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官能小説 私の知らない私 5話


愛おしい塊

高層階のホテルの窓際で、唇を燃やして溶かすようなキスをしながら、亮の腰をグッと抱き寄せた。

「ひゃ…っ」

唇が離れて、ひょいと抱き上げられる。優しく私をベッドに仰向けにすると、亮は改めて口づけた。
唾液でトロッと濡れた唇を吸われると、急に彼が欲しくなる。
「ちょうだい」と言うのと同時に、私は彼の中心に顔をうずめようと、彼の体を誘導していた。

スーッと、彼の匂いを吸い込む。
黒々と茂っている男らしさが、鼻に寄り添うようにまとわりつくと、我慢できずに一気に肉の塊を咥えたくなる。
でも、まだまだ辛抱。私は、茂りに舌を絡ませ、硬くなった塊にそっと頬ずりしながら、彼の右脚の付け根を舐め回した。

左脚の付け根にも舌を伸ばす。
「うっ」という彼の声を聞きながら、太ももの内側を唾液で照らす。
中心の茂りと塊の付け根を、指でそっと撫でながら、右の太ももに吸い付いて赤く印をつけた。キューッと吸い付くと、手のそばにある塊が、クイッと反応して大きくなるのが分かる。

(もっとこの太ももに吸い付いて、もっともっと硬く大きくしたい…)

知らない部屋のライトがパッと光るような、亮にしか感じない不思議な衝動を抑えて、肉の塊へと口を伸ばした。すっかり熱くなっている私の唇よりも、さらに熱を帯びた塊が、口の中に沈んでいく。

俺も…

「あぅ…」

大きく息をついたのか吸ったのか…。
亮は、「俺も…」と熱い息を吐いて、私の中心へと吸い付いてきた。
温かくて柔らかくて、少しざらついていて、でもやっぱり柔らかくて…。
そんな彼の舌が、すでにぷっくりと膨らんだ私の大きな花びらをなぞっていく。

口の隅から甘い息を吐き出しながら、私は、彼の塊に舌を泳がせる。
何度も何度も花びらを行き来した彼の舌先は、少しずつ花を開いて、ついには私の敏感な一点を蝶のように探し当て、口全体で包み込んだ。

「あぁ…っん」

こらえきれず、私は彼の塊を口から出しそうになる。
彼の口の中で、私の敏感な一点はドクドクと大きくなっていく。

ジュルジュル、チュルチュル…。
口からも鼻からも荒い息を吐き出し、必死に空気を吸い込みながら、私たちは、お互いを溶かして飲み込んでいた…。

揺らめく光の中で

亮に呼ばれて四肢の間から目を合わせると、彼は「背中を舐めさせて」と私の上体を起こした。
そして、私の背骨に沿って舌を這わせる。

私は、思わず「はぁ…」と背中をのけぞらせた。
亮の舌が、背骨から肩甲骨、肩、首筋へと伸びて、一気にウエストまで下がる。
そして、尾てい骨の周りにクルリと何度か円を描くと、また背骨に沿って上ってくる。
私の息は、吐くたびに震えが大きくなり、湿度を増していった。

「見て、綾乃さん」

亮は、私の顎にそっと手を添えて、うなだれた首を起こした。
ハッと、今度は息を飲む。ベッドに膝立ちになると、夜景も満月もよく見える。 後ろから抱いて支えられながら、私は、揺らめく夜景と月を交互に眺めていた。

「キレイ…、夜景も満月も、ユラユラしてる…」

両腕を静かに撫で下ろしてくれる亮の優しい指を感じながら、私は、揺れる光に視線をとろけさせていた。

「感じてるからだよ」

亮のその言葉と同時に、両手首が重ね合わせられた。そして、何かが手首に触れる。

「何っ?」

瞬時に背筋が硬直して、私は手首を振り返った。
亮が、「枕の下に用意していたんだ」とネクタイを私の手首に回している。

「ちょっと…。亮君…やめて…」

私は、既に振りほどけなくなっている手首だけでなく、膝から上の全部を揺らすようにして抵抗した。
でも、やはり、男の力にかなうはずがない。それに、力だけではない。
手首を器用に縛りあげながら、亮の舌は、器用に私の耳をなぞっていた。

耳の裏をスーッと舌先が走ったかと思うと、今度はジュッという音と共に舌の肉で耳を塞ぐ。
瞬間圧迫した後、耳の奥へとチロチロと舌を伸ばす…。 夜景も満月も、揺らぐだけではなく、ぼやけていく。
後ろ手に拘束されながら、私は、力の入らない体を、亮に預けるしかなかった。

「やっぱり、すごくきれい。背中のラインも、ここも」

亮の声が、お尻を撫でる指先から響いてくるようだった。

⇒【NEXT】「綾乃さんのカラダ、こんなに光ってる…」(私の知らない私 6話)

あらすじ

はづき
はづき
肌の細胞すべてに、体の動きすべてに、心が宿る。 心が…
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