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官能小説 本当にあった物語 7話「始まりは、“ごめん”」
彼の言葉
ピンクローターの振動と、心臓の鼓動と…。
どちらが大きいかしら…?
ショーツの上からピンク色の粒を震わせながら、心の中では、まだ緊張の糸が張りつめていた。
「自分ばかりイって、ごめん…」という言葉が恋人の信彦の口から出たのは、1週間前。
自分の感度が悪いのではないか…ということばかり気にしていた私にとっては、正直、衝撃的なひと言だった。信彦に、心苦しい思いをさせていたなんて…。
そのときの私は、上手な返事など返せるわけもなく、「そんなことないよ」と目を合わせずに言うと、話題を変えてしまった。
それから、信彦の「申し訳ない」が心から離れず、私は、思い切ってピンクローターを購入した。
これまで、ラブグッズに触れたこともなかった私は、商品が自宅に届いたとき、その箱を手にしただけで小さく震えていた。
その震えが、いざベッドの上で使っている今でも、止まっていないように思う…。
(やっぱり…、私、感度が悪いのかな…)
切なさに心が染められそうになる瞬間、ショーツの内側で、ピクンと何かが反応する。
(あ…、もしかして…きもちいい…かも)
遠くから、クッキーの焼ける香りが少しずつ少しずつ漂ってくるように、ほんのりと体に新しい感覚が芽生える。
(ここ…きもちい…い…)
「きもちいいかも」が、「きもちいい」に変わっていくのと同時に、私の脚は少しずつ開いていく。思わず、ピンクの小さな震えをグッと押し付けると、ピクンという反応が、さっきよりも大きさを増していることに気づいた。
デートの準備
翌日の夜もまた、私は、ベッドの上でピンクの粒を握っていた。
次のデートまであと1週間。「仕事が忙しくて2週間ほど会えない」と信彦が言っていた今だから、“感度磨き”という言葉にも背中を押されて、このローターを買ったのだ。だから、できる限りの準備をしたい…。
(っあ…いい)
昨晩と、明らかに違う。
気持ちよさに脚が開いてしまったスポットにローターを当てると、すぐに体の力が抜けていくような感覚に襲われた。
また、昨夜と同じように、グッと押し当てる。ジンジンと体の内側に届くような響きを抑えるように押し当てているのに、その響きはさらに強くなるような気がるする。
私は、いつの間にか目を閉じて、心地よさに身を任せていた。
さらに翌日もその翌日も、私はピンクローターの震えの中に沈むように夜を過ごした。
最初は、信彦の「申し訳ない」という言葉に、じっとしていられずに始めた“自分磨き”だったけれど、日を重ねていくうちに、純粋にローターの気持ちよさを求める自分がいる。
仕事を終えて帰宅する頃には、体も心もソワソワしてくるのだ。
(ぁぁ…いい…)
心の声が、全身を流れていくような気がする。
快感が流れるポイントにローターを押し当てるだけでなく、クルクルと回すように当てたり、ツンツンとつつくようにしたりすると、小さな丸い泡が、次々と血管を通じて体の中に流れていくような感覚に陥る。
(そういえば、信彦、「イカせたい」とも言ってた…)
明日はデートという夜、震えるピンク色のローターでショーツに触れながら、その内側は周りよりも体温が高くなっていることを感じつつ、彼の優しい声を思い出していた。
2週間ぶりのデート
「おいでよ」
ホテルのバスルームで、先にバスタブに浸かっている信彦が、笑顔で手を伸ばす。
その手に引き寄せられて、私もバスタブに身を沈めた。
「あ…」
心地良い温度のお湯の中で、信彦に体を預けてふたりの肌が重なった瞬間、思わず声が出る。
(なんだか、いつもと、ちょっと違う…)
彼の肌が、すんなりと私に馴染んでくるような。私の肌が、彼の肌に溶けていくような…。
もちろん、これまでだって、一緒にお風呂に入れば幸せだった。信彦が肩からかけてくれるお湯はいつも優しかったし、後ろから抱きしめてくれる腕からは愛情がこぼれていた。
今も、それは少しも変わらない。でも、それだけじゃない。これまでにない何かが、ふたりの肌の間に、流れている。
「どうした?」
どこまでも優しい彼の声に「なんでもない」とさらに身を預ける。
もっと…
ベッドの上でふたりの唇が触れ合うと、さっきバスタブの中で抱いた感覚は、さらに強くなっていった。
ふたりの唇も、舌も、すべてが溶けていくようで、思わず吸い付いてしまう。
「今日、すっごく可愛い、美亜…」
キスの隙間に、私の名前を呼ぶ信彦の息が、いつもよりも熱いように感じる。
「いつもだけど」と笑って付け加える声も…。
「ぁぁ…んっ」
鎖骨を抜け、胸を這い、体をひっくり返してお尻まで流れていく信彦の舌と指先の動きに、思わず声が漏れてしまう。
その声が、いつもよりも潤いに満ちているのが、自分でも分かるほどだった。
太ももからつま先まで愛撫で包み込むと、彼の舌は、太ももの間に忍んでくる。
花びらをかき分けて、その芯にあるクリトリスに舌先が当たると、ビクンと体が波打つ。
「痛い?」
信彦が、顔を上げて目を合わせる。
「ううん…違う…きもちいい…」
そんなことを言ったのは、初めてだった。信彦は、一瞬驚いた表情を見せた後、にっこりと笑って、また私の真ん中に顔をうずめる。
「あぁ…ぃい…」
自分でも意識しないうちに、声が漏れてしまう。そして、その声を抑えようとする力が、どこからも湧いてこなかった。
「ここ、きもちいい?」
愛液をたっぷりとつけた2本の指先でクリトリスを優しく挟んで、耳たぶを甘噛みしながら、信彦が少し意地悪な声を出す。
「…うん…いい…」
恥ずかしさと快感とが同時にこみあげて、でも快感が少しだけ先行して、素直な言葉が出る。
「あぁ…今日、美亜、すごくいい。…がまんできない」
信彦は、少し強い声でそう言うと、一気に私の泉の奥まで入り込んだ。
「あぁぁ…」
私の奥に彼自身が突き当たると、ふたりで同時に声を出して、ギュッと強く抱き合う。
私の中を泳いでいる信彦と一緒に、ベッドの上を泳いでいるような…。不思議な感覚の中を、私は、漂っていた。
彼自身が深く沈むたびに、私の体は、少しずつ彼の中に溶けていく。
彼自身が浅く引き出されると、私の体は、ハラハラと舞う花びらのように粉々になっていく。
そして、また彼が沈むとすべての花びらが集まって溶けていく…。
そのくり返しの中で、私は、自分の体の熱が駆け上がるように上昇するのを感じた。
「もっと…もっと…して」
胸を手の平で包みながら後ろから私の泉を突き上げる信彦に、私は、自分でも驚くようなことを言葉にしていた。
顔が見えないから、言えたのかもしれない…。
「嬉しい…美亜…」
さらに激しく突き上げると、信彦は、私の名前を何度も何度も呼びながら、果てた。
弾む声、弾む心
「すっごく嬉しかった、今日」
もう1度バスタブに浸かって後ろから私を抱き寄せながら、信彦は、本当に嬉しそうに言った。まるで、大好きなおやつをもらった子どものように。
そして、「美亜、今までで一番、きもちよさそうだった」と続けた。
私は、恥ずかしさに、彼の顔にお湯をかける。
「もっとしてって、言ってたね、美亜」
今度は、いたずらっぽくからかう彼に、「やめてよ」ともう一度お湯をかけた。
「ごめん、ごめん。大好きだよ、美亜」
私を制止してギュッと抱きしめてくれる信彦に、「私も、大好き」と返す。
デートの帰り道も、信彦は、ずっと嬉しそうだった。普段よりもよくしゃべり、よく笑った。
私がベッドの上で喜んでいることは、彼にとって、そんなに嬉しいことなんだ…。
立ち寄ったコンビニで、車から降りて店内に入る信彦の後ろ姿を見つめながら、さらなる自分磨きへと心を弾ませた。
END
あらすじ
「自分ばかりイって、ごめん…。」
彼からこんな言葉を聞いてしまった。
もしかして、自分の感度が悪いのかも…?
不安な気持から思いきって人生初のラブグッズであるローターを購入してみることにした。
ローターをショーツの上からあててみると…?