
私は宗一郎に顔をしかめてみせた。
その一言と表情で、宗一郎は何が起きたか察したらしい。すかさず私の手を握り、男に対して毅然としてみせた。
「俺、彼女の連れです」
怪しい男がとたんに「げっ」とでも言いそうな顔になって、私に向き直った。
「だ、だますんじゃねぇよ!」
「だましてねぇよ! 勝手に勘違いしたんだろーが!」
怒りのあまり、ついお上品さに欠ける口調になってしまった。でもまぁ、勘違いでキレられたら、さらにキレ返すというのは対応としては正しいだろう。
本当はこういうときは彼氏の影に隠れて守ってもらうのが、「かわいい女の子」の正しいあり方なのだろう。でも私にはちょっと無理な相談だ。性に合わない。
私と怪しい男はしばらく睨み合っていた。
「行こう」
宗一郎が強く握っていた私の手を優しく引いた。その手の暖かさと優しさに、すぅっと心の熱が冷めていく。
こんなときにこんなふうに手を引いてくれる彼は、とても頼もしかった。
***
食事は二人のお気に入りの、蔵を改造したバルでの和食だった。
宗一郎の料理学校時代の同級生が経営している店で、料理もその人が全部つくっている。
店長の意向で取材は本当に信頼できる相手にしか許していないが、味に一家言ある有名人の口コミで、平日でも予約が必要なほどには混んでいた。
宗一郎が席につくと、わざわざ店長が挨拶に来てくれた。最近の近況などを話して談笑し合った後、店長は料理の注文も聞かずに席を離れてしまった。宗一郎相手には、あえて聞くまでもないのだろう。
私みたいな素人が見ても高級な器に、丁寧に盛られた一品料理が次々と出てくる。
「これは……焼きアゴからダシを取っているね。このペーストの苦みは……クレソンか。まさかこんなふうにクレソンを使うなんて、さすがだなぁ」
宗一郎は食べながら、食材や調味料をさりげなく探っていく。何て繊細な舌なんだろう。私なんて「おいしい」というだけでとにかくいっぱいいっぱいなのに。
目を閉じて味わう宗一郎に、私はひそかにドキドキした。
宗一郎の、料理を味わうこと、つくることへの繊細さは、エッチのときにも表れている。料理への繊細さがそのまま、優しく繊細に包み込むような愛撫になっている。エッチには性格が出るというけれど、本当だ。
日本酒もおいしいものが揃っているとのことだったが、宗一郎は運転があるので飲まなかった。私もべつにそれほどお酒が好きなわけでもないから、ソフトドリンクにした。
食事が終わると店を出て、車をお台場に向かって走らせた。
「ずっと私だけを見て」
開けた窓から入ってくる風が気持ちいい。
ときどき車を停めて夜景を眺めながら着いた先は、海に面した公園だった。といっても、夜だから海はよく見えない。でも潮騒を聞いているだけでも気持ちがわくわくしてきた。
私たちは車を駐車場に停めて、あたりを歩き出した。周囲にはカップルがちらほらと見える。海辺のデートにはちょうどいい季節だから、みんなやって来たのだろう。
私は自分から手をつないだ。宗一郎も強く握り返してくれる。
少し歩いたところにベンチがあったので、並んで座った。
すばやく宗一郎の頬にキスをする。こんなふうに隙をついてキスを奪うのが、私は好きだ。
宗一郎は驚いて私を見てから、柔らかく微笑んだ。
「これからもずっと私だけを見て。そんなふうに」
私が言うと、
「もちろんだよ。本当に愛してる」
と、宗一郎はポンポンと私の頭を撫でた。
私たちはお互い飲み物を手にして、しばらく波の音に傾けた。
今となっては我ながら信じられないことだけれど、一年ちょっと前までは、宗一郎と付き合うことを迷っていた。悠のことを、絶対に引きずるだろうと思っていたから。
でも想子ちゃんや宗一郎のおかげで悠に最後に会えて、心が決まった。
やっぱり無理だったんだ、と。
最後にはっきり断ってもらえて、本当によかった。
(そうじゃなかったら、こんなに素敵な彼氏と付き合えることもなかったんだし)
私は宗一郎の横顔をちらりと窺う。
今にして思えば、悠への気持ちは憧れに近かったような気もする。自分と合うかどうかなんて、考えていなかった。
でも、恋愛は特別なことじゃなくて日常だ。だから性格が合うこと、自分が無理をしないで済むことがいちばん大事なんだと、宗一郎と暮らしていてつくづく思う。
一歩下がって見守ってくれて、何かあればフォローしてくれる宗一郎だから、私は今、仕事も普段の生活ものびのび楽しめている。宗一郎もそんな私と一緒にいられてよかったと言ってくれるのが、とても嬉しい。
公園を出ると、ホテルに向かった。ラブホテルだけれど、シティホテルのように豪華らしい。前から行ってみたいと話していた場所だった。
「きれいだ、離したくない」
ホテルは、ラブホテルにしては珍しい大きな窓のついた部屋で、小さかったがプライベートバルコニーまで付いていた。
ベッドは天蓋付きで、ロマンチックな雰囲気もある。
しばらくはバルコニーで夜景を眺めていたが、やがて宗一郎が後ろから抱きしめてきた。
「我慢できない、早くほしい」
耳を軽く噛みながら、熱っぽく囁いてくる。
指が私の首筋から胸元をするすると這った。
宗一郎は普段は優しくて穏やかなのに、エッチのときはぐんと色気が増す。もっとわかりやすくいうと、エロくなる。そんなところも好きだった。
私たちは一緒にお風呂に入った。ジェットバスの細かな泡は愛撫みたいで、体がどんどん敏感になってくるような気がする。
体を洗いっこしていると、それだけでぞくぞくしてきた。
「あんっ……」
宗一郎はたっぷりの泡で性感帯をとくに念入りに洗ってくれる。胸、クリトリス、花びら……。高級な素材を扱うような手つきで、じっくりと。
「あ、あ……」
花びらを優しく広げられ、指先でクリトリスを撫でられた私は、たまらなくなって宗一郎にしがみついた。
彼はごく軽くその豆粒を摘まむ。
摘まんでは放し、また摘まむという動きを繰り返した。
「あ……そんなことした、らぁ……」
イっちゃう、と言おうとしたとき、指の動きが止まった。
「ふぇ……なんで……」
「ダメだよ、まだイカせてあげない。イクときは一緒だよ」
今度は宗一郎が私の頬にキスをした。
***
ベッドに横たわると、またお互いに愛撫を始めた。
「いとおしい」「きれいだ、離したくない」……宗一郎はそんなふうに呟きながら、指と舌で私の体をどんどん料理していく。
宗一郎の愛撫はどれも優しく包み込むようだけれど、とくにクンニはとても丁寧だった。ゆっくりと舌を動かしながら、花びらや蜜壺、クリトリスの味を確かめるようになぞる。この舌の動きで、私は今まで性感帯だなんて思っていなかったところまですっかり感じるようになってしまった。
愛してもらうだけじゃなくて、もちろん私もお返しをする。
宗一郎に仰向けになってもらうと、硬くなったものをゆっくりと口に含んだ。根元から徐々に舌を這わせて、だんだん敏感な先端を攻めていく。
「あ……く」
カリの膨らみに口をつけて、舌だけを動かして鈴口を撫でると、宗一郎が甘い声をあげた。すかさず軽く根元を握りこみ、弱めにしごく。
「あ、だめっ、それ……イっちゃうから……」
そう言われてやっと指を止める。ちょっとした仕返しのつもりだった。
「……なんか、面白そうなものがあるね」
「それ」に最初に気付いたのは宗一郎だった。
少し離れた棚の上に、消毒済の袋に入れられて、マジックテープ式の手錠とアイマスクが置いてあった。
「使ってみようか」
楽しそうだったので、OKした。
「いやらしい。でもきれいだ」
まずは私がつけてみることにした。じつはこういうことには昔からちょっと興味があった。するほうにも、されるほうにも。
アイマスクは飛行機なんかにあるような薄いもので、マジックテープ式の手錠も心もとなく見えたけれど、実際に装着してみると何も見えなくなったし、手錠も結構しっかりしていた。
(これ……意外と恥ずかしいんだな)
見えない、動けないというのがどういうことなのか、興味だけがあったときには正しく想像できていなかった。何をされるのかわからないし、されても抵抗できない不安定な状態で相手の前に投げ出されることがこんなに「恥ずかしい」気持ちになるなんて、思ってもいなかった。
「あん……っ」
唐突に、宗一郎の唇が首筋に触れて、いつもよりも大きくて甘い声が出てしまった。
次にどんな愛撫が来るのかわからないドキドキ感で、体の感度が上がっているみたいだ。
宗一郎は私がそんな状態だとわかっているみたいに、私をゆっくりとベッドに横たわらせると、普段よりもさらに念入りな、ねっとりとした愛撫をした。

「あっ……はぁん、あ、あぁ、んっ!」
花弁と芽芯を、指と舌で同時に攻められる。ときどき手が伸びてきて、胸を揉まれたり、先をツンとつつかれたり、お尻を撫でられたりもした。そのたびに全身がびくん、びくんと大きく震えるぐらいに感じてしまった。
蜜壺から熱いものがトロトロ流れ出しているのがわかる。それを宗一郎が舐め啜っている音がやけに大きく聞こえた。見えない分、五感の他の感覚が鋭くなるのだろう。
「すごくいやらしい。でもきれいだ」
そんな言葉をかけられるだけでも興奮の度合いが上がる。まるで全身が、うぅん、頭の中までもが、性感帯になってしまったみたい。
宗一郎はわざと声をかけず、硬くなった彼自身を、ぱっくりと割れてそれを待ち望んでいるところにあてがった。
「あぁんっ!」
いつか来るとわかっていたとはいえ、体の感度が変わるわけもなかった。
「ん、あぁ……っ」
ずぶずぶと、中に入っていく。濡れた襞が絡みつきながら、彼を受け入れていく。
いつもなら挿入のときに宗一郎を抱きしめるのだけど、今日は手錠でそれができない。でも、これはこれで悪くない。
奥まで届くと、それだけでもうイキそうになった。全身にきゅうっと力が入る。
「一人でイクのはダメだって言っただろ」
彼は優しく私の頭を撫でる。
それからゆっくりと、腰を動かし始めた。
粘膜がいやらしくこすれあって、ちゅく、ちゅっ、と音を立てる。この音だけでもさらにエッチな気分になってしまう。我を忘れてしまいそうなほど。
宗一郎の動きは、やがてどんどん早くなっていった。
「宗一郎……激しいよぉっ……っ」
「激しいの、ダメ?」
熱い息が耳にかかる。
「ダメじゃない!……すごく、気持ちいい!」
私と宗一郎は一緒にのぼりつめていった。
⇒【NEXT】そんな僕が、初めて自分から恋をした。大学に入学してすぐのことだ。(同居美人〜番外編〜ワケありイケメン 小島泰明〜ワケありの理由〜)
あらすじ
同居美人の番外編として、7人の男性キャラクターのうちひとりを主人公にした短編ストーリーが登場♪
▼キャラ紹介
池部宗一郎 25歳 料理研究家
女性だけでなく、男性からも人気があり、料理を通じて相手とのコミュニケーションを図るのが得意。
引っ込み思案なところもあるが優しく、相手を思いやることができる人。
そんな彼のラブストーリーが楽しめます!