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官能小説 恋欠女子とバーチャル男子 Story03〜デート〜
佳奈子が打ち明けた悩み
子供が生まれてから、夫と二人きりでデートができません。
子供を親に預けるのもいいのでしょうが、デートのためにお願いするのが恥ずかしくて。
嘘でもついて親に預けるのも気が引けてしまうし…
***
彼女の悩みにアイはどう答える…!?
デートなんてしていなかった
会社からの帰路で、子供を幼稚園にお迎えに行く。
眠い、お腹すいたと駄々をこねる子供をなだめながら、スーパーで今夜の夕飯の買い物。
家に帰ると、子供にはテレビを見せながらささっと簡単にできる夕食をつくる。
子供と二人でごはんを食べ、お風呂に入れて寝かしつけると、やっと自分の時間ができた。
今、午後九時。
夫はまだ帰ってこない。
夫の主導するプロジェクトが先日発進したとのことで、ここ最近、残業が続いている。
いつもなら家事も育児も半々にしているけれど、今は仕事に専念してほしいから、だいぶツラいけれど、私が全部引き受けている。
だけど正直、疲れてきた。
子育ての疲れと仕事の疲れは全然違う。
子育ては仕事以上に予想外のことが多い。
体力というよりは神経がすり減って、それに伴って体力も削られる感じだ。
(せめて休日に、二人だけでどこかにゆっくり羽を伸ばせにいけたらなぁ……)
子供は今、三歳。
男の子ということもあって、とにかくやんちゃだ。
ちょっと目を離したら何をするかわからない。
いや、こんなふうに忙しくなる前から、デートなんてしていなかった。
子供が生まれてから、二人きりでお出かけしていなかったんじゃなかったっけ……。
私の両親は飛行機か新幹線でないと行けない距離に住んでいるが、夫の両親は我が家から電車で一時間ちょっとのところにいる。
お二人に頼んで、デートを……なんて考えたこともあったけれど、デートのためにお願いというのは何となく気恥ずかしかった。
(嘘も方便っていうけど、嘘はやっぱり気がひけるしなあ)
それに母親が育児を放って遊んでいていいの? なんて、自制してしまう気持ちもある。
(あ、そうだ、アプリ!)
リビングで一休みしていた私は、会社の昼休みに偶然見つけてダウンロードしていたアプリのことを思い出した。
人工知能が、悩みの相談に乗ってくれるという。
(せっかくだから、今考えていたことを入力してみよう)
私は夫婦でなかなか遊びに行けない悩みを送信した。
***
私、宮島佳奈子の前に出てきたのは、少年の雰囲気を残した、動作も喋り方もおっとりしたアイだった。
髪も目も茶色がかっているのが、余計に幼く見える。
だが、それはあくまでも見た目だけのことだった。
アイは下手をしたら私よりもはるかに世間の常識を知っていた。
「旦那様のご両親にお願いしても、構わないと思うんですよ」
アイは子供が起きないよう、声を抑えて話してくれる。
あまりにもリアルな姿だったので、少し怖いような気もしたし、夫が帰ってきたらどうしようと思ったが、触れられないことで安心した。
これなら万が一にも襲われたりすることはないだろうし、夫が帰ってきたら怪しまれたら触ってもらえばいい。
そして一緒に「最近の技術はすごいね」と感心すれば万事解決だ。
ともあれ、アイは続けた。
「マナーさえしっかり守っていれば」
「マナー?」
もちろん礼儀は尽くすつもりだったけれど、教えてくれるなら知りたかった。
自分で考えるだけでは見落としてしまうことがあるかもしれない。
「まずはいきなり『預かって下さい』じゃなくて、子供の性格や癖を先に伝えてから預かってもらえるかどうかを確認しないといけません」
確かにそうだ。
いきなり「お願いします」では、相手だって面食らうだろう。
「預かってもらえることになったら、いつ……できれば具体的に何時頃、引き取りに帰ってくるかも伝えて下さいね」
そういったことがはっきりしていないと、いつまで預からなければならないのか不安でイライラしてしまうからだそうだ。
もちろん、遅れそうになったときにはできるだけ早く連絡を入れてお詫びする。
「あとは、ちょっとした菓子折りなんかがあるといいですね。子供の面倒を見るって気力、体力、時間、全部使うから、感謝の気持ちは言葉以外のものでも表したほうがいいですよ」
私はノートとペンを出して、アイのいうことを片っ端からメモした。
確かにこれならうまくいきそうだ。
それでも、まだ不安はあった。
こんなことを頼んで、義両親にダメな母、ダメな妻だと思われないだろうか。
これから長い年月を一緒に歩んでいく人たちだ。
そんなレッテルを貼られてしまったら、つらい。
「旦那様に一緒に頼んでもらえばいいんですよ。育児は奥様だけの問題じゃないんですから、奥様だけが負担を負うことはないんです。つらいと思うことがあったらまずは話してみないと。言葉にしてもらえないと気づけないことって、意外とたくさんありますから」
アイは私の心の中を読んだみたいだった。
***
夫が帰ってきたのは12時を過ぎてからだった。
その日は疲れていたようだったので、次の休みの日、子供がお昼寝をしている間に思いきって話してみた。
「なんだ、そんなことで悩んでいたのか。いいよ、一緒に頼もう。っていうか俺が頼むよ。俺の両親なんだし」
「そんなこと」
なんて言われてむっとしかけたが、本人にとってはたまらなく重いことでも、他の人にとっては些細に見えることも少なくない。
それだけに気づけないことも。
「大丈夫? ストレスたまってない? なんだったら一日俺に預けて、一人で気分転換してきてもいいし……」
気持ちが顔に出てしまったのか、夫は意外なほど気遣ってくれた。
なんだ、こんなことでよかったのか。
心の中で固まっていたものが、ぽろりと剥がれ落ちた気がする。
「ううん、そこまでは大丈夫。でも、それとは別に聞いてほしいんだけど……」
私は続けて喋った。
これまでぼんやり思っていたことを、次々と言葉にした。
受け止めてもらいたくてたまらない気持ちになった。
あなたは仕事で疲れているみたいだし、世間のまわりのお母さんたちを見ると、自分の仕事も子供の世話をちゃんとこなせているように見える。
それが当たり前だと思っていた。
お母さんは、子供のためには誰にも頼らず頑張らないといけないと思っていた。
「それで、それでね……ふぇ……」
気がつくと、私は泣いていた。
ああ、私、すごく頑張っていたんだ……初めて自分のことを、そんなふうに認められた。
「ごめん、そんなふうに思っていたなんて知らなかった」
夫は私を抱き寄せて、優しく頭を撫でてくれた。
私自身が子供に戻ったみたいだった。
「これからはひとりで抱えこまないで、助けてほしいことがあったら何でも言ってくれよ。俺は男だし、どうしても察せないこともあるだろうから、遠慮しないで。一時的になら、ベビーシッターを使ってもいいと思うし……」
翌日の夜、私はアイに夫と話したことを報告した。
「よかった」
アイは綿菓子みたいなふわりと甘い笑顔を浮かべてくれた。
「これからも、素直に助けを求めるといいと思う。旦那様だけじゃなくて、いろんな人に。そうして自分もいつか誰かに助けを求められたら、助けてあげればいい」
今度はもっと近くに
次の休みの日、私と夫は菓子折りを持って義父母の家に行った。
二人で久しぶりにゆっくり時間を過ごしたいから、子供を預かってもらいたい、そう頼みに。
私はきちんと説明ができるように、事前にアイに練習相手になってもらっていたが、結局夫のほうが私よりもよほど真剣に義両親に話してくれた。
「たまには夫婦水入らずの時間が欲しいんだ。父さんや母さんには迷惑をかけることになるけど、お願いできないかな」
義両親は快諾してくれた。
「話してくれてよかった。夫婦二人だけで子育てなんて大変だろうねって言っていたの。でも姑や舅がしゃしゃり出てかえって困らせたら悪いし、向こうから何か話してくるまで様子を見ていようってことにしていたの」
義母は言った。
思わず目頭が熱くなった。
義父母は私たちが思う以上に、私たちのことを気にかけてくれていたのだ。
もっと早く素直になっていれば、変に遠慮をさせることもなかったんだろう。
相手を思いやる気持ちは大事。
でも、それとは別に、困ったときは頼ったっていいんだ。
これからも、素直に助けを求めるといいと思う――アイが言ってくれたことを思い出す。
夫に、義両親に、話してみて本当によかった。
「なんだったら一泊してきたらどうだい。日帰りなんて、かえって気が急くだろう」
義父が提案してくれた。
「じゃあ、お言葉に甘えて……」
こうして私たちは、本当に久しぶりに二人だけで一泊二日の旅行に行くことになった。
***
いろいろ話しあった結果、結婚前にデートした、湖のきれいな観光地にドライブに行くことにした。
恋人みたいに腕を組んで湖畔を歩く。
観光地なのでおしゃれなカフェや美術館、お土産屋さんが多く、雰囲気もよかった。
「あ、いい香り」
夫がさりげなく私を抱き寄せ、髪の香りを嗅ぐ。
「なんか、懐かしい匂い」
「わかる?」
私は初めてデートしたときにつけていたヘアオイル「ナデテ ディープマスカット」をつけていた。
出産してからはオシャレもおざなりになることが多くて、ヘアオイルなんて使っていなかったけど、久しぶりにつけてみると、髪のまとまり方が全然違うことに驚いた。
また使うようにしたら、見た目にキレイになれるだけでなく、身支度の時間短縮にもなるかもしれない。
しばらく歩くと、湖全体を見渡せる場所に出た。
よく晴れた日で風もなかったから、湖はきれいに拭いた鏡みたいに真っ青な空を映していた。
夫はまた私を抱き寄せた。今度はもっと近くに。
ほとんど抱きしめられているといっていい距離だった。
恥ずかしい気もしたけれど、平日だったからあたりには人があまりいなくて、私も少しだけ大胆になれた。
顔をそっと両手で包まれ、キスされる。
夫は唇を離すと、私を見つめながら言った。
「子供がいるとなかなか二人の時間がとれないけど、たまにはこうしてデートできたらいいね。愛してる」
それは、二度目のプロポーズだった。
ここは昔、夫が私にプロポーズしてくれた場所だった。
あの日と、ちょうど同じ場所。こんなふうに湖を前にして、突然の、でも優しいキスをして。
「私も、愛してる」
答えて、夫の胸にもたれかかった。
***
夜は静かに食事を楽しめる、高級なレストランに予約をとっていた。
暴れたい盛りの子供と一緒では入れない店だ。
近くにホテルをとっているので、夫もお酒を楽しめた。
だが、会話は途切れがちだった。
ふだん子供の話ばかりしているので、子供がいなくなると何を話したらいいかわからない。
仕事の話もしたけれど、私たちはまったくの別業種で、根本的に分かり合えないところも多かったので、それもすぐに終わってしまった。
夫も話題を探すのに苦労しているみたいだった。
ふと、アイのことを思い出した。
「そういえば今回のことはね、あるアプリのおかげで相談してみようと思ったの」
「アプリ?」
「うん、すごいの。悩み相談アプリなんだけど、3D? っていうのかな、実際にそこに人がいるみたいに会話ができて……」
「VRってやつ? 最近の技術はすごいんだな。そういえば最近俺もニュースで見たんだけど……」
アイのことをきっかけに、私たちはお互いが最近知ったり体験したりしたことを話し始めた。
肩の力が抜けていくのを自覚する。
久しぶりのデートだから、ちょっと緊張していたようだ。
食事が終わると、予約をとっていたホテルに移動した。
ここも、プロポーズされた日に泊まった場所だった。
同じ部屋を押さえることまではできなかったけれど、その分、あのときよりもグレードの高い部屋を選んだ。
(緊張してるなんていったって、あのときに比べればかわいいものだよね)
私はあの日、初体験だったのだ。
あのときは怖くて、恥ずかしくて、痛くて……正直にいうと、いろんなことがいっぱいいっぱいであまりよく覚えていない。
ちゃんと記憶が残るようになったのはたぶん3回目ぐらいからで、楽しめるようなったのは数ヶ月も経ってからだ。
夫が面倒くさがらずにじっくりリードしてくれたおかげだったと思っている。
いつしか、ラブグッズまで使えるようになっていた。
「ねえ、久しぶりに使ってみない?」
一緒にお風呂に入った後、ベッドに横たわった私の体の隅々までキスをした夫は、バッグからおもむろにピンクローターとマリンビーンズを取り出した。
ラブグッズも、出産してからはご無沙汰だった。
エッチ自体はしても、いつ子供が目を覚ますかわからないから、とにかく急いで挿入! というような、色気もムードのないものになっていた。
「うん……使ってみたい」
じつは私も持ってきていた。
ラブコスメ リュイール ホット。
せっかくならいつもよりもいっぱい感じたかったから。
リュイール ホットで敏感にしたところを、夫がピンクローターでなぞっていく。
先端でそっと触れられる感覚が気持ちよくて、あっという間にあそこがびしょ濡れになった。
「ああ、溢れてきちゃった」
夫は舌で愛液を舐め取ってくれる。
その間も、ピンクローターは止めない。
「ぱくぱく開いてる。そろそろ入れようか」
コンドームをかぶせたマリンビーンズを、ゆっくりと挿れていく。
すっかり感じやすくなっていた体が、胴体を貪欲に飲み込んでいく。
「あ、あああ……」
奥まで入ったマリンビーンズは、気持ちイイところにあたった。
私がGスポットの快感を覚えたのは、マリンビーンズのおかげだったといってもいい。
「あ、あんんっ……!」
スイッチが入ると、Gスポットにさらに強い刺激が伝わって、それが体じゅうにじんわり広がっていくような快感になった。

「お願い……私、もう……我慢できない。あなたの、挿れて……」
あまりの気持ちよさに涙ぐんでしまいながら、私は夫におねだりした。
***
旅行から帰ってくると、またいつも通りの日常が始まった。
義父母のところでだいぶ甘やかしてもらったらしい子供は、また遊びにいきたいと繰り返している。
あれからアイにお礼を言おうと何度かアプリを起動させようとしたが、何度試しても、再ダウンロードしてさえ、反応しなくなった。
(ありがとう、アイ)
私は胸の中で、アイにそっと呟いた。
END
あらすじ
子供が生まれてから夫とデートが出来ていないと悩む佳奈子。
親に預けるものなんだか恥ずかしくて。
偶然見つけたアプリ、アイに相談すると…