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投稿官能小説「手紙で告白」
春香は少し胸が苦しくなった
春香はセミロングの黒髪を束ねながら、郵便局の窓口に向かった。
「どちらの年賀状にいたしますか?今年は色付きやキャラクター付きもありますよ」
今年は郵便局も年賀状には力を入れているようだ。
CMもとても上手に作られていて、その主人公たちのように自分もお世話になっているみんなに出してみようかなぁ、とつい触発される。
春香も小さい頃は友達や先生に必ず書いていた。
しかし、大人になってからは仕事上で数枚出す程度で、プライベートではほとんどがメールで済ませるあいさつだった。
「手紙は書くのも受け取るのも楽しいもの」
仕事や日々の生活の慌ただしさにかまけて、それをすっかり忘れていた。
あのCMは、そんな春香に重い腰を上げさせてくれるのに十分な力があった。
今年は、昔手紙をよく書いていた小中学校の友人にも送ることにした。
とはいえ7年もブランクがあると音信不通になっているかもしれないので、その頃から今でも交流のある友達に、メールで確認を取ってみた。
「裕子はまだ実家だし、雅子は結婚して大阪に行ったみたい、知美も家は出てるけど近所に住んでるよ。あと……」
みんなそれなりに変わって、それなりに元気なんだ。
その返事のメールを見て、春香はほんわか暖かい気持ちになった。
「あと明博も自宅から大学院通いだし、祐輔は…最近連絡取ってないなぁ。うーん、とりあえず、春香のアドレスをみんなに教えて、本人から直接連絡が行くようにするね」
祐輔。
その文字を見たとき、春香は少し胸が苦しくなった。
小学5年生の頃からずっと好きだった。
低学年の子に優しく接している姿を見て好きになった。
趣味も合って、よく話をした。仲も良かった。
周囲から噂されたりもした。でもそれだけだった。
しかし、祐輔は小学校卒業と同時に親の転勤で遠くへ行くことになった。
目の前が真っ白になった。
それからは、いつものように一緒に楽しく話をしていても、心のどこかが少し苦しかった。卒業式の日に想いを打ち明けようと思った。
でも当日は、いつものように笑顔で挨拶を交わすだけだった。
祐輔は私とみんなに手早く挨拶をするとすぐに帰って行ってしまった。
それっきりだ。
一瞬のほろ苦い想い出から覚め、春香は返事のメールを打った。
急に鼓動が速度を上げた
そして翌日からしばらくの間、かつての級友からメールが大量に届いた。
しかし、祐輔からのメールはメールラッシュが止んでからも結局届かないでいた。
仕方ない、とあきらめ、送ってくれたみんなの住所をアドレス帳に控え、それぞれの顔を思い浮かべながら年賀状を書いた。
みんな、どんなふうに大人になって行ったんだろう。
そして春香は年賀状を書き上げ、近所のポストに投函した。お楽しみに、と心でつぶやいた。
友人たちに「年賀状送ったよ」のメールを送ろうと携帯を開いた。
その時、息が止まった。
「超遅れてゴメン!まだ間に合う?」
祐輔からメールが来ていた。急に鼓動が速度を上げた。なかなか思うように文章が作れなかったが、結局、気軽な感じにすることにした。
「えーもうみんな出しちゃったよ。祐輔久しぶりだね!今はどこに住んでるの?」
意外にもすぐ返事が来た。
「一応東京だけど、出張が多くて転々としてるんだけどね…とりあえず明日はちょうど春香のウチの近くにいるから、よかったらメシでもどう?」
逢える。
春香は息を飲んだ。胸が甘い痛みに包まれた。
そして翌日、最寄り駅前の居酒屋で待ち合わせをした。
ほぼ同時に約束の時間の5分前に現れた。すぐにお互いが分かった。
「ふふ。お久しぶり」
「やぁやぁ。あんまり変わってないね、相変わらず」
祐輔は小さい頃こそ背が高かったが、今は春香とあまり大差なかった(さすがにそれは言えなかった)。
でも優しさのにじみ出ているような青年になっていた。
それがすこし嬉しかった。
春香と祐輔は狭くて薄暗い2人部屋の狭い個室に隣同士に座った。
お酒を注文し、久々の再会に乾杯した。あの頃と同じように笑い合った。
「……しっかしまぁ、ほんと何年ぶりだろうねぇ」
「祐輔が勝手に引っ越しちゃうから、中学時代はつまらなかったよ」
「親の出張だもん、どーしよーもないでしょ」
「そうだけどさ……」
春香はカシスオレンジを一口飲んで、続けた。
「中学生の頃はあまり楽しくなかったんだよ。大好きだった人もいなくなったし、他に好きになる人もいなかった。それだけでも学校生活の楽しさは違ってくるんだ…ってつくづく思ったよ」
そして春香が高校生の時、急性肝炎で入院し、その間に両親が離婚した。何も手が付かなくなり、高校も中退した。
今はコンビニと喫茶店でフリーターをしている。とはいえ別に後悔もない。常にやるべきことはやってきたし、言うべきことは言ってきた。
ただ春香自身の力不足と、春香以外の力によって、望まない結果になってしまっただけなのだ。
「………でも、あのとき、祐輔にちゃんと伝えていたら、今は何か変わっていたかな、って、そう思うときはたまにあるよ」
「そっかそっか…」
「って、さっきからそればっかじゃん」
「いやいや、いきなりそんな告白されても戸惑っちゃうでしょうに。でも、ごめん、勝手にいなくなっちゃって。辛い思いさせちゃったのは事実だよね」
春香は言葉の代わりにグラスに口をつけながら笑顔で返した。
…うち、くる?
ご飯が運ばれて来た。お互い食べながら、相手のおいしそうに食べる様子を見て微笑み合っていた。
ある程度食べてから、春香は祐輔に聞いてみた。
「ねぇねぇ祐輔、今は彼女いるの?」
「うん?いないよ、会社と出張先と自宅の往復って感じだからさ」
「そっかそっか」
「春香は?」
「いない。コンビニと喫茶店と自宅の往復って感じだからね」
「そっかそっか」
「じゃあ…手繋いでもいい?」
「え、今?」
「うん。他から見えないし。昔できなかったし」
そういうと春香は祐輔の手をそっと握った。
「えへへ。祐輔の手、ちょっとひんやりしてて気持ちいいね」
「ちゅーか、春香って意外と大胆なんね…」
「昔からずっとやってみたかったんだもん」
それから数分、無言で手を握っていた。握った祐輔の手がすこしずつ暖まって来たのを感じた。
春香はそっと祐輔に寄り添った。祐輔は一瞬身体をビクッとさせたものの、特に抵抗はしなかった。
しばらく心地よい穏やかな緊張があった。
「失礼します、抹茶アイスお待たせしましたー」
店員が緊張を破って最後のデザートと伝票を届けて来た。春香はゆっくりと身体を起こし、アイスを口に運んだ。
それを祐輔が眺めているのに春香が気づくと、
「あ、祐輔もアイス食べる?」
「んじゃあもらおうかな」
「いいよん」
そういって春香はアイスを口に放り込み、すぐさま祐輔にディープキスをした。
祐輔は驚きのあまり何が起きたのか理解できなかった。春香はすっと顔を離し、祐輔に笑顔を向けた。
「どう? おいしい?」
それからもうしばらく、なるべく音を立てないように、お互いの舌を絡ませ続けた。
春香は下腹部から蜜がとろとろと溢れているのを感じた。祐輔がほしい。身体がそう訴えている。
そっと祐輔の股間に手をやった。いやらしいほど硬い感触。
「…うち、くる?」
祐輔はうなずいた。
春香の家に着くなり、二人は激しくキスを始めた。止まらなかった。お互い衝動的に服を脱ぎ捨て、下着姿のままベッドに倒れ込んだ。
祐輔のキスが耳から肩、胸へと移動している間に、ブラを外した。
春香の丸い胸と、先端の大きく膨れ上がった乳首があらわになった。祐輔はそれを強めに吸った。
「あああぁぁぁ……っ!」
祐輔はその乳首を舌先で転がしつつ、もう片方の胸を揉んだ。
「はあぁぁ……あああぁ………」
「春香の胸、柔らかくて気持ちいいよ…すっかり大人だね、声も…」
「祐輔もエッチなことよく知ってるじゃない…すごく気持ちいいよ…」
春香は祐輔のトランクスの上から石のように固くなったそれを撫でた。
そしてそっとトランクスを脱がし、祐輔のペニスを触った。
「うぅ……ちょっと触られるだけでもうイキそうだよ……」
祐輔の手を取り、春香のパンティの中へ誘った。
「祐輔のいやらしいもの触ってたら、こんなになっちゃったよ……」
「そっか……欲しい?」
春香はパンティをそっと脱ぎ、祐輔の上にまたがった。
「うん……祐輔が欲しくてたまらないの……」
これほどの快感は初めてだった
祐輔を見つめながら、春香は自分の中に祐輔をぎゅっと入れた。
電撃が体中を走った。身体が勝手にのけぞった。
「あ、ああああああっっ………!! すごい………っ」
「あぁっ……春香……」
これほどの快感は初めてだった。
そして大好きだった人とひとつになる幸せ。
背中を反らすようにしながら、春香は腰を揺さぶった。
タイミングを合わせるように祐輔も動いた。その度に快感に襲われた。
「あっ……あ………ああっ………祐輔、すごく気持ちいい……」
「春香も………あったかくて……締め付けて、あぁ………いいよ………」
「春香………もう、イキそうだから……場所代わってくれないかな……抱き合いながらイキたいんだ」
「……うん……」
そっと春香は腰を離した。固く大きなペニスが春香の中からぽんと抜けた。
抜ける瞬間も気持ちよかった。
そして春香が下になり、脚を上げた。二人はお互いを見つめた。祐輔は春香の脚の間から自分をゆっくり入れた。
そして小刻みに春香の中に押し込んで行った。
「あ、あ、あん……だめぇ…あ……、祐輔……おかしくなっちゃう……」
「あぁ……おかしくなっていいんだよ………はぁぁっ…………」
祐輔は腰を動かしながら、春香の乳首をつまんだ。
「ああああっ……!! だめだよぅっ……はぁんっ………」
「そう? じゃぁ……」
すこし腰の動きを落としながら、春香のクリトリスをのぞき込みながら触り始めた。
「あああああああ!!!! だ、だめ……っ、あああっっ」
「もうここも…おっきくなってるね……真っ赤だよ」
「あぁぁああんっ………はああぁぁっ………そんな……イっちゃう……」
「俺ももうすぐ……イキそうだから……一緒に……」
「うん……一緒に」
祐輔は動きを激しくした。春香の奥の方を強く突き続けた。快感はさらなる高みに向かって増していく。どんどん突かれるたびに、少しずつ、溢れそうになっていく。
ああ、もう耐えられない……。
「……ゆ、祐輔……っ、ああああっ……祐輔ぇっ……イっちゃうよぅっ…」
「俺も……春香の中で………ああっ、イクっ……」
祐輔は春香の中に自分をぐぅっと押し込みながら、震える春香の身体を抱きしめた。
「あっ、あ、ああぁぁっっ…!!! 祐輔っ……! ああんっ……」
「春香っ………うぅっ………はぁぁっ…………」
二人は、春香の中に祐輔が入ったまま横になり、抱き合っていた。
「祐輔………ありがと」
「久々に逢っていきなりこんなんって………なんかごめん」
「ううん、いいの。ものすごく気持ちよかったし……なんだかとっても嬉しいんだ」
「そっか、それならいいんだけど」
「祐輔は…よかった?」
「……うん。気持ちよかったよ。それに、ずっと忘れられなかった人と結ばれるのはやっぱり嬉しいよ」
そう言って、祐輔はさらに強く春香を抱きしめた。
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あらすじ
今年は、昔手紙をよく書いていた小中学校の友人にも年賀状を送ることにした。
それをきっかけに、ずっと好きだった祐輔と久しぶりに会うことになり…