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官能小説 本当にあった!ラブ物語 第十一話 綯い交ぜ(ないまぜ)の唇【LCスタイル】


第一章 鏡の中の唇

「さぁ、お買い物して帰ろうか〜」
幼稚園の駐車場で運転席に乗り込み、後部座席の息子とルームミラー越しに目を合わせる。

「ねぇ、ママ」
お菓子でもねだるのかな…と思い生返事をすると、
「なんかママ、今日、かわいいよ」
と思いがけない言葉が耳に飛び込んだ。

「え?そう?」
率直に驚きの返事を返しながら、少しおどけた顏でもう一度息子に目を向ける。

最近、唇の乾燥が気になっていた。
それに少し前から、口紅を塗り忘れてしまうくらいに忙しい。

さっきも、いかにも味気ない自分の唇に気づき、
「口紅よりも手軽にサッと塗れるし」
と、唇の美容液を塗ってから幼稚園のお迎えに出かけていたのだ。

「うん、やっぱりママ、今日かわいい」
嬉しそうに繰り返す息子の言葉に、私は、ルームミラーに映る自分の唇に視線を移す。

少し照れながら自分の唇を見ていたこの時には、あんな視線がこの唇に注がれるなんて、
期待も予感もしていなかった。

第二章 淡い期待

その夜、時計が11時を回ってしばらくした頃。
「美紗、そろそろ寝ようか」
主要なニュースが終わったところで、夫の太一がソファーから立ち上がった。
「うん」
と返事をすると、私はバスルームに向かう。

日中つけていた唇の美容液を引き出しから取り出して、鏡を見る。
(これ、美容液なんだし、夜も塗っていいよね?太一は、気づいてくれないかも
しれないけど…。でも、子どもだって気づいたんだから、夫も気づいてくれるかも…。
でも、最近あんまり私に興味なさそうだしな…、期待しちゃダメか…)

鏡に映る唇を、見るともなしに見ながら、私の心は、期待と不安とを行ったり
来たりしていた。
(とにかく、これは美容液だから)
と、言い訳のような言い聞かせを自分にぶつけると、美容液の筆で唇をなぞる。

夫のいるベッドルームに入ると、ベッドサイドのライトだけが光っている。
ベッドに入ってそのライトを消そうとすると、
「ちょっと待って」
と夫が私のほうを向いて
「なんか、甘い匂いがしない?」
とキョロキョロと視線を動かした。

「あ、なんか最近、唇の荒れがひどくて。それで、唇がキレイになる美容液を見つけてね。
そんなのあるんだなって。よくなればいいなって。それで…」

取って付けたような言い方だと、自分でも思いながら、夫と目を合わさずにいると、
「あ、美紗の唇か…」
と夫の視線が私の唇に留まるのが分かった。

「顔だけじゃなくて、唇にも美容液ってあるんだね。う〜ん、荒れてる?
気にしたこと、ないけどな。でも、美紗が気になるなら、よくなるといいね」
そう言って仰向けに戻る夫に、
(やっぱり、その程度の反応だよね)
と心の中だけでため息をついて、ライトを消す。

第三章 綯い交ぜ(ないまぜ)の唇

「ねぇ、寝るの?」
夫の声が暗闇を破ったのは、その数十秒後だった。
「寝ないの?」
私が返事をする間に、夫はベッドサイドのライトのスイッチに手を伸ばして
部屋に明るみを取り戻す。

「今日の美紗、なんかすごく色気がある。キレイだよ」
上体を起こして肘をつき、私を上から見下ろしながら、夫は私の目と唇とを交互に見つめる。

その視線を遮るように
「急にやめてよ〜」
と茶化して、夫の顏に向けて手を伸ばした。

その指を夫の手が捕まえ、
「もう一回、ちゃんと見せて」
と視線が唇に注がれる。
それとほぼ同時に、夫の唇が私のそれに優しく重なった。

そっと唇を触れ合わせて、もう一度目を合わせると、夫は
「やっぱり、ダメだよね」
と少し切ない表情を見せた。

何を意味しているのか分からず不思議顏を見せる私に夫は、
「せっかく塗った美容液、キスしたら取れちゃうから。まだしたいけど、もうダメだよね…?」
と表情を甘くさせた。

「ダメじゃないよ」
私は、しっかりと目を合わせながら、夫に向けてほんの少しだけ唇を突き出す。
そこに、夫の濡れた唇が、荒々しく重なってきた。

キスする男女

唇に吸い付き、舐め尽くし、舌をないまぜにするくらいにかき回しながら、
夫の息が荒くなってゆく。

「美味しい…。美紗の唇、キレイなだけじゃない。めちゃくちゃ美味しい。俺、止まらない。
ほんとに食べちゃいたい…」

私の唇に甘く歯を立てながら、夫は吐息に混じって声を出す。
ふたりの息が荒くなると同時に、唾液と唇がクチュクチュと複雑に絡み合っていく。

「愛してる…愛してる」
全身に愛撫の波紋を広げながら、私の泉の中に沈み込みながら、夫は何度も何度も
唇を求めた。

そして、私の中で果てた後も、
「まだまだ美紗を食べたい」
と、汗ばんだ体を私に預けて深く口づけた。

第四章 穏やかな幸福感

唇に使う、キス専用美容液『ヌレヌレ・マスカットキス』を使ったその夜から、
夫は必ず、一日に何度も優しいキスをしてくれるようになった。

一方で私の中では、
「もっときれいになりたい」
という女心の芽が大きくなっている。

キスひとつで、セックスも夫婦の雰囲気も、こんなにみずみずしく優しくなるなんて、
思ってもみなかった。
そのおかげで、生活の全部に心穏やかでいられる。

「じゃ、行ってくるね」
出勤する夫の声に、急いで玄関に向かい、柔らかく光る唇でキスをした。


〜第十一話・完〜

あらすじ

唇に吸い付き、舐め尽くし、舌をないまぜにするくらいにかき回しながら、夫の息が荒くなってゆく。
「美紗の唇、めちゃくちゃ美味しい…」

キスひとつでセックスも夫婦の雰囲気も、こんなにみずみずしく…。

キレイで美味しい唇、何度も求められるように…。

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