女性のための無料 官能小説・官能漫画サイト
エルシースタイル(LCスタイル)は、登録商標です【商標登録第4993489号】
ラブコスメが提供する情報・画像等を、権利者の許可なく複製、転用、販売などの二次利用をすることを固く禁じます
官能小説 私の知らない私 2話 (何度も告白されて…)
もう1度だけ
年下の男とは、こんなにむき出しなものなのだろうか…。
パーティーで知り合った7歳年下の安岡亮は、会ったその日に交際を申し込み、断った私を抱きしめ、連絡先まで引き出していった。
それから2週間後。今、私は、安岡と一緒に静かなバーにいる。
2日に1回は交際を断っているのに、安岡からは毎日メールが来た。
“もう1度会ってくれるまで、諦めがつかない”と繰り返す彼に折れて、“もう1度だけだからね”と突き放すように約束したのだ。
大人の雰囲気が漂うバーに連れてきたのは、22歳の彼なりに、色々と考えたのだろう。
言葉も気遣いも表情も、2週間前より落ち着いている。話は楽しかったし、人柄もいいのがよく分かる。誠実で正直、まっすぐで無邪気なのは、若さのせいだけではなく彼の性格に違いない。
「やっぱり、ダメなのかな。こんな年下、頼りないですよね、綾乃さんには…」
バーを出てしばらく歩くと、安岡はうつむきながらそう言った。
「亮くん、ごめんね。今は、恋愛とか考えられなくて…」
いつの間にか彼を下の名前で呼ぶようになっていた私は、100%本音なのかどうか分からないまま、優しく断っていた。
嫌いなわけじゃない
『もう諦めますって、メールしたいのに、どうしてもできないんです』
そんなメールが届いたのは、安岡を亮くんと呼ぶようになって5日後のことだった。
メールの着信音に飛びついて携帯を手に取る自分に、半分驚いて半分は予想通りだと思った。
そして、メールを開くまでのもどかしさは、予想の何倍も大きかった。
メールの文面に、胸が締め付けられる。
亮はこの5日間、どんな気持ちだっただろう…。このメールを送る時、どんな表情だったのだろう…。
無邪気でよく笑う年下クンのはずなのに、冷たい風の中に立っているような姿だけが脳裏をよぎる。
『そうか…』
私は、何の答えにもなっていない返信をした。
心の揺らぎは、久しぶりに押しの強い人に会ったからなのだと、まだ自分に言い続けていたから。
『そうかって…。嫌いなら、ハッキリ言ってくれればいいじゃないですか!』
感情的な彼の返信に、私は何も返せなかった。
メールの着信音に飛びついてしまうのだから、嫌いなわけがない。でも、簡単に踏み出せるわけでもない。もう、勢いだけで恋愛ができる年齢ではないと、自分ではよく分かっている。
でもそれを、7つも年下の彼にどう理解しろというの…。
そんなことを考えている自分に気づきながらも「そもそもタイプじゃないんだし」と少し強く口にした。
『嫌いなわけじゃないよ』
そう返信したのは、2日後だった。
メールが行き来するうち、自分の気持ちがますます分からなくなる。
『メールじゃ、らちがあかない。会おう』
それを送ったのは、私だった。
それならドライブに、夜景の綺麗な場所があるからと、彼は喜んでいた。
拍子抜けしてしまいそうなほど無邪気に。
月のように…
本当に美しい夜景だった。
「こんな穴場があるんだね」と目を合わせる頃には、私も亮も、心がほぐれてよく笑っていた。
帰り道、坂を下る途中、運転席側のガラスの向こうに満月が見える。
「満月かぁ」と思わず呟く私に「月って、着いてきますよね」と亮もチラリと空を見る。
そして、
「いつも仕事で忙しくしている綾乃さんを月みたいに見守れたらいいのにって。こんなふうに、いつも見えるけれど邪魔にならないところにいられたらいいのにって。この1ヶ月、ずっと思っていたんですよ」
と続けた。
嫌なことがあったら、当たればいいのだそうだ。嬉しいことがあったら、何時間でも話せばいいのだそうだ。
「俺、想いも覚悟も告げました。で、綾乃さん。俺のこと、好きですか?嫌いですか?二択です!」
信号で車も月も動きを止めた時、運転席からの声が少し大きくなった。
これまでになく真剣な表情になっている亮に、抱きしめられた時の高揚が蘇った。
年齢や将来も気になるけど、そんなことは恋をしないために貼り付けた言い訳なのかな…。恋の始まりくらいは、シンプルでもいいのかな…。
「二択!」という亮の言葉が、また耳に飛び込んでくる。
「好き…。かも。二択なら…」
反射的に答える私を、彼はまた突然に抱きしめた。「ありがとう」という声と速い鼓動が、同時に温かく耳に響いた。
⇒【NEXT】「早くこうしたかった…」 (私の知らない私 3話)
アダルト小説にまつわるお役立ち記事
今、人気・注目のタグ<よく検索されるワード集>(別サイト)
あらすじ
あわせて読みたいコンテンツ特集
おすすめエッチ漫画・官能小説
女性のための電子コミックサイト「エルラブ」無料で読める漫画が500作品以上!
1〜10話
- 官能小説
- 幼馴染
- 仕事一筋
- 遠距離恋愛
- 夜明け前〜解放〜
- 夜明け前〜出逢い〜
- 絵の中のあなた
- 空をつなぐ
- 恋のチカラ
- 恋愛エクスプレス
- キミに出会う旅
- 君が気づかせてくれたこと
- home sweet home
- 恋の花の咲かせ方
- まだ見ぬ君へ
- ここにいること
- 未来の花ムコ
- 彼女の生きる道
- 本当の幸せ ―私の誤算―
- コイの記憶
- 救世主
- 再びの春
- 天使の羽
- キャンパス
- 恋愛診断
- 傷心旅行
- 甘い恋愛
- 始まりは雨
- 【小説版】遠回りした私たちの恋
- LOVERS〜恋が始まる〜
- LOVERS〜恋が揺らぐ〜
- LOVERS〜恋がざわめく〜
- 揺れる明るみ〜癒し〜
- 揺れる明るみ〜包容〜
- うずきがとける
- おんなの、秘めごと
- バースデーバレンタイン
- 【小説版】安藤呂衣は恋に賭ける
- 私の知らない私
- ウーマン・オブ・プラネット
- 官能小説の書き方(投稿)
- その指が恋しくて
- あなたを感じる〜電話エッチ〜
- 寂しさの粒
- ルームナンバー701
- 美味しいセックス
- 目で感じる官能エロ小説
- 「もうひとつ」の誘惑
- 新着小説作品
- あなたを掴まえたい
- 夜はまた明ける
- 秘密の氷が溶ける音
- 心の糸を結ぶ場所
- Sweet of edge
- 【小説版】となりのS王子 ファースト・クリスマス
- 【小説版】となりのS王子 恋におちたら
- 先生とわたし
- 【小説版】シンデレラになる方法 〜誓子の場合〜
- 【小説版】夜ごと課外レッスン
- クロスラバーズ spotA 谷崎美陽の場合
- クロスラバーズ spotB 吉井月乃の場合
- 妄カラ女子 spotA 小森未由の場合
- 純白と快感のあいだ
- 妄カラ女子 spotB 榊川彩子の場合
- パラレルラブ spotA 加藤直紀
- パラレルラブ spotB 高木洋輔
- 同居美人 projectA 名取千織
- 同居美人 projectB 上塚想子
- 心も体もつながる夜は
- 幼なじみの甘い脅迫
- 【小説版】甘恋レッスン
- 【小説版】恋のメイクレッスン
- 【小説版】彼女を震わせるモノ
- オンナノコ未満、オンナノコ以上
- 本当にあった物語
- 恋猫、飼い始めました。
- Lovecure
- 二度目の恋におちたから
- 【小説版】Vな彼女と彼氏
- 【小説版】タワーマンションの女たち
- 【小説版】年下わんこのおねだりタイム
- 【小説版】今夜は私から
- 私も知らないわたし
- 初めてのひみつ
- 心も体も通わせて
- マンネリ打破!恋愛スイッチ
- プリンセスになりたい
- 恋の誘惑は唇から
- インサート・コンプレックス
- 上手なキスの仕方を教えて?
- 秘密、蜂蜜、果実蜜
- エッチな女性はお好みですか?
- 【小説版】私だけの、キミでいて。
- あなたのすべてが性癖なのです。
- 【小説版】きみの声じゃないと駄目なんです!
- 欲望まみれの執事に愛されて
- 彼の知らない私と、私の知らない彼
- 「気持ちいい」を聞かせて
- 恋する貴女へ特別な快感(おもてなし)を〜若旦那の恋の手ほどき
- 読切官能小説
- 投稿官能小説
- 大人の恋愛小説
- 夏目かをるが描く官能小説
- 官能コラム
- 夢も欲も愛も飼い慣らして
- 恋愛とセックスのかけ算
- 【小説版】絶対ナイショのラブミッション
- 本当にあった!ラブ物語
- ガールズストーリー
- わたしたちのラブストーリー
- メンヘラ社会人×ラブコスメ
- 同居美人 番外編
- カレントループ〜蠍座と蟹座の秘密の共有〜
- アストロロジーの恋愛処方箋
- 私のことが好きすぎるワンコな彼氏の甘い逆襲
- 朝靄の契り
- 恋欠女子とバーチャル男子