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官能小説 本当にあった!ラブ物語 第十話 体の距離、心の距離
第一章 心の傷
開け放った窓から、日光と風が絡まり合うように舞い込んで来る。
休日の爽やかな朝。
掃除を終えてさらに気分がスッキリとしても、モヤモヤと心の奥が晴れない。
ソファーのクッションを整えながら、数日前の光景が脳裏に蘇る。
仕事を終えた後、恋人の祐一は、いつものように私の自宅アパートにやって来た。
夕飯を終え、ソファーに座ってしばらくした頃、そっと寄り添った私に、
彼は、言葉には少しも出さないけれど、
「面倒くさい」
という空気を伝えてくる。
聞こえないほどに小さいため息をついて、彼は
「そろそろ寝よう」
と立ち上がった。
その言葉に、トゲはない。
しかし、私の心を傷つけるのに充分な鋭さはあったと思う。
「愛されていないのかな…。」
その不安の形についた傷が、あんなに甘く狂おしく、そして熱く癒されていくなんて、
この時は、思ってもみなかった。
第二章 震える声、震える手
リビングからベッドルームへと掃除機を移動させると、
心の傷をうずかせる祐一の態度が、さらに蘇ってくる。
面倒くさそうにソファーから立ち上がった祐一だけれど、ベッドに入るときには、
それでも、優しくおやすみのキスをしてくれた。
「ゆっくり、イチャイチャしたいね」
唇を離した後、枕に頭を落ち着けてから私がそう言うと、彼は
「え?今?」
と眠そうな声を出す。
その言葉にも、トゲがあるわけではない。
それでも、私の心に、グサリとさらに深く刺さった。
そしてその傷は、このところ、唾液をつけてそそくさと挿入することが多い
彼の姿を思い出させた。
暗いベッドルームの中に漂ったその風景を思い出した時、私は、少し前に手に入れて
チェストの引き出しにしまってあったローションを取り出し、
「やっぱり、これ、使おうって言ってみよう」
と呟く。
―――数日後。
祐一が、また、仕事帰りに私の自宅にやって来た。
食事とお風呂を済ませ、しばらくテレビを観ながら話すとベッドに入る。
「ねぇ、祐一」
ベッドサイドのライトを消す直前、思い切って出した声は、少しかすれて震えていた。
「これ、使ってみない?」
ローションのボトルを彼に見せる手は、声よりもさらに震えていたかもしれない。
第三章 熱いカラダ
「何?」
半分は面倒くさそうに、もう半分は興味本位という雰囲気で、祐一は顏をこちらに向ける。
「LCハーバルローション?」
私の手からボトルを受け取ると、彼はそこに書いてある文字をゆっくりと読む。
「うん、エッチの時の…」
私が答えると、
「へぇ。デザイン可愛いから、そう見えないね」
とつぶやきながら、彼は、キャップを開けて中身を手に取る。
「え」
予想外の反応に、思わず小さく声を出した私に、祐一は
「使いたいんでしょ?」
といたずらな表情を一瞬覗かせる。
そして
「これ使って、一緒にもっと気持ちよくなりたいって思って買ってくれたんだよね?
…ありがとう」
と優しい目も声で口づけると、片手で私の下着を器用に脱がせ、
もう一方の手に乗せたローションを私の中心に塗る。
トロリとした感触が、泉の入り口に馴染み、私の全身を薄く覆っていた緊張がほぐれる。
そのままローションをカラダに馴染ませながら、彼は、唇を合わせ、
胸のあちこちにもキスをした。
「なんか、美咲、ローションがあるだけで、いつもより熱い…」
耳元でそう囁かれた時、普段よりも彼の愛撫が丁寧だった理由が伝わってきた。
「ダメだ、ガマンできない…」
胸の谷間にキスマークがつくほどに強く吸いながら
「でも実は、もう俺じゃダメなのかなって思ってたんだ。最近の美咲、
エッチの時に盛り上がっていないように見えて…。だから、わざと素っ気なくしちゃって…」
と、告白を続けた。

「そんなこと…」
何度も首を左右に振る私と目を合わせて、半分涙ぐんだような顏を見せると、
祐一は、泉の底めがけて、一気に侵入してきた。
「あぁぁ…」
彼の言っていた熱さが、私自身の全身にも染み渡るような衝撃が、一瞬、駆け巡る。
とろりとしたローションと、それに誘われて溢れる愛液。
唾液とはまるで違う幸福に満ちた潤滑に、私の全身は、快感の熱に溶けていった。
「あぁ…祐一…そんなにしたら…すぐ…イッちゃう…」
つながってからすぐに、私のカラダは、頂上まで達したがり、
「我慢しないで」
という祐一の声に導かれて、私は、何度も何度も、昇りつめた。
「俺も、いつもの何倍も気持ちよかった」
彼の腕枕の中で眠りに落ちる頃には、
遠ざかる意識をなんとか捕まえるような感覚に陥っていた。
第四章 体の距離、心の距離
――数日後のデート。
「ねぇ、美咲、早くしようよ」
食事の後、キッチンで食器を洗っている私を後ろから抱き寄せる祐一の手には、
あのローションが握られている。
一緒にお風呂に入ってベッドに乗ると、彼は
「寝て」
と私を仰向けにして、胸からお腹へとローションを塗る。
「え?そんな…」
驚いて何もできない私の手にローションを出すと、
「おれにも塗って」
とキスをする。
お互いの体に塗ったローションを混ぜるように体を重ねると、
ひと息ごとに、呼吸も重なっていく。
「大好き」
舌を絡ませながら荒い息で言う彼に同じ言葉を返し、私たちは、
お互いの全身をたっぷりと愛撫した。
ぴったりと、肌を離さずに…。
そう、体の距離も心の距離も…ずっとこのまま、いつまでもぴったりと離れずにいよう。
言葉でもそれ以外でも、果てしない愛情を交し合いながら、私は、
体の密着度が心のそれも高めていくのを感じ、
「離さないでね」
と祐一に抱きついた。
〜第十話・完〜
あらすじ
「愛されていないのかな…」その不安の形についた傷が、あんなに甘く狂おしく、そして熱く癒されていくなんて、この時は、思ってもみなかった。
お互いの全身をたっぷりと愛撫した。ぴったりと、肌を話さずに…
一緒に気持ちよくなりたい、いつもより熱い彼の愛撫。