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官能小説【6話】夢も欲も愛も飼い慣らして
エロティックな名前
挿入された瞬間桃花は、自分はソレがソコに欲しかったんだと気づくことができた。
押し入られる快楽、組み敷かれる被虐心。
「つ、らい……」
桃花は貴之の首を両手で引き寄せて抱き締めた。
ズン、と体の奥を突き上げられると、そのたびに声が漏れる。桃花は唇を噛み締めた。
痛くない。今日は痛くなかった。
いつもなら奥まで突かれると痛くて、どんどん……、どんどん白けていく自分がいた。
セックスの最中に白けるのなんて毎度のことで、最初はまあいいかなと思っていてもすぐに良くなくなる。
彼氏だったら仕方がない。
エッチするのは当たり前だから。
でもそうじゃなかったら?
ただ面倒くさいだけ。
貴之が体を起こして、彼の首へ回していた桃花の手が外れる。
行き場がなくなってでも苦しくて、桃花はベッドのシーツをぎゅっと掴んだ。
体の奥深くに響いてくる律動。ずぶずぶに溶けていく快楽。
「桃花――、桃花」
なんてエロいんだろうと桃花は思った。
自分の名前がこんなにエロティックだなんて知らなかった。
貴之と出会わなかったら永遠に知ることはなかったかもしれない。
ただの、
も、も、か。
それだけの音の響きがどれだけ淫靡に心を震わせるかなんて。
また名前を呼んでほしくて桃花は噛み締めていた唇をほどいた。
けれど。
「あ……ん、あ……っ」
漏れる音は言葉にならずに、ただただ淫らな喘ぎを奏でるだけ。
「桃花――」
それでも貴之は桃花の名前を呼んだ。まるで分かっていたかのように。名前を呼んだ。
貴之の首筋に一筋の汗が伝う。筋張った男性的な鎖骨へ流れ、唾液を飲み込んだのか喉ぼとけが上下した。
性器全体に心地よさが広がっている。激しくされているのにちっとも悪くない。言いようのないつらさに腰が震えたけれど、それも少しも嫌じゃなかった。
まだやめないで。
まだイかないで。
桃花はそう思った。
貴之の腰の動きがまるで余裕をなくしたように速くなる。
「桃花」
また名前を呼ばれて桃花は返事とは言えない掠れた声を発した。
「桃花、悪い。今日はもう駄目だ」
激しく深く響く。貴之は桃花の腰をぐっと掴んで数回深く押し込んだ。
そして。
セックスの快楽
「っ……――」
桃花の初めて見る顔をして、貴之は達した。
汗が弾けた。
どくん、どくん、と射精をする拍動が桃花の中で伝わってくる。だけどそれでも良かった。
桃花は自然と、貴之の体を抱き寄せた。
乱れた呼吸が桃花の耳元で繰り返される。激しい心音が重なり合った胸から伝わってくる。
ひどく満たされた心地になった。重くて甘い疲労感が、じんわりと体を支配していく。
心身を溶かす快楽に、貴之の重い体を身に受けながら桃花は目を閉じた。
「私……、こんなの初めて」
貴之が桃花の首元へ顔を埋めてキスをする。
それは甘くてくすぐったいものだった。
「まだまだ知らないことがあるよ、君には」
「貴之サンには教わりたくないって言った。私。可愛くないでしょ」
貴之はごろんと桃花の上から降りて、となりへ寝転んだ。
「ああ、可愛くない」
「だよね」
「でもそれでいい。嘘がない」
「――嘘ならたくさんついたよ」
「ああ」
「気づいてるの?」
「多分な」
きっとなんだって見抜かれている。桃花はずっとそんな気がしていた。
それが怖くて怖くて、傷つくのが怖くて。でもふっと……、今はそうじゃないことに気づいた。
嘘をついたって分かってくれる、見抜いて察して受け入れてくれている。
この人は、『私が』イイんだ。
その結論に確かな根拠なんてない。それでもそれは確かなことに思えた。「やっぱり貴之サンは意地悪だよ。私のこといじめてる」
「どうだろうな」
貴之は体を起こすと、さっとベッドから降りた。
「シャワーしてくる」
「……うん」

桃花に布団をかけて、貴之はひとりでさっさとシャワー室に消えてしまう。
すぐにシャワーの音が聞こえてきて、桃花は貴之のかけてくれた布団にくるまった。
「――あっさりしすぎ。おじさんのくせに」
ひとりごちて、今度は頭まで布団をかぶる。
まだ足の間がジンジンしている。
そっとそこに触れてみると、それは初めての感覚だった。ぼってりと熱を持って腫れあがって、ぬめった愛液で溢れている。いつもの倍ほどに腫れている感じがして、桃花は少し怖くなった。
まるで、ふやけて火照ってだらしなくなっているようだ。
慌てて手を離してぎゅっと目を閉じる。体はやたら重くて起き上がれそうもない。
――初めて、イった。
その感覚を幾度も辿るように回想していると、そのうち……、底なし沼に引き下ろされるように眠りについていた。
自慰の指令
「桃花。泊まっていくか?」
肩を揺する振動と、低い声に意識が戻ってくる。
「ん……」
寝返りを打ってうっすら目を開けると、すぐに貴之の顔が飛び込んできた。
「わ……っ」
びっくりして布団を頭からかぶる。
「泊まっていくか?明日仕事は?」
布団の向こうから静かに問いかけられて、桃花はおずおずと顔を出した。
「メイク、ぐしゃぐしゃ?」
「ふ、ああ、そうだな」
貴之が笑った。
笑うとほんの少し目尻に皺ができて優しい印象になる。
「ズルい」
「何が」
「全部。貴之サンはズルいよ」
「大人だからな」
「私と違って?」
「ああ」
「メイク直す。シャワーもする」
「泊まってもいいぞ」
「泊まらせたいの?一緒に寝たいとか?」
「いや。人と一緒だと熟睡できない」
「ふうん。それがエッチした女に言う言葉?」
「言っただろう。俺は嘘はつかない」
「私と違ってね」
また憎まれ口を叩いてしまったと思ったけれど、一度口にした言葉は取り消せない。
どうしてこの人の前だといつも通りの人付き合いができないんだろう、と桃花は内心ため息をつきながら体を起こした。
まだずっしりと重い。
「桃花。明日から毎日、自分でしろ」
「え?」
「オナニーしろと言ってるんだ。一日一回以上、今日みたいにイくんだ」
「何言ってんの、エロおやじ」
「そうすればもっと良くなる。いいな」
「やだよ」
「桃花」
「っ……」
貴之は桃花の腕を引くと強引にベッドへ座らせた。
そして、桃花の足を割り開く。
「ここを、俺が今日したように弄るんだ」
「んっ」
今日散々弄られた花芯にまた触れられて、桃花の体は大きく震えた。
「やめてよっ」
「じゃあ自分でしろ。毎日だ。いいな」
「やだ」
「いいな」
「やだってば」
「桃花」
逃げようとした桃花の足をぐっと掴んで、貴之はまだわずかに熱の残る桃花の中へ指を押し込んだ。
そうしながら別の指でクリトリスをこね回す。
「君の体はもう覚えたんだ。いいな?」
貴之にそうされるだけで、桃花の秘部はまた痺れるような快楽を訴えた。
自分でするなんて。オナニーするなんて。したことない。
桃花はもう一度、大きく首を振った。
ずるっと貴之の指が引き抜かれる。かと思えば、
「やっ、あぁ……っ」
貴之は桃花の足の間に顔を埋めて、クリトリスを強く吸った。
「やめっ……、やめ、てっ」
吸い上げたあとに、押しつぶすようにして激しく舌で愛撫される。
腰にまで、蕩けるような感覚が広がってくる。
「やめてっ」
桃花はもう一度、切ない声を上げた。
指とは違う、滑らかだけれど強い感覚に、性器全体が、おしり全体、腰全体が、蕩けておかしくなりそうになる。
桃花は貴之の頭をぐっと押しのけようとしたけれど、がっしりと腰を掴んだ貴之のせいでそれは叶わなかった。
ジンジンと響いてきて、体の力が抜けていく。桃花の腕から力が抜けた。自然と足に力が入って、自らそこへ向かおうとしている。
それを実感した瞬間。
桃花は泣きたくなって、本当に泣いた。
「もう、いや……っ」
スッと、貴之が離れていく。
唾液と愛液で濡れた場所が、すうっと冷たくなる。
「分かったな?桃花。この先に、自分でイくんだ」
「ん……」
桃花は両手で目を覆って、返事とも言えない返事をした。
⇒【NEXT】震えるようで、熱くて、痺れて、切なくて、もどかしくて、苦しくて。でも欲しい。(夢も欲も愛も飼い慣らして7話)
あらすじ
挿入された瞬間、桃花は「自分はソレが欲しかったんだ」と気づいた。
感じる快楽に、いつもは痛いと感じるそれも、体の奥深くに響いてくる律動に心が震えた。