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官能小説【8話】夢も欲も愛も飼い慣らして
見られながら……
貴之は桃花の言うことなんて聞かない。彼がそう言い出したならそうなのだ。
桃花は諦めと、心の深くから湧き上がる渇きに背中を押されて、彼の前でゆっくりと足を開いた。わずかに足が震える。
貴之を見た。無言のまま、始めろと促している。
桃花は貴之を見つめ返しながらためらいがちに茂みの奥へ手を這わせた。ほんのわずかに湿っている。
それを確認して乾いたクリストリスを静かにこね始める。
ゆるゆると愛撫しているうちに、じゅん、と染み出す熱を感じる。それはいつもより早かった。
最初は達するまでほとんど濡れずにローションがなくては駄目だったのに、今は違った。桃花は蜜口から愛液をすくって陰核へ塗りつけた。
ぬめると痺れが生まれる。
「あ」
桃花は短い声を上げて目を閉じた。
目を閉じても貴之の視線が離れない。今日はひとりではない、貴之の視線があるのだと思うと、その指の動きは巧みになった。
もうすっかり、こういうことには慣れているみたいに。
次第に快楽が強くなって、桃花は薄っすらとまぶたを押し上げた。鋭い視線が桃花の全身を射抜くように見ている。特に、桃花の濡れそぼったそこに、激しく視線は注がれている。
ああ、だめ。見ないで。
桃花は思った。
でもだめ。見て。
そうも思った。
桃花の腰が震える。太ももに力が入って、ふくらはぎが張りつめて足先まで緊張が走る。
「イっていいぞ、桃花」
「あぁ……っ」
桃花は熱く淫靡な吐息を漏らした。だらしなくわずかに開いた唇から、唾液が溢れそうになる。
熱く熟れて染み出す感覚に、桃花はさらに愛液をすくって陰核へ擦りつけた。そして激しく弄り始める。
「いや……っ、あっ……――」
イく瞬間、桃花は自分の手をぎゅっと締めつけて足を閉じた。
余韻を楽しむように、すっかり腫れた場所をゆるゆると可愛がる。枕に顔を埋めて、桃花は乱れた呼吸を繰り返した。
ディルドとローターに翻弄されて
ギシ、と音がして貴之がベッドへ上がったのか分かる。桃花はこれから抱かれるのだろうと、力なく顔を向けた。
けれど貴之は服を着たままで。
桃花の閉じた足を割り開いた。抵抗する力もなく開かれて、卑猥な水音が部屋に響く。
貴之のモノをいれられると思ったのに、ひくつく蜜口に当てられたのは無機質な物体だった。
「ん、何?」
貴之は答えない。
桃花がわずかに体を起こして確認すると、それは桃色のディルドだった。
「や、やだよ」
「嘘だな」
「ああっ……」
桃花の抵抗などものともせず、貴之はそれを桃花の中へ押し込んだ。その瞬間、ぎゅうっとそれを締めつけてしまう。
嫌だと思ったけれど、気持ちよかった。
「あ、あ……あっ」
貴之がゆっくりとそれを動かす。経験したことのない感覚に、桃花はぎゅっと貴之の服を掴んだ。
貴之はその手に触れ、一本一本指を絡める。恋人つなぎになった手を彼はきつく握り締めた。
「覚えるんだ、桃花。もっと」
「いや……っ、あっ」
達したばかりで敏感になっているせいか、勝手に声が溢れてくる。噤もうとした口を、貴之の唇が塞いだ。
「ん……っ、ふっ――」
ねっとりと優しいディープキスに、体の力が抜けていく。差し込んだディルドを、貴之が器用に動かしているのが分かる。
どうなってしまうんだろうと、桃花は自分の体が怖くなった。けれどすぐに、そんな思いはかき消される。
「ああぁあっ……!」
もう一つ、クリトリスに押し当てられたローターによって。
中と外を一気に刺激されて、桃花は身もだえした。
苦しい。
苦しい。
でも。
でも……。
イイ。
麻痺していくような表現できない感覚。
「や、だ……、こんなの……っ」
息を切らしながら桃花が貴之に訴えた。
「なら止めるか?」
キスを止めて、貴之が体を起こす。けれどおもちゃは止めないまま、繋ぎ合った手もそのままだった。
桃花は何も答えられなかった。
あっという間に昇りつめそうな感覚があったから。たった一度のエクスタシーでもきつかったのに、続けてもう一度イってしまったら私は一体どうなるんだろう。そう思うと怖くなると共に、確かに桃花は、期待していた。
襲いくる快楽の行方に、桃花は絡め合った指にぐっと力を込めた。
「あ……、も、無理……っ」
突き上げてくる。今日二度目の高みが迫ってくる。
桃花の腰がくねって、そして。
「あぁあああ……――っ」
深く強い場所へ、昇りつめた。
ずるっとディルドが押し出される。どくん、どくん、と脈打つ膣口がぱっくりと開いたまま愛液を流した。
本当に欲しいもの
「桃花」
びくんと大きく桃花の体が震える。全身を敏感にさせた桃花は、貴之が頬を撫でただけでまた震えた。
貴之の顔が近づき、優しく労わるようなキスが落とされる。桃花は反応できなかった。ぎゅっと足を閉じて体を横に向ける。
「……いやなことした」
まるで子どもが駄々をこねるように桃花はつぶやいた。
「欲しがったのは桃花だ」
「おもちゃが欲しいなんて言ってない」
「そうだな。でも気持ちよくなりたがったのは桃花だ。そうだろう」
桃花は答えられずに、ただ枕に顔を埋めるだけ。
心臓も足の間も、ドクドク大きく脈打っている。時々、びくんびくんと体が震える。
「落ち着いたら、シャワーしておいで」
その言葉に桃花は顔を上げた。
「――しないの?」
「ああ」
「どうして」
「どうしてもだ」
桃花の秘部はまだ熱く疼いている。
どうして。
もう一度聞きたかった。
でも、自分が何故そんなにしつこく聞かなければならないのか、桃花にはよく分からなかった。
しなければならない理由なんてない。そうだ。ホテルにいるからって絶対にいれなきゃならない理由なんてない。
でも。
でも……。
欲しいんだと桃花は気づいた。体温のあるあの固くて太いもので穿たれて、あの背中にしがみついて、深くキスをして。そういうことがしたい。
でも言えるはずがない。だってそんなのはおかしい。
いれてほしいだなんて。そんなのは、おかしい。おかしいし、恥ずかしいし、そんなの全然、自分らしくない。
桃花は無言で起き上がるとシャワーに向かった。
冷たいシャワーを足の間に当てて火照りを冷ます。つらくはなかったけれど、ずっと、そこが疼いている感じがした。
少しだけ触れてみた。奥まで指をいれてみた。でも、どうってことない。何も感じない。感じるようにしなければ、別に感じることもないのだ。
そうだ。欲しいと思わなければ、別になくても構わない。
きっと、そうだ。
桃花はメイクのよれた顔を鏡に映しながらそう思った。
エロおやじ
シャワーから出ると、貴之はひとり何か考え事でもしている様子で缶ビールを飲んでいた。
ホテルの部屋の冷蔵庫にあったものを飲んでいるんだろう。
「ぷっ、似合わない」
桃花はその様子がおかしくなって、明るい声で笑った。
「缶ビール飲んでたら、仕事に疲れたサラリーマンみたいでウケる」
「同じようなものだろ」
「社長なのに?」
「社長でも仕事には疲れる」
「疲れてるの?」
「疲れてると思えば疲れを感じる」
「何それ。根性論的な?」
「そうだな。疲れってのは気持ち次第で誤魔化せる」
「おじさん。過労死しちゃうよ」
桃花は貴之の手からビールを取り上げ、ぐびぐびと飲んだ。まだ冷えていて、キンと喉に突き刺さった。
「仕事が好きな人間が過労死しても幸せなだけだ」
「なんか悲しい人生だね」
「悲しいと思ったことは一度もないな。仕事一筋できたおかげで結婚もせずに桃花と出会った」
「やめてよ、重いよ」
「不倫は嫌なんだろう?慰謝料の問題も出てくる」
「わ、ロマンチックかと思ったら急に現実的」
「突っ込みが早いのは頭のいい証拠だ」
「いやいや、おじさんが突っ込みどころ満載なだけだから」
「そうか。ビール、まだいるか? それか食事に行こう」
「あ、うん」
まただ。またこうして会話が尻切れトンボになる。
けれど桃花はいつしか、別にこのペースも面白いし悪くないなと思い始めていた。
「おなかすいちゃった」
「だろうな。あれだけイけば」
「ちょっと、またエロ発言やめて。外で言ったら叩くからね」
「どこを?」
「え?えっと、腕とか」
「それなら構わない」
「えっ、じゃあ足!」
「いいぞ」
「じゃあ、頭にするよ!」
「ああ」
「結局どこでもいいんじゃん!」
貴之は笑った。けれど、立ち上がって部屋を出る時桃花に顔を寄せて、
「桃花。これからも毎日自分でするんだぞ」
艶めいた低い声で桃花の耳へ囁いたのだった。
あらすじ
貴之に見られながらのひとりH。クリトリスに指を添わせると僅かに濡れている。
貴之の視線を感じながら、桃花は快楽を求めて巧みに指を動かす。
ああ、だめ。見ないで…――。