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官能小説 本当にあった物語 8話「ふたつの粒」
内緒の買い物
『ごめん。今夜も遅くなりそう。多分、会社に泊まることになるから、ユリ、先に寝てていいよ』
夫からの連絡に「そか」と小さくため息をつくと、テレビを消してベッドルームに向かった。
“多分、会社に泊まる”と言って、結果的に帰宅したことなど、今までに一度もない。
結婚してからの、この10年。それでも、はっきりと泊まると言い切らないのは、夫らしい優しさだと思う。
『無理しないでね、和樹。明日の夜は、から揚げにしよう!』
夫の大好物を明日の夕飯のメニューと決めて、私は、ベッドサイドのライトを落とす。
(今日の今日じゃ、出番もないか…)
鼻まで布団に潜り込むと、声に出さずにつぶやいた。真っ暗な部屋の中で開けられた瞳は、ドレッサーの引き出しに視線を向けていてる。
その引き出しの中にある、今日届いたばかりのピンクローターに…。
夫の和樹は、以前から言っていた。「ラブグッズっていうの?何か、俺たちも買って使ってみようよ」と。
恥ずかしいし抵抗があるという私に、「ローターなら、形もいやらしくないし、小さいし」と食い下がってきたこともある。
それでも私は、首を縦に振ることはできなかった。
そんな私が、数日前、夫が仕事に出かけている最中にピンクローターを通販で購入したのは、ちょっとした勢いだったのかもしれない。
あまりにも忙しい夫に、何かサプライズをしたいという気持ちが半分。もう半分は、私自身、エッチしたいのにできないという悶々を抱えていたから…。
衝撃
(ちょっと、触ってみるだけ…)
少し深く息を吸い込みながらベッドから出て、ドレッサーの引き出しからローターを取り出す。
自分自身の温もりが染み込み始めたベッドの中に戻ると、ベッドサイドのライトにローターをかざしてみる。
そのあまりにも可愛らしいピンク色が、妙に艶めかしく光って、思わずゴクリと唾液を飲み込んだ。
あんなに抵抗があったラブグッズに、今、胸が、普段とは違う鼓動を生み出している。慌てて空回りしているような胸の高鳴りに、ローターを乗せている手の平もその指先も、熱を増しながら少し震えている気がした。
私は、はっきりとした決意をしたわけでもなく、ただ、急激に大きくなる胸の鼓動に押されるように、ローターのスイッチを入れた。
小さなヴィーンという音に、一瞬、息も思考も止まりそうになる。意識して「ふぅ」と息をつくと、小さなピンク色の粒を、ザワザワと騒いでいる胸に当ててみる。
まずは、左のふくらみに…。そして、その頂点の突起へ。それから、右のふくらみにも…。
緊張しているからなのか、使い方が慣れていないからなのか、正直なところ、夫の指や舌のほうが気持ちいいという声が、自分の内側から聞こえてくるような気がした。
(何か、私、違ってるのかな?)
疑問のような不安のような感情が湧くのを感じながら、私は、手を胸からお腹へと移動させる。そして、ピンクの粒が、ショーツの上へと踏み込んだ瞬間…。
(なに…?これ…)
ドクドクと体の内側が脈打ち、ローターの震えがそれに呼応する。ブルブルと細かく震えるピンクの粒は、体が打つ脈をどんどん速く大きくして、脈の源は引力を持っているようにピンクの粒を引き寄せる。
ローターを手にした私の手は、ショーツの上をすべるように移動して、磁石と磁石がくっつくようにクリトリスの上で止まった。
(…すごい)
やわらかな胸のふくらみでも、その先端の突起でも、感じられなかった衝撃が、一瞬にして全身を震わせた。
「あぁ…」
思わず声が出て、クリトリスにローターを押しつけてしまう。
(ここ…ここ…)
荒れた海のように乱れて脈打つカラダの粒と、細かい一定の震えを保つピンクの粒と、ふたつの粒がぶつかり合って、壊れていく。壊れて小さくなったそれぞれの粒が、またぶつかって、さらに小さく砕けていく…。
「…い…いくっ」
硬直した全身から、絞り出すように声を出して、私は、ぐったりとベッドに体をあずけた。
快感が生まれ始めてからオーガズムまで、あまりにもあっという間で、驚くような恥ずかしいような気持ちに包まれて、ローターを引き出しの奥に戻した。
もう一度…
翌日の昼下がり。普段なら何時間も前に終わっている家事が、まだ少し残っていた。
その理由を、私は、自分で知っている。
昨夜、夫に内緒で買ったピンクローターを使って、自分でも驚くほど一気に快感の谷に落ちていった。あの感覚が、強烈に残っている。頭にも、カラダにも…。
いつもの倍以上の時間をかけて掃除機をかけ終えると、私は、ベッドルームに入ってカーテンを閉める。
まるで、決められてる作業をこなすように、どこか、キビキビと…。
それだけ、朝から、「もう一度、したい」という言葉が駆け巡っていたのだ、全身を…。
少し荒い息でドレッサーの引き出しからピンクの粒を取り出すと、ベッドに全身を預ける。
ワンピースの裾をたくし上げて、今日は、を一直線にクリトリスへと向かわせる。
「あぁ…やっぱり…いい…」
ピンクの震えが触れた瞬間、甘みを帯びたみずみずしいブドウの粒が弾けて、その果汁が全身に飛んでいくような快感が走る。
思わず、昨夜のようにローターを押し付けると、再び、快感の谷へと落ちそうになる。
(だめ…このままじゃ…すぐにいっちゃう…)
そのまま谷底へと落ちていきたい自分と、引き留めようとする自分。強い磁力でつながったふたつの磁石を引き離すように、ローターをクリトリスから離す。
足元が崩れて谷底へと落ちていく土のかけらを見送るような、妙な冷静さと興奮と、そして荒い息が、ローターを握る手に力をこめさせた。
クリトリスの鼓動が少し落ち着くと、私は、再びローターを当てる。そして、足元の崖が崩れ始めた瞬間に、引きちぎるように、暴れる粒からピンクの粒を離す。
息が少し落ち着くと、また、暴れたがっている粒へとブルブルと震える粒を引き寄せる…。
和樹の声
(あぁ…すごい…いい…。このこと、和樹に、なんて話そう…?)
私が自分で買ったと知れば、和樹は戸惑うだろうか…。喜ぶだろうか…。
そういえば、「ユリが自分でしてるところ、見てみたい」とも言っていた。和樹は、私のこんなところを見たいのかしら?こんなふうに、オーガズムが欲しくて、でも、焦らして…。こんな私を見たいの…?
「もっと、脚を開いて、見せてよ」
突如、頭の奥から、夫の声が響く。
私は、その声に、素直に左右の脚を広げてしまう。
広げた脚の間、ショーツの上にローターを滑らせる。その手元を覗きこむ私に、「感じてる顔、ちゃんと見せて」という和樹の息が、さらに深く響く。
顔を上げると、ドレッサーの鏡に自分の顔が映りこんでいる。思わず目を逸らそうとすると、「ユリ、すっごくいやらしい顔してる」と、再び和樹が囁いた。
荒い息だけで答える私の目を、「いきたい?」と和樹が覗き込む。
「まだ…」
さらに息を荒げて小さく声に出すと、足元の崖は、大きな土の塊を谷底へと落とした。片足だけが落ちていきそうなところを、グッと全身に力を入れて踏みとどまる。
「ユリ、いくのをガマンしてる顔も、すっごくいいよ」
鏡に映る私の顔は、苦しそうに上気して、助けを求めるような艶をにじませている。
もう一度、ローターをクリトリスに引き寄せると、崖の前に膝が崩れ落ちるような感覚に襲われる。
「いいよ。そのまま、いって、ユリ」
和樹の声に、私は、崩れる崖に身を任せ、谷底へと落ちていった…。
決意と確信
息が落ち着くまでに、どれくらい時間がかかったのか、よく分からない。
『今日は早く帰れそう!から揚げ、楽しみ!』
という和樹からの着信で、現実に戻った。
『うん!今夜は、夕食の後もゆっくりしよう』
どんなふうに伝えるのか、今はまだ決まっていない。でも、ローターのこと、今夜話そう。嬉しいサプライズにできて、その後も和樹を喜ばせることができる。私は、そう決意し、確信していた。
END
あらすじ
結婚して10年。
今日は夫は帰ってくるのが遅いようだ。
夫がいない間に彼を驚かせたくてコッソリとローターを購入したユリは、早速ローターを使ってみることに…